さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2015年04月24日

ハリケーン デズモンド・バグリー著 早川書房

 デズモンド・バグリーの初期の作品。ハリケーンの研究者がカリブ海の島国のクーデターに巻き込まれ、ハリケーンの被害を最小にしようと努力する物語。クーデターに見られる人間の愚かさと、それを愚弄するかのような自然の破壊力の脅威が非常によく描かれている。
 地球温暖化によってハリケーン、台風の被害が大きくなってきているが、これほどハリケーンのすさまじさを小説で描写したのは作者の知識と表現力の賜物であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 15:59Comments(0)読書

2015年04月24日

アイス・ハント ジェームズ・ロリンズ著 扶桑社

 ジェームズ・ロリンズは竹書房から出ているシグマ・フォースシリーズの作者であるが、シグマ・フォースシリーズ以外のロリンズの作品を扶桑社が翻訳権入手したらしい。
 帯に最上のマイクル・クライトン作品を想起させる、というアマゾン・コムの書評を載せているが、たしかにジャラシック・パークの恐竜と似た哺乳類の先祖であるグレンデルが重要な役割を果たしている。
 北極圏の氷河に建造された研究施設を舞台に米ソが施設の破壊を企図する。どちらが善で、どちらが悪かは最後まで分からないところがミソで、グレンデルのような怪物が出現可能かどうかは科学的に検討される余地がある。少なくとも作者の想像力を掻き立てた自然界の事実はあるようである。人体実験のおぞましさは歴史的にみると事実としてあることであり、もしもそのような研究所が存在したならば、時の権力者は隠蔽したと思うのは当たり前であり、その事実を覆い隠すためには破壊もやりかねない。
 ジェームズ・ロリンズの物語展開は息もつかせぬスリルとサスペンスに満ちており、楽しめた。  


Posted by 北のフクロウ at 15:50Comments(0)読書

2015年04月24日

南海の迷路 デズモンド・バグリー著 早川書房

 最近のミステリーから見ると、バグリーの冒険小説はゆったりしていてよんでいてホッとする。時代の差であろうか。
 この小説では特殊なマンガン団塊をめぐる争奪戦であるが、敵ははっきりしていて、どちらが早く発見するかという競争である。
 海洋資源の重要性は宇宙の比ではなく、もっと研究開発されるべきであろう。
 ここではマンガン団塊中のコバルトに注目しているが、今問題のレアメタルも海水から抽出できる技術開発ができれば、日本も一躍資源国となりうる。海底火山近辺の資源開発など狙い目であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 15:48Comments(0)読書

2015年04月24日

アイス・ハント ジェームズ・ロリンズ著 扶桑社

 ジェームズ・ロリンズは竹書房から出ているシグマ・フォースシリーズの作者であるが、シグマ・フォースシリーズ以外のロリンズの作品を扶桑社が翻訳権入手したらしい。
 帯に最上のマイクル・クライトン作品を想起させる、というアマゾン・コムの書評を載せているが、たしかにジャラシック・パークの恐竜と似た哺乳類の先祖であるグレンデルが重要な役割を果たしている。
 北極圏の氷河に建造された研究施設を舞台に米ソが施設の破壊を企図する。どちらが善で、どちらが悪かは最後まで分からないところがミソで、グレンデルのような怪物が出現可能かどうかは科学的に検討される余地がある。少なくとも作者の想像力を掻き立てた自然界の事実はあるようである。人体実験のおぞましさは歴史的にみると事実としてあることであり、もしもそのような研究所が存在したならば、時の権力者は隠蔽したと思うのは当たり前であり、その事実を覆い隠すためには破壊もやりかねない。
 ジェームズ・ロリンズの物語展開は息もつかせぬスリルとサスペンスに満ちており、楽しめた。  


Posted by 北のフクロウ at 15:38Comments(0)読書

2015年04月24日

呪われた黄金の手 ボイド・モリソン著 竹書房文庫

 ボイド・モリソンのタイラー・ロックの冒険の2作目。前作ではノアの方舟をテーマの一つにしたが、本作ではミダス王のなんでも黄金に変える手の伝説をテーマにしている。タイトルの「呪われた黄金の手」というのはミダス王の手のことを指すが、ミダス王の手と行った方が、分かる人にはわかるであろう。
 例によってスーパーマンのタイラー・ロックが大活躍するが、今回の相棒はステイシー・ベネディクトという古典学者にして、テレビの司会者という才色兼備の女性を登場させている。
 もう一つのキーワードはアルキメデスの暗号の解読で、そこにはアルキメデスが作ったといわれる地球観測機が重要な役割を果たしている。
 大英博物館やアテネのアクロポリス、はたまたナポリの地下道網など見どころ満載で飽きさせない。
 ボイド・モリソンの才能全開といったところ。
 世の中不公平である。このような才能に恵まれた人間はレオナルド・ダビンチに比肩できる人であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 15:18Comments(0)読書

