2016年10月19日
黄金の時間 トッド・モス著 早川書房
アフリカのマリでおきた架空のクーデターの解決にアメリカ国務省危機対応室の責任者である主人公が活躍する。
このような組織があるのかどうかは分からないが、責任者にクーデターなどの危機に対して100時間以内に対応しなければならないという主張をした学者がその責任者になるところはアメリカ的である。
まず機器の折、100時間では対応できないであろうことが容易に想像されるし、責任者が誰になるかが問題で、それだけで100時間は過ぎてしまうであろう。
昨今のオリンピックのボート海上の変更にしても、豊洲の市場の問題にしても一向に物事が進まない。
これを東大教授の吉見俊哉さんは「サイロエフェクト」といった。これはジリアン・テット著「サイロエフェクト高度専門化社会の罠」から、日本の病として表現した。「サイロ」とは各部署が細分化し、孤立化し、自身の「サイロ」を作り、その最適解にしか興味を持たない社会を言い、日本はまさにその状態であるという。誰が地下空間を支持し、作ったかが問題ではなく、誰も自分の責任とは思わず、物事が進んでいく社会は恐ろしい。
この小説でも、国務省、CIA,国防総省がそれぞれ最適解を求めて、対応するが真実は主人公の活躍で意外な所にあった。
このような組織があるのかどうかは分からないが、責任者にクーデターなどの危機に対して100時間以内に対応しなければならないという主張をした学者がその責任者になるところはアメリカ的である。
まず機器の折、100時間では対応できないであろうことが容易に想像されるし、責任者が誰になるかが問題で、それだけで100時間は過ぎてしまうであろう。
昨今のオリンピックのボート海上の変更にしても、豊洲の市場の問題にしても一向に物事が進まない。
これを東大教授の吉見俊哉さんは「サイロエフェクト」といった。これはジリアン・テット著「サイロエフェクト高度専門化社会の罠」から、日本の病として表現した。「サイロ」とは各部署が細分化し、孤立化し、自身の「サイロ」を作り、その最適解にしか興味を持たない社会を言い、日本はまさにその状態であるという。誰が地下空間を支持し、作ったかが問題ではなく、誰も自分の責任とは思わず、物事が進んでいく社会は恐ろしい。
この小説でも、国務省、CIA,国防総省がそれぞれ最適解を求めて、対応するが真実は主人公の活躍で意外な所にあった。
2016年10月19日
札幌交響楽団第594回定期演奏会
今回の定期演奏会はエリシュカさん指揮のスメタナ、ドヴォルザーク、チャイコフスキーの作品。
スメタナ作曲 交響詩「ワレンシュタインの陣営」
ドヴォルザーク作曲 「スケルツォカプリチオーソ」
チャイクフスキー作曲交響曲第5番
いずれもエリシュカさんのお得意の作品で、スメタナの曲は、札響初演。ドヴォルザークの作品は2012年にエリシュカさんの指揮で演奏されている。
チャイコフスキーの5番は2015年スワロフスキーの指揮で演奏され、聴いて感動したものだ。
今回のエリシュカさんの指揮も堂々としたチャイコフスキー5番で、名演の部類に属するであろう。
「運命」の主題が各楽章に出て来るという作曲上の工夫がなされており、ベルリオーズの幻想交響曲にヒントを得ていたのかもしれない。
スメタナ作曲 交響詩「ワレンシュタインの陣営」
ドヴォルザーク作曲 「スケルツォカプリチオーソ」
チャイクフスキー作曲交響曲第5番
いずれもエリシュカさんのお得意の作品で、スメタナの曲は、札響初演。ドヴォルザークの作品は2012年にエリシュカさんの指揮で演奏されている。
チャイコフスキーの5番は2015年スワロフスキーの指揮で演奏され、聴いて感動したものだ。
今回のエリシュカさんの指揮も堂々としたチャイコフスキー5番で、名演の部類に属するであろう。
「運命」の主題が各楽章に出て来るという作曲上の工夫がなされており、ベルリオーズの幻想交響曲にヒントを得ていたのかもしれない。
2016年10月13日
ミレニアム3スティーグ・ラーソン著 早川書房
ミレニアムシリーズは作者がなくなっているため、3部作はこれで終了である。
3部作の中ではこの3作目が一番面白かった。
副題を「眠れる女と狂卓の騎士」といい、スパイ小説とリーガルスリラーの趣がある。
主人公リスベットが頭を銃で撃たれ、死期をさまようが、優秀な脳う外科医のおかげで、助かる。
弁護士であるミカエルの妹のアニカの法廷戦術が見事である。
ミカエルらの活躍により、リスベットの無罪が証明され、特別分析班の悪事が暴かれる。
コンピューターを駆使して、情報を収集する様は現代のミステリーでは当たり前であるが、リスベットの特異な才能はその先端を行っているものだろう。
第4作は著作権の問題で、親族と永年の伴侶との争いがあり、構想はあるものの、日の目を見ていないという。
早く解決して作品の形になってほしいものだ。
3部作の中ではこの3作目が一番面白かった。
副題を「眠れる女と狂卓の騎士」といい、スパイ小説とリーガルスリラーの趣がある。
主人公リスベットが頭を銃で撃たれ、死期をさまようが、優秀な脳う外科医のおかげで、助かる。
弁護士であるミカエルの妹のアニカの法廷戦術が見事である。
ミカエルらの活躍により、リスベットの無罪が証明され、特別分析班の悪事が暴かれる。
コンピューターを駆使して、情報を収集する様は現代のミステリーでは当たり前であるが、リスベットの特異な才能はその先端を行っているものだろう。
第4作は著作権の問題で、親族と永年の伴侶との争いがあり、構想はあるものの、日の目を見ていないという。
早く解決して作品の形になってほしいものだ。
2016年10月13日
ザ:ネッシー ボイド・モリソン著 竹書房文庫
タイラー・ロックの冒険の4作目。
副題を「海底に眠る伝説の巨獣」といい、ネス湖のネッシーが重要な役回りを担っている。
ダーウィンが若い頃にネス湖でネッシーに遭遇し、それを記録に残している。それがナチスの秘密兵器の解毒剤になることが分かり、それを巡って、タイラー・ロックが大活躍する。
ネッシーが実在するかどうかは疑問だが、シーラカンスのような古代生物が実存する以上、まったく根拠の無い話ではない。
副題を「海底に眠る伝説の巨獣」といい、ネス湖のネッシーが重要な役回りを担っている。
ダーウィンが若い頃にネス湖でネッシーに遭遇し、それを記録に残している。それがナチスの秘密兵器の解毒剤になることが分かり、それを巡って、タイラー・ロックが大活躍する。
ネッシーが実在するかどうかは疑問だが、シーラカンスのような古代生物が実存する以上、まったく根拠の無い話ではない。