さぽろぐ

  読書・コミック  |  札幌市北区

新規登録ログインヘルプ


2017年06月10日

カリフォルニアガール T.Jパーカー著 早川書房

  「サイレント・ジョー」を読んでついで同じ作者の「カリフォルニア・ガール」を読んでみた。前作と同様アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞を得た作品だ。
  話は単純で、19歳の若くてきれいな女性が首を切られた殺人事件の犯人は誰だったか、という事件だ。パーカーは「サイレント・ジョー」のときと同様に、被害者と刑事の家族との関係を執拗に描いていく。その過程で刑事の兄の牧師、弟の新聞記者などそれを取り巻く人間関係が細かく書き込まれている。アメリカカリフォルニア州のオレゴン郡という一地方の土地柄が色濃く反映されているのも「サイレント・ジョー」と同様である。そのしつこさがこの作者の特長なのだろう。  


Posted by 北のフクロウ at 08:32Comments(0)読書

2017年05月24日

モーツアルトの陰謀 スコット・マリアーニ著 エンジンルーム

 モーツアルトがフリーメーソンのメンバーであったことは知られているが、その死はフリーメーソンの広告塔として影響の大きかったモーツアルトの死を願う一党による毒殺であるという説がある。そのあたりを膨らませてこの小説が生まれた。ベン・ホープという主人公のシリーズの2冊目であるというが、波乱万丈の冒険ミステリーである。ただ惜しむらくは翻訳が稚拙で興がそがれる。女主人公が殺されるのは私の好みに合わない。時代背景として、時のオーストリア皇帝がフリーメーソンの台頭を望まなかったというのは理解できる所であり、モーツアルトの死因が毒殺であるというのは説得力がある。モーツアルトの名声を憎んだサリエリ犯人説よりも真実に近いのではないか。  


Posted by 北のフクロウ at 10:53Comments(0)読書

2017年05月24日

アトランティス殲滅計画を阻め!A.マクダーモット著

前作ヘラクレスを呼んで、面白かったので、その前の作品を買ってきて読んだ。
 こちらが主人公ニーナ・ワイルドとエディ・チェイスのそもそもの馴れ初めを描いている。
 アトランティスはプラトンの著作の中に出てくる謎の文明社会であるが、その遺跡を巡る考古学的な興味と、アトランティス人の文明の痕跡が、南米やチベットにあるという荒唐無稽な物語で、その痕跡を抹消しようという悪の集団との闘いが面白い。  


Posted by 北のフクロウ at 10:41Comments(0)読書

2017年05月24日

サイレント・ジョー T.J.パーカー著 早川書房

アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作。読みごたえのある作品。
 人間関係が複雑で、筋を追うのに苦労した。
 尊敬する養父が実は裏の一面を持っている。それを暴くことになる主人公の苦しさが痛いほど分かる。しかし正義を貫く。
 主人公が特異。父親に硫酸を浴びせられ、醜い跡が顔面に残っている。保安官補として、養父の殺人事件を解決するが、その過程で驚愕の真実が明らかになる。まさに小説である。  


Posted by 北のフクロウ at 10:31Comments(0)読書

2017年05月10日

震える山 C.Jボックス著 講談社文庫

 ボックスのジョー・ビケットシリーズの第4弾。
 猟区管理管が謎の自殺をした事件の真相を代理猟区管理管に任命されたジョー・ビケットが解決する。頑固で正義感にあふれる主人公の面目躍如たる活躍で、益々ジョーが好きになった。自然保護と開発のテーマがここでも出て来る。作者にとっては自然を愛する人間として、開発者を悪者としている。ジョーはブルー・ヘブンの主人公と共通する性格のようだ。  


Posted by 北のフクロウ at 08:51Comments(0)読書

2017年05月10日

ブルー・ヘブン C.Jボックス著 早川書房

ブルー・ヘブンとはアラバマ州北部の地をロスアンジェルスの引退警察官が呼んだ名称。引退した警察官にとって天国とも言える地という意味である。そこに曰くのある引退警察官がなにやらよからぬことをして、居を構えている。そこで仲間割れがあったらしく、その殺人現場を地元の姉弟が目撃し、目撃したことを犯人達に見られてしまう。元警察官達は失踪事件に協力するという名目で、姉弟の抹殺を図る。姉弟を助ける牧場主がボックス好みの主人公で、元警察官に対抗する。元警察官の悪事を暴こうとするこれも退職したばかりの警察官やら元警察官の悪事に加担した銀行家が絡んで、巧みなミステリーとなった。  


