さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2020年01月31日

ゲートハウス ネルソン・デミル著 講談社文庫

 ネルソン・デミルの作品で、「王者のゲーム」や「獅子の血戦」が面白かったので、借りてきた。
 ここではジョン・サッターという弁護士が主人公であるが、ジョン・コーリーを彷彿とさせるギャグの持ち主で、同じジョンという名前を付けたところから性格的には共通させたのではないか。
 話はダラダラしていて最後100ページになってようやくスリルとどんでん返しが出てくる。それまではアメリカの金持ちの離婚やら結婚やら遺産相続の話で、面白くも何でもない。
 この前作があるようで、「ゴールド・コースト」という名前で出版済だという。そこではジョン・サッターの妻スーザンが不倫し相手であったマフィアの親玉を射殺してしまう。その親玉の弁護士をしていたのがサッターだというから、ややこやしい。しかしその射殺事件を機に夫婦は離婚したが、10年後戻ってきて、二人はよりを戻すが、妻の両親がそれを許さない。スーザンに殺された親分の息子が復讐のために二人を狙う。
 話は単純であるが、それを長々と1400ページの大作にした。おそらく短編小説にした方が内容の濃い作品になったことだろう。
 サッターのギャグが無ければ、つまらない作品になっていただろう。  


Posted by 北のフクロウ at 16:36Comments(0)読書

2020年01月31日

獅子の血戦 ネルソン・デミル著 講談社文庫

 「王者のゲーム」の続編である。
 リビアのテロリストハリールがアメリカでやり残した仕事米軍爆撃隊の生き残りを暗殺するために3年後アメリカに舞い戻ってくる。
 その際に暗殺失敗の原因となった連邦統合テロリスト対策特別機動隊(ATTF)のジョン・コーリーやその妻ケイトらも決着を付けようとする。
 どこから情報を知ったかコーリー夫妻がスカイダイビングを楽しんでいるときにハリールが入り込み、危うくケイトが殺されそうになる。
 それと最後の見せ場が9.11の爆発現場での対決であるところが圧巻である。
 あとはコーリーのギャグとハリールのアメリカ資本主義国家に対する批判が読ませどころである。
 CIAとFBI、それにニューヨーク警察の3者からなるATTFの組織内のせめぎあいが面白い。
 ATTFは架空の組織であるが、それに類する組織は9.11以降強化されたとのことで、日本のテロ対策組織は見習うべきものがあろう。  


Posted by 北のフクロウ at 16:20Comments(0)読書

2020年01月14日

復讐はお好き?カール・ハイアセン著 文春文庫

 品のないユーモア小説である。
 これがアメリカのベストセラー作家の作品であるとはアメリカの読者の品格が疑われる。
 救いはフロリダの環境問題に多少触れているところくらいか。農地拡大と農薬の流入によって、フロリダの自然が破壊されているという問題は、あまり世界には知られていないが事実のようだ。
 話は妻に水質分析の不正を発見されたと思い込んで妻をクルーズ旅行の船から落として殺そうとする。落とされた妻は助けられ、夫に復讐をする、という他愛のないもので、不正は暴かれ、めでたしめでたしという結果に終わる。  


Posted by 北のフクロウ at 15:06Comments(0)読書

2020年01月14日

警視の偽装 デボラ・クロンビー著 講談社文庫

 一度読んだような気がするが、再度読んでも面白かった。それは前の記憶があまり残っていなかったから・・・・・。
 主人公は警視とその恋人の女性警部補。同棲しているが結婚していないという進んだ関係。子供は前の結婚でそれぞれに生まれた子供がいて、本当の親子のように一緒に暮らしている。事件の進捗よりも、複雑な人間関係の方が気になる。
 二つの事件が入り組んで進行する。現代と過去が一つの宝石を巡って織りなしている。きめ細かさは女性作家ならであろう。  


Posted by 北のフクロウ at 14:56Comments(0)読書