さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2017年10月11日

下町ロケtット 池井戸潤著 小学館

池井戸潤が直木賞を取った作品。池井戸作品の特徴が良く出ている。
 中小企業が金融機関や大企業を相手に技術力を持って倒産の危機を回避する。
 ここではロケットエンジンの研究者であった主人公がロケット打ち上げ失敗の責任を取って親の会社の社長になる。
 そこで開発したバルブシステムが大企業の嫌がらせを見事に跳ね除けて、ロケット打ち上げ成功にいたるサクセスストーリーである。
 企業にとって地財戦略が如何に重要化を良く示したものであり、経営に大いに役立つ。
 中小企業の経営者に読んでもらいたい作品である。  


Posted by 北のフクロウ at 10:05Comments(0)読書

2017年10月11日

暗き炎 C.Jサンソム 集英社文庫

チューダー王朝弁護士シャードレイクシリーズの2作目。
 イングランドチューダー王朝ヘンリー8世時代を舞台とするミステリー。
 主人公が脊柱後湾症の弁護士で、時の宰相クロムウエルに仕え、難事件を解決する。
 今回は東ローマ時代に使われたというギリシャ火薬(暗き炎を発する)を巡る殺人事件と主人公が無実の罪でとらわれた少女の裁判事件とを絡めて、ヘンリー8世時代の政略、陰謀を背景に物語が進展する。
 その時代が非常に細かく描かれていて、ロンドンの悲惨さが良く分かる。著者がバーミンガム大学で歴史学を修めている成果が良く分かる。
 当時のヘンリー8世が離婚を禁じたカソリック教に反発して、国教会を創立したのは、有名な歴史的事実であるが、プロテスタトとカソリックと国教会が宗教闘争を行ったことが、当時の世相に反映している。多くのカソリック協会や修道院が破壊され、混乱の中にロンドンに住処を求めて人々が集まってきた。錬金術師も活躍していた。ギリシャ火薬は今で言うナパーム弾のような物で、石油を含有しているため当時のイギリスでは製造できなかった。これを所有することは敵対していたフランス、スペインに対して、優位に立てる武器であった。
 現在の北朝鮮の水爆や大陸間弾道ミサイルにも匹敵する武器であったろうと思われる。いつの時代も変わらないと思う。  


Posted by 北のフクロウ at 09:57Comments(0)読書