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2017年01月09日

十人目の聖人 D.Jニコ著 マグノリアブック

 歴史と現代の冒険と地球温暖化による人類の滅亡という今流行のテーマにタイムトラベルまで組み合わせた欲張りな小説。
 最初はエチオピアの遺跡からでたエチオピア十人目の聖人の墓を巡る冒険というスタートで、現代と昔の物語を交互に出し、時代に幅をもたせた展開であった。それに時空を越えた話が入り込んできて、ややこやしくなる。それに二酸化炭素吸収の決め手となるといってバイオリアクターで繁殖させた藻類の異常発生により、改訂でメタンが発生して地球が業火で滅びるというややSF的なストーリー展開となり、付いていけなくなった。女性考古学者とその恋人の文化人類学者の二人の主人公で第2作、第3作とシリーズ化されているというから、次作はどんなテーマを持ち出すか興味がある。  


Posted by 北のフクロウ at 10:47Comments(0)

2017年01月09日

ペルシャ湾の馬 マーク・アイヴァースン著 文春文庫

 題名はトロイの木馬をなぞったものだという。
 湾岸戦争後の紅海で、イランがアメリカと敵対関係にあった時代の話で、イラン海軍が用いた秘策ということで、アメリカの軍艦を夜襲し,それを囮に米軍の指揮艦ならびにバーレン湾を封鎖しようとする。
 現代においても海賊と戦艦の戦いは胸躍らせるものがあるが、ここではイランの戦略に脱帽である。
 結果は米軍の戦術行動士官と女性ジャーナリスト(この二人は元恋人同士という設定)の活躍で事なきを得る。
 ハラハラドキドキさせて、ハッピーエンドというストーリーだが、それなりに良く書けていて楽しませてくれた。
 このような小説が古本屋で108円で売られていたのもうれしかったことだ。  


Posted by 北のフクロウ at 10:34Comments(0)読書

2017年01月03日

高度1万フィートの死角 カム・マージ著 ビレッジブックス

 石油会社の陰謀で遠隔透視者を用いた石油探査が破綻し、コロンビアのノガレスという村を全滅させる事態になる。これに疑問を持った遠隔透視者が逃れようとするが、乗った飛行機が破壊工作のため墜落する。主人公女性パイロットの娘も遠隔透視者で、これを感知したために
石油会社の手先に命を狙われることになる。
 遠隔透視という能力者が本当に実在するかどうか分からないが、本当にその能力があれば、その能力を使って事件の解明をしてもよさそうに思うのだが、ひたすら逃げ回って、殺されてしまう。それも予知の範囲というのだが、どうも矛盾を感じてしまう。
 リスクの対する対応が弱く徒に敵に行動を知られてしまい、やたらと危機に陥るのはどうかと思う。
 最後の飛行機爆破を回避する所は手が込んでいて、作者が元パイロットである経験が生きているという。
 第1作目の「ジェットスター緊急飛行」は2014年に読んでいた。主人公になんとなく親しみを感じたのはその精であろう。
 次作もありそうなエンディングなので、楽しみにしていよう。  


Posted by 北のフクロウ at 16:44Comments(0)読書

2017年01月03日

黒い波 ~破滅へのプレリュード~ E・ブーン著

 題名に引かれて買ったが、人類破滅のミステリーではなく、ホラー小説であった。
 何らかのきっかけで、人食い蜘蛛が異常発生して、人類滅亡の危機に陥る。
 ひたすら人食い蜘蛛の恐怖をあおるだけで、なんら解決策が無い。
 この作品はプレリュードであって、解決は続編を読めということらしい。
 果たして続編を買って読む価値のある小説であるかどうか迷う所である。
 蜘蛛を抑えるために中国は原爆を投下して防ごうとしたが、見事失敗した。
 おそらく解決策は蜘蛛の特性を知り、何らかの生物学的な対応をすることになるのだろうが、それは後の作品のお楽しみということであろう。
 人類を滅亡させるのは、人間の文明であると思っている私にとっては人食い蜘蛛より恐ろしいのは人間であるといわざるを得ない。  


Posted by 北のフクロウ at 16:23Comments(0)読書

2016年12月29日

悲しみの聖母 アン・ズルーディ著 小学館文庫

 ヘルメス・ディアクトロス主人公のミステリ第4作。
 カルコス島のイコンが奇跡を起こすといって、観光と信仰の目玉になっている。
 ヘルメスはこのイコンが贋作であることを元彼女のカーラの力を借りて、見破る。
 その調査の中で、島のイコン画家が変死を遂げる。
 犯人は誰か。近親相姦が明らかになり、犯人も明らかになるが、問題の真作イコンはどこにあったか。
 これを発見するプロセスは必ずしも合理的ではなく、超能力的といっても良いものだが、そこで明らかにされる人間の悲しみ、その人間に注がれる優しさはギリシャの神々のそれに近いかもしれない。  


