さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2023年05月29日

真夜中のデッドリミット スティヴン・ハンター著 扶桑社

 狙撃手スワガーシリーズの作者ハンターのスワガー以前に書いた作品。
 国際テロリストがアメリカのミサイル基地に攻撃を加え、ミサイルを乗っ取り、ソ連に核攻撃を加えるという計画を立てる。それを阻止すべくデルタの退役大佐を中心に、奪取作戦が行われる。周到な計画をしたテロ集団はなかなか手ごわい。対抗するミサイル基地の設計者、ベトナム戦争のモグラ戦士、デルタ、警察、州兵、溶接工など多彩な人物が繰り広げる冒険小説。多大犠牲を払ってテロリストの攻撃を排除するがミサイル発射のタイムリミットまで、息詰まる展開が繰り広げられる。
  


Posted by 北のフクロウ at 08:19Comments(0)読書

2023年05月26日

針の眼 ケン・フォレット著 早川書房

 ケン・フォレットの出世作であって、はるか昔に読んだかもしれないが、全く記憶にない。「ジャッカルの日」と混同しているのかもしれない。
 針の眼はドイツ人スパイの物語で、悪人として描かれている。時は第2次世界大戦末期、ノルマンディ上陸作戦前である。
 ナチスドイツから見ると、上陸作戦はノルマンディかカレーかで迷っていた。ドイツのスパイは米英の欺瞞作戦の現場を見テ、カレーは偽装で、ノルマンディが本命だと確信する。それをいかにドイツ本土に伝えるか。Uボートで拾ってもらい、本土に証拠の写真のネガを届けようとするが、嵐に合い遭難してストーム島に漂着する。そこに住んでいたイギリス人夫婦との遭遇がドラマである。  


Posted by 北のフクロウ at 08:53Comments(0)読書

2023年05月23日

ダブル・フォールト 真保裕一著 集英社文庫

 日本の法廷ものとしてはよく書けていると思う。
 被告、加害者と弁護士との関係。被害者と相手弁護士の関係はこの本のように敵対関係だが、加害者が真実を語らない場合、弁護士は下手をすると被害者側に立つケースがある。この小説では隠された真実があって、新米弁護士は悩む。弁護士事務所の長はあくまでも被告の側に立って弁護士の職務を全うせよと迫る。この葛藤が小説になる。
 隠された真実とは何か。最後はハッピーエンドで終わる。
 新制度の後弁護士の数が増えて、競争が激化し、あまり儲かる職業ではなくなったようだ。イソ弁の実態が良く調べられ、描かれている。  


Posted by 北のフクロウ at 09:42Comments(0)読書

2023年05月20日

トリプル ケン・フォレット著 集英社文庫

 ケン・フォレットが「針の眼」のベストセラーを出した次作として書かれたのがこの「トリプル」である。
 イスラエルが核保有国となるためにウラン原料を獲得しようと、スパイが暗躍する。一方エジプトはソ連の協力を得て、核施設を建設していた。エジプトの情報機関に属するスパイとソ連の情報機関のスパイがたまたまイスラエルのスパイとオックスグォードで同窓であり、顔見知りであった。
 3者が入り乱れてウラン原料の獲得のために虚々実々の駆け引きをする。それにロマンが絡んで、大変面白いスパイ小説となっている。
 イスラエルの微妙な立場が良く描かれている。  


Posted by 北のフクロウ at 09:57Comments(0)読書

2023年05月15日

ペテルブルグから来た男 ケン・フォレット著 集英社文庫

 時は第一次世界大戦前。ドイツの台頭を阻止すべく、英露が同盟を画策する。その同盟を締結させまいとしてロシアのアナーキストがロンドンに乗り込んでくる。戦争によるロシアの農民が死ぬことを阻止しようとする人道主義的な動機である。
 一方テロリストが愛した貴族の娘がイギリス人貴族と結婚させられるが、結婚したときはテロリストの子供を身ごもっていた。英露同盟交渉のイギリス代表がテロリストの恋人が結婚した貴族であり、3人がそれぞれの思いをもってその時代を生きる。そこに時代の先端を生きる娘が絡んで、ロンドンの女性の新しい生き方を表現せる。第1次世界大戦の世相が良くわかる冒険小説である。  