Posted by 北のフクロウ at 08:33Comments(0)読書

2017年04月18日

沈黙の森 C.Jボックス 講談社文庫

 ワイオミング州猟区管理管を主人公とするミステリー。主人公がゲーリークーパーのような不器用で、融通の効かないアメリカ人の好む性格なので、人気があるという。各種賞を獲得したベストセラー。
 ミステリーとしてはありふれた題材だが、絶滅危惧種をテーマにした所が珍しい。
   


Posted by 北のフクロウ at 13:56Comments(0)読書

2017年04月16日

プリズン・ストーリーズ ジェフリーアーチャー著 新潮

 ジェフリー・アーチャーが自身偽証罪で4年間収監された経験を生かした短編小説集。牢獄の中で見聞きした話が中心にあり、転んでもただでは起きない作家魂を感じる。
 12編の短編からなり、ひとつひとつ面白いが、最後の1行に面白さが凝縮されている。どことなくユーモアがあって、牢獄生活を楽しんでいるようにも思える。その体験は長編に描かれているというが、残念ながらまだ読んでいない。
 一時は保守党の大臣候補にまでなった作者の天国と地獄の体験は印象深いものがあるだろう。














  


Posted by 北のフクロウ at 09:53Comments(0)読書

2017年04月04日

ヘラクレスの墓を探せ!アンディ・マクダーモット著 SB文庫

 前に読んだ「ルインズ」の読後の印象が悪かったので、この本を読んで、スカッとした。
 シリーズ物で前作は「アトランティス殲滅計画を阻め」。主人公は女性考古学者と元SASのボディガード兼恋人の二人。
 考古学的にヘラクレスの墓があるかどうかは、おそらく問題ではないであろう。元々ヘラクレスは神話の世界の人物である。それをプラトンが幻の著書「ヘルモクラテス」に記述があるというフィクションから宝探しが始まる。
 帯広告に作者はクライブ・カッスラーの後継者とあるが、歴史から掘り起こし、最新の科学技術を織り込み、スーパーヒーローがいるというところで、よく似ている。このシリーズは病みつきになりそうだ。  


Posted by 北のフクロウ at 09:42Comments(0)読書

2017年04月03日

ルインズ 廃墟の奥へ スコット・スミス著 扶桑社

基本的にホラーは映画でも小説でも嫌いである。
 この本はまさにホラー小説で、しかもエロ・グロ・ナンセンスもの。
 メキシコのジャングルの中に、ツル植物の森があって、そこに迷い込んだアメリカ人4人、ドイツ人1人、ブラジル人1人の6人がツルの餌食となる。怖い怖いお話で、何の救いようもない小説である。
 サバイバル小説であれば、苦難の後に何とか助かる人間がいるものだが、この小説ではない。
 作者は救いようのない極限状態の人間の行動を突き詰めて考えようとしたのかもしれないが、何の参考にもならない。
 映画にもなったようだが、これを見た人はどう思ったのだろうか。
 聞いて見たい気がする。  


Posted by 北のフクロウ at 13:21Comments(0)読書

2017年03月27日

狂信者の黙示録 ダグ・リチャードソン著 創元推理文庫

 昔、新興宗教の信者が集団自殺した事件があった。それを下敷きにした小説であるらしい。
 上院議員の子供のほしい妻が不妊治療をうけていたが、そこを死刑を宣告された教祖に目をつけられ、教祖の精子によって人工授精される。自分の子供によって死後も遺伝子を残そうという計画である。
 相当優秀な教祖と見え、与えられたコンピューターによって、信者に指示を与え、上院議員の妻の誘拐並びに上院議員のアルコール中毒をマスコミに情報操作する。
 このような情報操作が行われる社会は恐ろしいと思うが、今のトランプ大統領がFDAと抗争していることを思うと、あながち小説の世界の話ではないと思われる。
 最後に読者をあっといわせる仕掛けをしている所は映画ダイハード2の脚本を書いた作者らしい。
 この小説もブルース・ウイリス主演で映画化されたらしいが、残念ながら見落とした。  


