さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2016年04月27日

 プライド 真山仁著 新潮社

 社会派真山仁の短編集。共通しているのは人間の矜持。
 「一俵の重み」 事業仕分けにあった農水官僚の反骨。農業のあり方に一石を投じている。
 「医は・・・・」  凄腕の心臓外科医とその友人との医者とは何か、を巡る角逐。
 「絹の道」 養蚕業にかける遺伝子学者。遺伝子組み換えに対する批判
 「プライド」 賞味期限切れとは何か、という疑問を提起
 「暴言大臣」 新任の挨拶で暴言を吐いた古参議員がアメリカの謀略に乗っていたとい話
 「ミツバチが消えた夏」 ネオニコチノイド農薬によってミツバチが激滅する話
いずれも当時の社会問題をテーマに人間のプライドを発揮する話をまとめている。
  


Posted by 北のフクロウ at 11:34Comments(0)読書

2016年04月27日

奪回者 グレッグ・ルッカ著 講談社文庫

 アティカス・コディアックというボディガードを主人公とするシリーズ物の2作目である。
 一人の少女のボデイガードを頼まれたが、元SASとSASが絡んで、難しい仕事になる。
 女性関係が複雑で、何とかならないものかと思う。元愛人にピストルで撃たれても死なないタフさがあるのだが、
その割には、元SASに捕まるなどドジな点もある。
 あまり魅力的な主人公ではないが、女性にはもてる。そこが気に入らない。
 でもシリーズなので、次作も読んでみようと思う。  


Posted by 北のフクロウ at 11:23Comments(0)読書

2016年04月27日

札幌交響楽団名曲シリーズ 英国女王のもとに

 4月23日(土)キタラで名曲シリーズを聴く。
 指揮は尾高忠明さん、ヴァイオリンに戸田弥生さんを迎えた。
 プログラムはタイトルのように、イギリス音楽で統一。
 E.エルガー 序曲「コケイン」
 ヴォーン・ウイリアムズ 揚げひばり
 同              コンチェルト・アカデミコ
 W.ウォルトン 戴冠行進曲「宝玉と王の杖」
 G.ウィリアムズ 海のスケッチ
 E.エルガー「威風堂々」
威風堂々を除いては、ほとんど聞くことのない曲ばかりで、尾高さんの好みが出たプログラムといえる。
尾高さんがイギリスのプロムスで採り上げたプログラムと同じであるというから、得意曲なのであろう。
揚げひばりは、中国風のメロディを持つ極で、最後の戸田さんのヴァイオリンソロが印象的な曲。
海のスケッチは弦楽のみの演奏で、嵐の海、波、帆走、風などを表現していて、女性作曲家ならではの、きめの細やかな表現力が目立った。  


Posted by 北のフクロウ at 11:14Comments(0)音楽

2016年04月21日

剣闘士に薔薇を ダニーラ・モンタナーリ著 図書刊行会

イタリアのそれも女流のミステリー作家の作品。
 時代をローマ時代に設定しているから、これも珍しい。
 ローマ時代の風俗を勉強することができるので、読み得な小説。
 内容はミステリーとしては物足りないが、珍しさで読ませてもらった。
 シリーズになっているというが、他の作品を読もうとは思わない。
 その程度の作品。  


Posted by 北のフクロウ at 14:21Comments(0)読書

2016年04月19日

遺伝子封殺 パトリック・ラインケン著 早川書房

  エイズのワクチンを開発したという情報操作により、株価を操作して利益を得ようとする製薬会社の陰謀を弁護士が解明するという話だが、そのワクチンがエイズウイルスの危険な部位を抹消して遺伝子の空白を作り、その空白が病気の発症をさせることなく、抗体反応を引き起こすという作用機序を元にしている。これは小説の中だけの話であるが、本島にそれが出来るとすれば画期的なことだ。
 小説の中ではこのワクチンは失敗して、あらたなHIVの原因となって、悲劇的な結末を起こす。
 主人公の不幸な事件が犯人追及の原動力となっていることが、小説の深みとなっている。
 作者は弁護士であり、次作の出版が待たれる。  