2015年04月24日

夕暴雨 今野敏著 角川春樹事務所

 前に読んだ「晩夏」のメンバーである東京湾臨海署安積班の前作にあたる。
 東京湾岸署の新署屋ができ、刑事課が2班になった。ライバルの相楽警部補が登場する。
 そこで起きた事件が東京国際展示場の爆破事件である。
 犯人の割り出しは比較的簡単にでき、推理小説として読むとなんということはない。被害者が犯人であるというありふれた?事件だが、その結論に至る相楽班、警視庁の捜査部署との確執、警察官同士の縄張り争いといったところが、作者の狙いであるようで、日本的な陰湿さがある。その組織の中で、いかに人間性を発揮するかが作者の腕の見せ所であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 14:55Comments(0)読書

2015年04月05日

原発事故、放射能、ケンカ対談 幻冬舎

 副島隆彦と武田邦彦との対談。副島自身は武田の主張にケンカを売るという立場で議論を吹き掛けているが、所詮素人の議論で、武田に軽くあしらわれている。素人と専門家の違いは歴然としており、話にならない。ここではリサイクルや地球温暖化問題でみられた武田の素人の議論と違って、別人の趣がある。原発については専門委員を務めるだけあって、自信があるのだろう。
 ここでは年間1mシーベルトか100mシーベルトかが、安全性の限界として議論の対象になっているが、発がん性のデータが武田の言うように医学的なファクトではなく、単なるコンセンサスにとどまっている限り、どこまでも平行線であろう。
 ただ事故発生後3カ月で出版された本であるところから、出版社のウケ狙いと見られなくもない。
 ほんのタイトル自身もケンカ対談というには内容に乏しく、互いの主張を論理を尽くして論駁するようにはなっていない。専門家と素人の対談であるならば、ケンカではなく、専門家の意見に教えを請うという謙虚さが必要であろう。
 副島が言うように政治学者として一流であればある程、専門家に対する謙虚さが求められる。そのうえで自分の主張をするならば聞いていて、耳を傾ける価値がある。事故後4日目に事故現場に行き、防護服な士で、放射線量を測定するなど、暴挙以外の何物でもなく、その人の口から放射線量が100mシーベルト・年間でも安全だといってもだれも信用できないであろう。  


Posted by 北のフクロウ at 15:43Comments(0)読書

2015年04月05日

禁断 今野敏著 徳間書店

横浜みなとみらい署の暴対係の警部係長が主人公で、組織からはみ出して左遷人事をうけて所轄の係長をやっているキャラクターが今野警察小説では定番のようである。
中国の武装警察部隊が絡んだ麻薬事件で、警察小説も国際的になってきた。丸暴と丸Bの区別がこの小説を読んでわかった。
日本の丸暴は武器も持たずに、丸Bを制圧できるところがすごい。
ここでも警察の縦割りの効率の悪さが描かれているが、そこを破って活躍するところに主人公のすごさがある。  


Posted by 北のフクロウ at 08:27Comments(0)読書

2015年04月05日

爆走大陸 デズモンド・バグリー著 早川書房

  40年ほど前、好んでデズモンド・バグリーの冒険小説を読んだ時代がある。
  ゴールデン・キール、裏切りの氷河、高い砦、原生林の追撃・・・・。
  いずれも冒険心に富み、苦難に耐え、想像力豊かな、勇敢な男が主人公である。
  バグリーの面白さは奇抜な武器、器具が主人公を助けるところにある。
  この「爆走大陸」では舞台がアフリカであり、その新興国に発電機を売り込み、油田に搬送する男たちが主人公である。
  そこに内乱が勃発し、輸送部隊に困難が生じる。反乱軍からいかにして逃れるか、に腐心する。
  そこに出て来るアイデァは空のドラム缶をもちいた攻撃船で、この戦術はバグリーならではの物がある。
  またバグリーを読んでみたくなった。  


Posted by 北のフクロウ at 08:14Comments(0)読書