Posted by 北のフクロウ at 20:13Comments(0)読書

2017年03月19日

アーサー王の墓所の夢 アリアナ・フランクリン著 創元

  女性検死医者アデリアの第3作目。12世紀ヘンリー2世時代のイングランドが舞台のミステリーである。
  今回は伝説の王アーサーの墓所を巡り、真相を解明する。
  アーサー王は6世紀の伝説のブリテン王。その人物が史実であるかどうかは不明で、墓所もあるかどうか分からない。
  伝説では、王位と妻グィネヴィアを甥のモードレッドに奪われ、それを奪還するためにコーンウォ-ルのカブラン川で闘い、モードレッドは殺害したものの、自身も重傷を負い、アヴァロン島で死んだという。そのアヴァロン島がどこであるかは謎である。12世紀当時ヘンリー2世はウエールズと戦っていたが、ウエールズにはアーサー王が生きていて、ウエールズを助けると考えられていたため、それを打ち破るためにはアーサー王が死んで葬られていることを、証明したいと考え、アデリアにそれを託す。
 それらしい墓所には二人の遺骨が埋設されており、それらしい傷もある。果たして真相はいかに。
作者は次作も書いて亡くなっていたが、残念ながら4作目は翻訳本が出ていないようだ。  


Posted by 北のフクロウ at 09:23Comments(0)読書

2017年03月13日

7月の暗殺者 ゴードン・スティーブンス著 

 20世紀のテロリストといえば、IRA暫定派であった。北アイルランドのキリスト教徒の武力組織であった。
 小説の時代はまさにIRAとイギリスが衝突していた1990年代。IRAがスリーパーという暗殺者がイギリス王室のピンマンを標的に暗殺を企図する。ちょうどドゴールを狙ったフレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」を想起させるようなミステリーである。
 IRA暫定派なりに大義があり、それを阻止しようとするイギリス側には国を守るべき大義がある。結果誘拐事件は失敗するが、最後の罠でイギリス内務大臣が爆死する。痛み分けということであろうか。
 IRA側、イギリス側双方に内部抗争があり、虚々実々の駆け引き狩り、こちらも面白い。
 それに比較して、ISのテロにはどんな大義があるのだろうか。  


Posted by 北のフクロウ at 08:44Comments(0)読書

2017年03月11日

書店猫ハムレットの跳躍 アリ・ブランドン著 創元推理

 猫が犯人の名前を示唆して、事件を解決するという所に無理があるが、猫好きにはたまらないミステリーなのであろう。
 事件解決というよりも、書店主の女性主人公と個性豊かなネコの関係がテーマの小説である。  


Posted by 北のフクロウ at 08:59Comments(0)読書

2017年03月11日

沈黙の3日間 フランク・シェッツィング著 早川書房

1999年のケルンサミットで、クリントン大統領暗殺が計画され、ノーベル賞候補の著名物理学者がそれを阻止するというミステリーである。
 著者が「黒のトイフエル」「深海のYrr」のフランク・シェッツィングで、欧米と一味違う作品である。
 何が違うかというと、当時のコソボ紛争に対する歴史認識である。アメリカ側からするとコソボ紛争はミロシェビッチの暴政に対する正義の介入という認識であろうが、歴史的なセビリアとアルバニアの抗争がチトー亡き後表面化したものであって、14世紀まで遡ることが出来る根深いものがある。コソボ紛争は民族の抗争で今は一応落ち着いているが、またいつ噴出するか分からないところがある。
 暗殺者はセルビア人で、セルビア人の不満をクリントン暗殺に駆り立てたように思える。その暗殺の手段が秀抜で、ヤグレーザーを用いるユニークなものであった。著名な物理学者であったから、防止できたといえる。実名の政治家に対する著者の見解は妥当なものであろう。  


Posted by 北のフクロウ at 08:54Comments(0)読書

2017年03月11日

札幌交響楽団第597回定期演奏会

 3月10日(金)キタラで聴く。
 今回はエリシュカさん指揮で、ブラームスの第1番の交響曲がメインであったが、シューベルトの5番の交響曲が耳新しく、楽しめた。
 メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
 シューベルト:交響曲第5番
 ブラームス:交響曲第1番
 実は今週火曜日、パークホテルで朝食を摂っていたところ、隣の席にエリシュカ夫妻と通訳の方が食事を摂っておられた。
 食欲旺盛で、スクランブルエッグを食べておられた。
 85歳であれだけの若々しい指揮をされるのには、食事が大切であると思った。
 オーケストラと指揮者の信頼関係があることは、演奏を聴くとわかる。
 このプログラムで東京で演奏会を行うとのことであるが、きっと評判を呼ぶことであろう。
 エリシュカさんのプログラムはドボルザーク、チャイコフスキー、ブラームスのシリーズを終え、来年度はベートーヴェンに移るようだ。
 10月に「英雄」を演奏する予定。どんなベートーヴェンになるか、楽しみだ。

