さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2012年05月26日

ヒマラヤの黄金人を追え!C・カッスラー、G.ブラックウッド

おなじみC.カッスラーとG.ブラックウッド共作のファーゴ夫妻シリーズ第三作。今回の舞台はヒマラヤ山中で、人類の祖先に迫る謎に挑戦する。このシリーズはトレジャーハンター夫妻の活躍なので、意外な場所で、意外な宝物が絡んでくる。主人公が死ぬ心配がないから安心して読める点がシリーズ物の強みだ。この黄金人というのが、カッスラー一流のフィクションであるが、いかにもありそうである。そこに飛行船の歴史的事実を織り込んで、もっともらしい物語としている。その点のまやかしに眼をつぶって読むとこれほど面白い冒険小説はない。  


Posted by 北のフクロウ at 10:10Comments(0)読書

2012年05月26日

脱出空域 トマス・ヤング著 ハヤカワ文庫

 前著「脱出山脈」の続編ともいうべき作品。主人公のマイケル・パースンとソフィア・ゴールドが前者が空軍機の機長、後者が通訳の陸軍上級曹長に昇格して登場している。舞台を前作のアフガン山岳地帯から、爆弾を仕掛けられた空軍輸送機に移し、ハラハラドキドキは前作に勝るとも劣らない。ちょうどフランス旅行の機内で読んだので、もしもこの飛行機に爆弾が仕掛けられていたらと思うと、ハラハラドキドキ度が一層深まろうというものだ。作者は元機関士として従軍した経験を有するので、輸送機の構造、および操縦についてはプロの知識を有する。まさにホームグランドの作品であるので、迫力がある。おそらく陸、空と続いたので、次は海であろうか。次作が待たれる。  


Posted by 北のフクロウ at 09:58Comments(0)読書

2012年05月10日

新説ルパン対ホームズ 芦辺拓著 原書店

 いろいろな探偵が出てくる粋なトリックとしゃれたギミックにあふれた8篇というキャッチフレーズで、ルパンヤホームズ、金田一耕助、エラリー・クイーン、カー、ヴァン・ダイン、チャーリー・チャンなど探偵小説の懐かしい名前が出てくる。作者のお遊びであり、面白いかどうかはいかに探偵小説に造詣が深いかどうかによるようだ。造詣が深くないせいかあまり面白くなかった。時間つぶしにはちょうどよい。  


Posted by 北のフクロウ at 18:19Comments(0)読書

2012年05月10日

マネーロンダリングビジネス 志摩峻著 ダイヤモンド社

 保険会社でマネーロンダリングができるという業界の裏情報を描いた経済小説。業界に詳しいがそれもそのはず、著者は損害保険会社の役員まで務めて小説を書くようになった人。多才である。日本の会社社会が海外で問題を起こした場合、どのような対応がなされるかを主人公の眼を通じて痛烈に批判している。もっとも主人公はそんな日本社会に嫌気がさして辞めてしまうのだが・・・。少し格好がよすぎる。サラリーマンはそこで得られた経験をもとに小説が書けるかもしれないという気を起させる小説である。処女作は「リコール」というやはり損害保険会社を舞台とする小説のようだ。官民癒着を描いているというから面白そうだ。  


Posted by 北のフクロウ at 18:10Comments(0)読書

2012年05月06日

テンプル騎士団の聖戦 レイモンド・クーリー著 早川書房

 クーリーの前作、「テンプル騎士団の古文書」はキリスト教の秘密に迫る面白い作品であった。続編のこの作品はやはりテンプル騎士団をバックにした冒険ミステリーである。今回もテスとライリーが活躍する。イラン人の暗殺集団が絡んで、ハラハラ、ドキドキするジェットコースター小説となっている。舞台にトルコ中央部のカッパドキア、エルジェス山、コンヤが出てくる。カッパドキアの地下都市や空中修道院などが重要な役割を果たしている。この辺りはトルコ旅行で行ったところなので、何となく親しみがある。キリスト教の聖書が今の形をとり、キリスト教の根幹となったのは325年のニカイア会議で当時のローマ皇帝コンスタンチヌスの時代であるという。それまであったキリスト教諸宗派はその後異端とされた。ローマ帝国の諸民族統一にキリスト教が利用されたといわれる。テンプル騎士団は十字軍の時代に1118年イスラエルのキリスト教徒を守るために生まれたといわれるが、謎が多い。テンプル騎士団の財産を奪うためにフランス国王と教皇から弾圧を受け、1312年に騎士団は廃絶した。しかしその残党がいろいろ歴史の裏で活躍したのがミステリーの世界に登場する。もしも現代社会にキリスト教の異端とされた諸宗派が真実の姿を現したとしたらどうなるか。カソリックキリスト教は脅威を感じるのではないか。  


Posted by 北のフクロウ at 08:36Comments(0)読書