Posted by 北のフクロウ at 17:59Comments(0)読書

2016年04月19日

時限紙幣 ロジャー・ホッブス著 文芸春秋

 ゴーストマンといわれる「消し屋」が過去の失敗から、連邦準備金の銀行強盗の証拠隠滅を請け負わざるを得なくなるが、その連邦準備金を狙う別の犯罪組織がいて、話が複雑になる。失敗したクアラルンプールの事件の経緯と、現在の証拠隠滅事件が平行して進行し、二つの事件がからまりあって、一つの小説でありながら、二つのミステリーを読むような面白さがある。
 その面白さに着目した映画会社が早速映画化を行っているというから、どんな映画ができあがっるか、楽しみである。
 アメリカでは連邦準備金を銀行に納入する際に、時限爆弾を紙幣に仕組むというが、日本ではどうだろうか?
 すべての資金の輸送に時限爆弾を仕掛けるようになれば、銀行強盗などの事件が予防できるようになると思うがどんなものであろう。
 そのようなことを考える必要が無いのは日本が平和な証拠であろう。
 

  


Posted by 北のフクロウ at 17:40Comments(0)読書

2016年04月10日

最後に笑った男 フリーマントル著 新潮文庫

フリーマントルの1979年のスパイ冒険小説。
 これもソ連とアメリカの諜報部門が協力するという構図で、CIAの長官と、KGB長官が協力する所が、「トリプルクロス」と違うが、他はよく似ている。相手はドイツの民間会社だが、そのドイツの会社がチャドに人工衛星打ち上げ施設を建設し、イスラム諸国の要請を受けて、イスラエル上空に監視衛星をおき、監視体制を強化する。それにより脅威をウケル、ロシア、アメリカ、イスラエルがそれぞれの思惑で、打ち上げ阻止の作戦を実行する。ロシアとアメリカは協力して作戦を実行するが、イスラエルの妨害で失敗する。このあたりが諜報機関の虚々実々の駆け引きが面白い。そこにCIA長官の家庭問題が絡み、単なるスパイ冒険小説に終わっていない。最後のどんでん返しは読んでのお楽しみで、読む者をあきさせない。
 















  


Posted by 北のフクロウ at 08:21Comments(0)読書

2016年04月10日

第588回札幌交響楽団定期演奏会

 4月9日(土)キタラで聴く。
 今回の演奏会はオールロシアプログラム。
 指揮はこれもロシア人のドミトリー・キタエンコ。
 チェロはドイツ人のマインツ
 プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」
 チャイコフスキー ロココの主題による変奏曲
 ラフマニノフ 交響曲第2番
 最近耳の調子が良い精か、札響の音が良くなったよう泣きがする。
 それを引き出しているのが、指揮者によるかどうかは分からないが、キタエンコの指揮は明快で、典雅で、ロシア音楽の曽木にはぴったりであるように思う。
 好きな曲はチャイコフスキーのロココ・・・であるが、マインツのチェロはすばらしかった。
 ラフマニノフの2番の交響曲は第1楽章の深い森の中に誘い込まれるような序奏部分から、彼独特のメランコリックな、旋律に魅了された。
   


Posted by 北のフクロウ at 08:04Comments(0)音楽

2016年04月01日

トリプル:クロス B.フリーマントル著 新潮文庫

 ロシア、イタリア、アメリカのマフィアが提携して、世界制覇をもくろむ。
 それを、アメリカとロシアのFBI,民警が密接な信頼関係から、野望を防ぐ。
 アメリカ側の主人公ウイリアム・カウリーはアルコール依存症が危ういロシア課の課長、ロシア側の主人公デミトリー・ダニーロフは愛人をマフィアに殺され、その復讐で理性を失いかけている。それを心配する部下のユーリー・バヴィンは上司を心配する誠実な部下である。
 ロシアマフィアのイーゴリ・オルコフは残酷で、悪質な悪者で、ロシア・アメリカ・ドイツの警察を翻弄する。その策謀を紆余曲折しながら、見事解決するが、その過程がいかにもイギリスミステリーで、FBI長官の政治力に抵抗しながら、自説を全うするが、アメリカミステリーと違って派手さは無い。そこが魅力である。シリーズの4作目であるので、他の作品も読んでみたい。  


Posted by 北のフクロウ at 09:59Comments(0)読書