  


Posted by 北のフクロウ at 08:31Comments(0)音楽

2017年02月27日

ダンテ・クラブ マシュー・パール著 新潮社

 著者はダンテ学者のハーヴァード大学教授。
 学者のミステリー小説なので、衒学的である。
 アメリカで、ダンテの「神曲」を翻訳した詩人のロングフェローの時代。当時南北戦争後ボストンが舞台で、その時代の様子が良く出ている小説である。
 ロングフェローの翻訳を支援する集まりが「ダンテ・クラブ」を主催した。それに反対するハーヴァード大学の理事会はいろいろな妨害工作をする。
 おりしもボストンでダンテの神曲の地獄の場面を示唆した連続殺人事件が起き、ダンテ・クラブが事件解決を図る。
 犯人は意外なところにいて、南北戦争の影響があったことが明らかになる。
 ダンテの神曲を巡る小説としては、ダン・ブラウンの「インフェルノ」があるが、そのダン・ブラウンも脱帽したという触れ込みで、ロングフェロー、ホームズ、ローウェルなどの著名な詩人が生き生きと描かれていて、アメリカ人にとっては、たまらない小説なのだろう。  


Posted by 北のフクロウ at 08:47Comments(0)読書

2017年02月16日

エルサレムから来た悪魔 アリアナ・フランクリン著 創元推理

 12世紀のケンブリッジはかくも田舎であったか。
  時に十字軍がエルサレムの巡礼者をイスラム教徒から守るために、中東に遠征した。
  キリスト教の教会の力が強く、それに対抗する王もさほど力が無かった。
  ケンブリッジで幼児の惨殺事件がおき、ユダヤ人が犯人とされる。
  その事態を解決するために、イングランド王は旧知のシチリア国王に調査員を依頼する。
  そこで、指名されたのが、ナポリの調査官と検視に優れた女医者(解剖等によって死因を判断できる医者)を派遣する。
  医学はイスラム諸国のほうが進んでおり、シチリア王国下にあるサレルノ大学で医師となり、検視医者のアデリアを派遣する。
  彼女の働きで、事件は見事に解決するが、逆に犯人側からは宗教裁判で、修道女から逆に訴えられる。
  このあたりが中世のイングランドの様子をうかがうことが出来て、面白い。
  恐らくエリス・ピータースノミステリー「修道士カドフェル」の生きていた時代に近いのではないか。カドフエルの場合はヘンリー1世死後の混乱したイングランドであり、アデリアの時代はヘンリー2世であった。
 この小説もアデリアを主人公にして、シリーズ化されているようである。  


Posted by 北のフクロウ at 18:45Comments(0)読書

2017年02月16日

ネメシスのささやき アン・ズルーティー著 小学館文庫

 アン・ズルーディのヘルメスシリーズの5作目。
 これまでの作品のうち、一番良かった。
 ギリシャには埋葬後4年目に掘り返し、改葬する風習があるという。
 芸術家は往々にして、死後名声が上がることがあるが、詩人は一度死んだ振りをして、再びこの世に出現するということを考えた。
 身代わりに豚を埋葬したのが、改葬してそれが明らかになったことから、大事件となった。
 そこで登場するのが、太った調査員、ヘルメスである。
 最終はヘルメスらしく、見事な解決策を講じるが、ミステリーとしては異色の作品であることには、変わりがない。
   


Posted by 北のフクロウ at 18:25Comments(0)読書

2017年02月05日

ネットフォース トムクランシー著 角川書店

 スティーブ・ビチェニックとの共著。
 2010年の近未来小説ということで、ネット・フォースシリーズの第1作目に相当する。1999年以前の作品と思われ、2017年現在としては
近未来というよりは過去の話になってしまった。その結果、合っているところもあるが、違う所もある。
 ネット・フォースというFBIの下部組織と、マフィアと、チェチン人のコンピューター・テロリストの三つ巴の抗争である。
 今のことばでいうと、サイバーテロということになろうか。コンピューター時代となって戦争も情報戦が重要になってきた。
 ここでは個人のテロリストであるが、国家的なサイバーテロの時代になって情勢はもっと複雑になってきた。
 いつも時代を読むことに定評のあるトム・クランシーであるが、まだその本領は発揮できていないように思える。その後進化したのであろう。  


Posted by 北のフクロウ at 21:03Comments(0)読書