Posted by 北のフクロウ at 15:33Comments(0)読書

2016年12月29日

テッサリアの医師 アン・ズルーディ著 小学館文庫

 謎の調査員ヘルメス・ディアクトロスの第3作ミステリ。
 フランス人医師が何者かに苛性ソーダを顔にかけられ、失明するという事件にヘルメスが遭遇する。
 フランス人医師の過去がどうで、何者がどんな恨みを持って犯行に及んだかを解明する。
 ギリシャが舞台のミステリで、風土、人間性が独特。謎解きも神がかっていて、あまり理論的でないところが魅力の小説である。  


Posted by 北のフクロウ at 15:20Comments(0)読書

2016年12月22日

汚れちまった道 内田康夫著 祥伝社

 内田康彦は浅見光彦を主人公とするミステリーを30年以上書き続けている。
 歴史と地方の風土をバックにあきもせず作品を生み出していることに感服する。
 浅見光彦は33歳から歳をとらないから、テレビなどの浅見役は次から次と変わっていくところが面白い。
 今回は山口県を舞台に、山口出身の詩人中原中也の詩を踏まえて、殺人事件を展開する。
 山口、萩、美祢、防府、宇部などの町がめまぐるしく出て来る。
 浅見光彦が格好良すぎるが、事件の背景は政治家、大企業、暴力団の癒着といういつもながらのテーマであり、読みやすい。
 同時の萩殺人事件という小説もものにしたというから、作者の想像力の豊かさに感心する。
 そうでもなければ同じ主人公で30年以上も小説を書き続けることは出来ないのであろう。  


Posted by 北のフクロウ at 09:18Comments(0)読書

2016年12月22日

ミダスの汚れた手 アン・ズルーディー著 小学館文庫

 アン・ズルーディの太った調査員ヘルメスを主人公とするミステリー第2作。
 ここでもギリシャの街アルカディアで起きた殺人事件を調査員ヘルメスが解決する。
 ヘルメスが昔アルカディアに住んでいたことが明らかになる。そのときの友人が自動車事故で亡くなり、その犯人を見つけ出す。
 ギリシャ社会の独特な習慣や、考え方が色濃く出ていて、ユニークなミステリーとなっている。  


Posted by 北のフクロウ at 09:04Comments(0)読書

2016年12月22日

アテネからの使者 アン・ズルーディ著 小学館文庫

この小説をミステリーというのかどうかが分からないが、ある種の殺人事件をアテネから来た主人公の太った男が解決するという点ではミステリーといっても良いのだろう。
 この主人公はヘルメスという名前を持ち、書体不明である。自称調査員といっているがどの機関かは明らかにされていない。
 ヘルメスはギリシャ神話の神々の使いで、美しいサンダルを履いている。この主人公もサンダルのかわりに白いテニスシューズを履いている。だから主人公は神々の使いかもしれない。
 舞台はギリシャの島である。美しいエーゲ海に浮かぶティミノス島の島民は人間の本性がむき出しである。不倫をおかした人妻が何者かに殺されるが、その犯人を主人公が見つけ出す。しかし解決法が独特であり、作者の人間考察の優れている所が光る。
 その洞察力は神がかりであって、神の使いであることをうかがわせる。
  


Posted by 北のフクロウ at 08:56Comments(0)読書

2016年12月22日

抹殺部隊インクレメント クリス・ライアン著 早川書房

 クリス・ライアンはSAS隊員を主人公に作品を書いている。
 今回も元SASのマット・ブラウニングが主人公で、インクレメントというのは特殊抹殺任務のSASの超極秘部隊との争いを描いている。
 そのような秘密組織が実在するかどうかは知らないが、あっても不思議は無いだろう。この組織と軍事企業が結びついて、ソ連が開発中だった向精神作用薬剤を軍隊に取り入れようと画策するが、副作用があるためその存在を抹殺しようとする。この策謀に主人公が利用されるが、陰謀に気づき、対決することとなる。
 そのような薬剤が存在することは分からないが、軍隊という殺人集団を鼓舞するためにそのような薬剤があっても不思議はないところにこの小説の怖さがある。  


