さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2014年04月19日

敵は本能寺にあらず 新宮正春著 双葉社

伊吹平九郎という腕の立つ牢人を主人公に信長、秀吉、家康の安土桃山時代の堺商人の視点から時代を見ている。
   


Posted by 北のフクロウ at 10:21Comments(0)読書

2014年04月19日

土方歳三の遺産 典厩五郎著 双葉社

 作者は歴史上の人物を主人公にして、想像力を逞しくしてミステリーを作るのが得意のようだ。
 ここでは新渡戸稲造がロシア皇太子暗殺未遂事件(いわゆる大津事件)の犯人津田三蔵が釧路集治監で何者かに殺される。その犯人と思われる札幌農学校の南部藩特別留学生の行方を追って、当時教授であった新渡戸稲造が東京で事件の解明に努める。当時存命したと思われる黒田清隆、井上馨、内村鑑三、夏目漱石、川上音奴、樋口一葉、元新撰組の永倉新八、斎藤一、岡本綺堂などが出て来るのがご愛嬌だ。岡本綺堂の「半七捕物帖」の半七親分と思われる半七まで出て来る。
 題名の土方歳三はご存じの新撰組の副長で、函館戦争で戦死したが、彼と黒田の密約が遺産というわけだ。
 なかなか良くできたミステリーで、当時の時代考察もよくできていると思った。  


Posted by 北のフクロウ at 09:59Comments(0)読書

2014年04月19日

大追跡 C.カッスラー著 扶桑社ミステリー

C.カッスラーはダーク・ピットシリーズで著名であるが、20世紀初めの探偵アイザック・ベルを主人公にしたシリーズを2007年に出版した。最近は共著が多いが、これは珍しく単独著作作品である。
 時代を20世紀初頭に設定し、当時事件となった銀行強盗殺人犯をアイザック・ベルという探偵が解決する物語である。最初から犯人はわかっており、両者の駆け引きが物語の中心である。一時代前の悪漢物のような作品で、カッスラーの年齢を感じざるを得ない。しかしながら、サンフランシスコ大地震とその後の大火災の出来事とか、当時の自動車や汽車の活躍はマニヤックな作者ならでの面白さがある。シリーズの共著作品がどうなるか今後楽しみである。  


Posted by 北のフクロウ at 09:27Comments(0)読書

2014年04月19日

第568回札幌交響楽団定期演奏会

4月12日(土) KITARA 
指揮 R.エリシュカ
序曲 ローマの謝肉祭 ベルリオーズ作曲
交響曲ニ長調     ヴォジーシェク作曲
交響曲第6番ロ短調「悲愴」チャイコフスキー作曲
今回の聴きものはチャイコフスキーの「悲愴」である。
過去にも札響の「悲愴」は聴いたが、今回の演奏はエリシュカさんの演奏が出色であった。
この曲はいろいろある交響曲の中でも好きな曲の一つである。CDはカラヤン指揮のウイーンフィルの演奏を持っている。
この曲には中学生時代に札幌時計台のレコード観賞会で聴いた思い出がある。一緒に行った友達が第1楽章の音が大きくなるところで、居眠りしていたのがびっくりして文字通り飛び上がったので、大笑いしたことがあった。
 この曲では第4楽章のアダージオ・ラメントーソが好きだ。他の交響曲が派手に終わるところを、いかにも死を予告するように静かに終わる。チャイコフスキーがこの曲を初演した後、9日後に亡くなるというのも、ドラマティックである。

ヴオジーシェクの交響曲は初めて聴いたが、エリシュカさんの思い入れのある曲のようで、なかなかいい曲であった。もっと演奏されてよい、と思った。
   


Posted by 北のフクロウ at 09:15Comments(0)音楽

2014年04月05日

人生に七味あり 江上剛著

 銀行合併で吸収された銀行のエリートが子会社に追いやられ、嫌気をさして、居酒屋チェーン店に再就職する。そこでCFOとなるが、その会社には巨額負債があり、CEOに祭り上げられてします。債権に苦労するうちに、再建に必要なものは社員のやる気をいかに引き出すかということに気づく。ハッピーエンドの結末はいかにも小説であるが、ここでも貸しはがしをする銀行のいやらしさが、銀行マン出身の作者ならではのリアリティで書かれている。居酒屋チェーン店の経営は契約料と売り上げの歩合であるが、契約取り消しに契約料の返還特約があるかどうかが問題になるようだ。そういうところをよく取材している。

  


Posted by 北のフクロウ at 16:03Comments(0)読書

2014年04月05日

赤い三日月 黒木亮著 毎日新聞社

 黒木亮は国際金融や国際経済に関する小説を書いている。この「赤い三日月」は副題を「小説ソブリン債務」といい、湾岸戦争前後のトルコのソブリン債に関わる日本の銀行マンの仕事ぶりを描いている。トルコの政治情勢や日本の大手銀行の国際金融に対するスタンスといったところが、よく分かる。今日本はトルコに原発を売り込むなど、関係を深めているが、トルコの経済情勢はどんなものであろうか。それにしても発展途上国のソブリン債はいろいろリスクがあるものだ。

  


Posted by 北のフクロウ at 15:54Comments(0)読書

2014年04月03日

ブラックリスト ブラッド・ソー著 SB文庫

 副題を「極秘抹殺指令」といい、民間情報組織カールトングループが極秘抹殺指令のブラックリストに載り、メンバーが次々と抹殺される。その抹殺を逃れたカールトングループのリーダーリード・カールトンとその部下のスコット・ハーヴィスが陰謀をたくらんだATS社と対立する。ATS社のクレイグ・ミドルトンはITの天才で、政府の要人を巻き込んで、インターネットによる世界支配を目論んでいる。情報の重要性が高まっていて、情報を支配するものが、世界制覇をする時代になったということか。電話盗聴、監視カメラによる監視、監視人工衛星などで、情報を見ることができる人間や組織が有利になることは明らかで、監視社会の恐ろしさがテーマになっている小説である。

  


Posted by 北のフクロウ at 08:39Comments(0)読書

2014年04月03日

小栗上野介の秘宝 典厩五郎著 新人物往来社

 小栗上野介は幕末の勘定奉行で、徳川家の財宝を隠したといわれる。明治政府になって財政難に陥った政府は必死に探したが、いまだ見つかっていない。この小説では井上馨が悪者になっていて、尾去沢の銅山を買収して、小栗上野介の財宝を奪い取ろうとする。明治政府の発行したお札にも偽札があり、その黒幕にも井上馨が絡んでいる。薩長土肥の派閥が背景にあって、主導権争いがあったのは事実であり、肥前(佐賀)が主流から外れていくことが歴史的に言われている。ここでは江藤新平が正義派となっている。この辺りの歴史はまだまだ掘り出せば面白いテーマがあるようだ。作者秘宝シリーズの第3弾だという。あと一作は「紫禁城の秘宝」であるが、残念ながら図書館にはなかった。お取り寄せをしてみるか。


  


Posted by 北のフクロウ at 08:21Comments(0)読書