Posted by 北のフクロウ at 15:01Comments(0)読書

2023年05月11日

糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい 牧田善二著 講談社

 糖尿病専門医の書いた糖尿病の話。
 糖尿病患者は血糖値がヘモグロビンA1Cが5.2を超えたら糖尿病と判断される。大事なことは合併症にならないように血糖値を上げないようにすること。そのためには食事と運動が大事であるということ。いわれることは判っているがなかなか実行できない。今の自分はヘモグロビンA1Cが8.0なので、重症であるが、薬ではなかなか下がらない。いよいよとなったらインシュリンを自己注射しなければならないが、踏み切れない。牧田先生はインシュリン注射にためらうべきではないといっている。専門医の言うことだけに説得力がある。
 先生はAGEを研究していたので、AGEの重要性を強調されていた。AGEは検査でも言われたことがないので、あまり気にしていなかった。10年前の本なので、今はあまり重要視されなくなったのか。  


Posted by 北のフクロウ at 08:29Comments(0)読書

2023年05月09日

オシリスの呪いを打ち破れ クライブ・カッスラー&グラハム・ブラウン著 扶桑社

 クライブ・カッスラーが亡くなったのは2020年だが、後継者がシリーズを続けている。
 NUMAはカッスラーの正当な後継シリーズだが、オースチンとザバーラがNUMAシリーズの主人公だ。NUMAシリーズはこれで13作目になる。
 歴史的事実としてエジプトファラオ時代とナポレオンのエジプト遠征が描かれている。現代の巨悪はファラオ時代のカエルから作られた仮死薬を
蘇らせ、世界制覇を目論む。もう一つの策略はサハラ砂漠の地下水脈からポンプで水をナイル川に流し、オアシス国家を水不足に陥らせ、政治的に征服しようとする。引き金はアラブの春であるというところに時代の流れを反映している。小説のテンポが良く、あっという間に読み終わってしまう。
 ゴールデンウイークの読み物としては最適であった。  


Posted by 北のフクロウ at 09:12Comments(0)読書

2023年05月08日

レベッカへの鍵 ケン・フォレット著 新潮文庫

 レベッカは暗号を作成するカギとなる英語の小説の名前で、ナチ側のスパイである主人公がこの小説を用いて暗号文を作成し、ロンメルに情報を送った。このスパイとイギリス情報参謀部少佐の息詰まる攻防がこの小説の中身。ナチのスパイがいかにも悪人で、その活躍も同情する余地がない。
 その点は「針の眼」の主人公と似たような扱いで、こういう境遇の主人公が作者の好みのようだ。
 時は第2次世界大戦。アフリカ戦線で連合国側はロンメルに手痛く攻められて、あわやカイロが陥落するかと思われた。しかしドイツ側の物流の停滞で、ロンメルは撤退せざるを得なくなった。ロンメル自身の病気も連合国側に幸いした。ロンメルの快進撃の影に、スパイの活躍があったということである。  


Posted by 北のフクロウ at 08:51Comments(0)読書

2023年05月04日

飛行艇クリッパーの乗客

 昔読んだ記憶があるが、中身は全く覚えていない。
 時は第2次世界大戦の始まり。飛行艇というのが欧米を結んだ最新の交通機関であった時代がある。まずこれが珍しい。
 イギリスからアメリカに渡る飛行艇に様々な乗客が乗り込む。
 ファシストのイギリス貴族家族。娘の一人はファシストでアメリカ行きを断りドイツに向かい、妹は社会主義者で父親の意向に反して自由に生きたいと反抗する。詐欺師の若い男。貴族の妹娘に恋し、アメリカでの新生活を望む。世界的な原子物理学者とそのスポンサー。犯罪人とそれをアメリカに連れ帰そうとするFBI。女優にロシア貴族の女。アメリカの靴の会社の女社長とその弟。その弟と靴会社を乗っ取ろうとする実業家。警察官らしい謎の男。妻を誘拐され、飛行艇を軟着陸するよう脅されているフライトエンジニア。フライトエンジニアを脅しているグループの一人と思われるアメリカ人の毛織物製造会社の経営者等多士済々の登場人物が織りなす群衆劇である。フライトエンジニアがどのグループから脅されているかというところが伏線になっていて、ミステリーらしくなっている。不時着後の物語の展開が面白く、ハラハラさせる。ファシスト貴族の末っ子の少年が良い働きをする。  


Posted by 北のフクロウ at 08:39Comments(0)読書