Posted by 北のフクロウ at 08:42Comments(0)読書

2016年12月08日

つばさよつばさ、アイム・ファイン 浅田次郎著 小学館

 浅田次郎がJALの機内誌「SKYWARD」に連載しているエッセイをまとめた。
 図書館にある浅田次郎の小説はほとんど読んで読むものが無いと思っていた所、随筆の欄にこの2冊を見つけた。
 原稿用紙7枚というから、2800字程度を毎月書かねばならない、ということになる。商売とはいえ、難行苦行であろうが、実にネタが豊富で読むものをあきさせない。そこで浮かび上がってくるのが浅田次郎という人間の魅力である。みずからうそつきだが、約束は破らないことをモットーとしているというから、律儀なものである。病気になっても休載したことが無いというのも立派である。
 年間海外60日、国内も60日は旅行しているというから、羨ましい限りであるが、締切期限のある原稿を書かなければならない、とは気の毒ではある。売れっ子作家ならではのうれしい悲鳴であろうか。
   


Posted by 北のフクロウ at 09:26Comments(0)読書

2016年12月08日

はぐれ鷹 熊谷達也著 文芸春秋

 熊谷達也の鷹匠を主人公にする小説。
 熊の代わりに鷹を題材にしたのか。
 自然相手の小説で、手馴れた感じである。
 人間よりも鷹のほうが相性の良い人はいるようで、ラーメンだけを食べ、風呂にも入らず、電話も、新聞も無い生活には耐えられそうも無い。
 それを職業とすることは難しいように思う。  


Posted by 北のフクロウ at 09:10Comments(0)読書

2016年12月03日

ダーウィンの警告 ジェームズ・ロリンズ著 竹書房

 ジェームズ・ロリンズのシグマシリーズの最新作。
 今回のテーマは人類絶滅の危機を回避するために、遺伝子工学を駆使した驚くような解決策を天才的な生物学者が出て来る。
 舞台が南極とブラジルとアメリカ・カリフォルニア州ヨセミテ公園。南極の地底に驚くべき地下生物がいるというのは、「地底世界サブテラニアン」を想起する。ダーウィンが南極近くをビーグル号で航海して、ある発見をし、人類に警告を発していたということが伏線にある。謎の生物圏がXNAなる遺伝子をもつ生物が南極にいたという想定である。
 ジェームズ・ロリンズにいわせると今地球は第6回目の生物絶滅の危機に瀕しており、その原因は人間の文明の行き過ぎであるという。
 人類の知性が生物絶滅の危機を生み出しているから、認知症を生み出す遺伝子を人類に埋め込んで、化石時代の人類まで知性を退化させ、そこから適者生存の競争を行わせようという危機回避の解決策である。人類が地球上の生物絶滅の原因である、という考えはダン・ブラウンの「インフェルノ」と共通である。インフエルノでは人口減少が解決策と考えたが、ロリンズは人間の知性低下が解決策と考える生物学者を登場させた。
 今が第6回目の生物絶滅期になっているというのはショッキングな指摘であり、原因が人類の文明でそれを解決するのも人類の知性であると考えるのは楽観的過ぎるのであろうか。そう信じたいものだ。  


Posted by 北のフクロウ at 10:38Comments(0)読書

2016年12月03日

ソフト・ターゲット S.ハンター著 扶桑社ミステリー

 スティーヴン・ハンターの作品。「極大射程」の主人公ボブ・リー・スワガーの息子レイ・フインデンシオ・クルーズと娘のニッキ・スワガーが主人公となっている。なぜスワガーの息子がクルーズで、スワガーでないかは文中で父母がマニラ郊外で交通事故で亡くなっているが、実の父親はスワガーであるということなので、そこには何か深い事情があるようなので、その点はまた探し出してみようと思う。
 娘はテレビ局の社員となっていて、二人でテロ事件を解決する。
 話は単純で、ハッカー気違いがソマリアのテロリストを集めてモールで大量殺人を計画実行する。それを阻止するという粗筋で、非常に荒っぽいのはスティーヴン・ハンターらしい。レイには間違いなくスワガー家の血が流れている。ニッキにはスガーのガッツがある。  


Posted by 北のフクロウ at 10:02Comments(0)読書

2016年12月01日

イアン・フレミング極秘文書 ミッチ・シルヴァー著 小学館

  かのイアン・フレミングがイギリスの諜報員であったときに知りえた秘密を極秘文書として残していて、それを巡って危機に陥るエール大学女性助教授の話。極秘というのがイギリスの元国王エドワード8世(アメリカ人のシンプソン夫人と結婚するため王位を降りてウインザー公となった)がフランスの防衛機密をナチスにもらしていた、というもの。その秘密文書の内容と、秘密文書を奪おうとする陰謀が織り成して、物語が複線で進行する。史実がどこまで採り入れられているか分からないが、面白い構成のミステリーだ。これが本当ならば例のチャーチルがイアン・フレミングの名付け親であったらしい。  


Posted by 北のフクロウ at 10:37Comments(0)読書

2016年11月27日

札幌交響楽団代595回定期演奏会

11月25日キタラで聴く。
 今回のプログラムは指揮に飯森泰次郎、ピアノにニコライ・ホジャイノフを迎えた。
 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 ワーグナー   「ニーベルングの指輪」の抜粋曲
 聴き所はピアニストのニコライ・ホジャイノフに尽きる。
 特にアンコールに2曲リストの作品を聴かせたが、その超絶技巧にビックリ仰天した。
 リスト(ブゾーニ編):「フィガロの結婚」の主題による幻想曲と同じくリストのグランドギャロップクロマディックである。
 24歳という若さで、勢いがあり、その若さの全てを尽くした技巧のすごさに度肝を抜かれた。さすがショパン・コンクールのファイナリストだけのことがある。
 ワーグナーの大オーケストラもかすんでしまうほどだ。
 ワーグナーの大オーケストラは札幌交響楽団の規模をはるかに越えるもので、それはそれで圧倒されるものがあったが、
管楽器が増えれば増えるほど弦の音量不足が気になる。もう少し弦楽器を強化できないものか。
  


Posted by 北のフクロウ at 10:00Comments(0)音楽

2016年11月27日

朽ちた樹々の枝の下で 真保裕一著 角川書店

 真保裕一が北海道を舞台に書いたミステリー。上富良野の森林組合が出て来る。札幌では東月寒や北22条、札幌駅近辺、藻岩山あたりが出てくるから、親しみのある作品だ。映画にしたら北海道のよい宣伝になるのではないか。
 日本の森林行政の問題点も良く出ている。
 自衛隊の内部問題があるので、映画にしづらいか。
 なぜ主人公が失踪した犯人の恋人にこだわるかが、主人公の結婚生活を複線にして、よく描かれている。本物の小説家のうまい所だ。  


Posted by 北のフクロウ at 09:42Comments(0)読書

2016年11月27日

ナイルの暗号 吉村作治著 青山出版社

 あのエジプト学者の吉村先生のミステリーとして有名になった一作。
 映画化もされた。
 エジプト学者の苦労が良く出ているのは、実体験に根ざしたからであろう。
 作品としては素人にしては良くかけているが、いかにもストーリーが粗っぽくなにかシドニー・シャルダンの超訳の小説を読んでいる様な感じ。
 これも吉村先生の発掘の資金稼ぎの区真作と思えば、涙ぐましい気がする。  


Posted by 北のフクロウ at 09:33Comments(0)読書

2016年11月27日

蛇の書 ジュシカ・コーンウエル著 早川書房

 著者はかの有名なジョン・ル・カレの孫娘であるという。その先入観で読むといささか期待はずれのミステリーである。
 文章が難解である。時代が錯綜して前後が繋がりづらい。
 話はバルセロナの殺人事件であるが、それに「蛇の書」なる古文書が絡む。錬金術師イルミナトゥスの書いたパリンプセス(元からあった文字を消して別の内容を上書きした羊皮紙の写本)なるものがでてくる。これがわかりずらい。
 単純に殺人事件の推理、解明に絞ったほうが良かったのではないか。
 ジュームズ・ロリンズ並みに歴史史実と現実を織り交ぜたほうが良かったのではないか。
   


Posted by 北のフクロウ at 08:56Comments(0)読書

2016年11月17日

極大射程 スティーブン・ハンター著 新潮文庫

前に読んだ「ハバナの男たち」の主人公アール・スワガーの子供のボブ・リー・スワガーが主人公のスナイパー小説。
 じつはこれが映画化されたものを観たことがあって、小説を読みながら映画の場面を思い出した。
 父親も総であるが、子供のボブも結構な南部の一匹オオカミのカウボーイタイプ、官僚や知識人タイプが大嫌いな人間である。
 FBIの派生組織の罠におちいって暗殺事件の犯人にされるが、見事真犯人を暴くという筋立てである。
 ここで主人公と戦場で殺された同僚の未亡人とは最後に結ばれて、子供が生まれることが示唆されているが、生まれた子供が又主人公になって活躍する「ソフトターゲット」という小説を古本屋でみつけた。
 同一作家が親子3代を主人公とする小説家は珍しいと思った。

 それにしてもアメリカは銃社会である。3億丁の武器が国民に所有されているというから、国民一人に1丁は銃が保有されていることになる。
 アメリカでは武器産業が1大産業であるから、いくら銃規制をしようとしてもなくならない。
 世界の戦乱もアメリカが武器輸出を止めない限り、止まらない道理である。  


Posted by 北のフクロウ at 10:10Comments(0)読書