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2018年12月14日

検屍官 パトリシア・コーンウエル著 講談社文庫

  コーンウエルは女流ミステリー作家として、講談社文庫の稼ぎ頭らしい。
 どこの本屋でもコーンウエルの本がずらりと並んでいる。
 この「検屍官」は彼女の第1作目で、いわば出世作である。
 ケイ・スカーぺックというヴァージニア州検屍局長という要職にある40歳のエリート。彼女が検視結果を元に連続殺人犯人を見つける。
 というか、彼女が標的の一人になった殺人事件である。
 作者の経歴を見ると、警察担当記者、バージニア州検屍局のプログラマーを経験して、ミステリー作家となったという。従ってこの経験を元にこの作品を書いた。従って検視の現場に詳しく、コンピューターの操作もお手の物だ。
 この作家の作品を読まなかったのは、女性作家が細かな所に記述がわずらわしく、好きでなかったことによる。
 この作品もロマンスがあり、コンピューター犯罪があり、不潔そうな刑事がありで、盛りだくさんであるが、肝心の犯人の情報がメープルシロップ尿症というあまり聞いたことの無い体質の人間であるという点は意外性もあり、あまり納得できない点である。
 こんごどのような作品を書いていったのかは興味がある。  


Posted by 北のフクロウ at 13:22Comments(0)読書

2018年12月10日

 エンジェル・フライト マイクル・コナリー著 扶桑社文庫 

 エンジェル・フライトはケーブルカーの名前であるが、ここでは「堕天使は地獄へ飛ぶ」という日本版タイトルの元の本にあるように、
天使が地獄に飛んでいる、という意味合いもあるようだ。
 黒人の側に立つ弁護士がケーブルカーの中で、殺されている。この犯人探しがメインであるが、この弁護士が弁護していた少女殺人事件が密接に犯人探しに絡んでいる。
 この作品でもボッシュの一匹狼的な性格が際立っており、天敵のロス市警副本部長のアーヴィン・アービングと対立する。
 二つの殺人事件は見事解決するが、公表された結果は後味の悪い結末となっている。  


Posted by 北のフクロウ at 14:33Comments(0)読書

2018年12月10日

わが心臓の痛み マイクル・コナリー著 扶桑社

 元FBIの捜査官であったマッケイレブが主人公。彼は特異な血液型を有する心筋症であったが、心臓提供者が見つかり、心臓移植を受ける。しかし捜査官は辞めざるを得ず、船主として、釣り船屋になろうとしている。そこに心臓の提供者の姉が訪れ、殺された妹の犯人探しを依頼される。その姉とは事件解決後結婚したことが、ハリー・ボッシュシリーズの「天使と罪の街」で明らかになっている。
 さて心臓提供者の妹は誰によって殺されたのか、その動機は何か。興味津々のストーリーである。  


Posted by 北のフクロウ at 14:18Comments(0)読書

2018年12月10日

死の教訓 ジェフリー・ディーヴァー著 講談社文庫

 マイクル・コナリーのハリー・ボッシュの刑事と比較すると、ジェフリー・ディーヴァーの刑事ビル・コードとの比較になるが、ボッシュが一匹狼的であるのに対し、コードはまだ組織になじんでいる。コードも家庭が壊れており、刑事という職業は家庭にはなじまないようだ。
 死の教訓はリンカーン・ライムシリーズの前の作品であり、非常に欲張った盛りだくさんになっている。
 コードの子供、セアラが興味深い。大学の財政問題が採り上げられているが、アメリカの大学も日本の大学も経営は厳しいようだ。
 あまり盛りだくさんで、ミステリーとしては謎解きが浅い。リンカーン・ライムシリーズの方がこの点では優れている。
 作者がその分成長したということか。  


Posted by 北のフクロウ at 14:01Comments(0)読書

2018年12月02日

札幌交響楽団第614回定期演奏会

11月30日に聴いた札響の定演。
 ポンマーさんが来幌し、得意のドイツ音楽を演奏した。
 メンデルスゾーン 交響曲第5番「宗教改革」
 バッハ        ピアノ協奏曲第1番
 シューマン     交響曲第3番「ライン」
というプログラム。
特筆すべきは、バッハのピアノ協奏曲のソリストマルティン・シュタットフエルトさん。
このピアノ協奏曲は本来チェンバロで演奏されていたと思われるが、ピアノデ、チェンバロの細かなニュアンスを
ピアノで、表現していた。
さらに、アンコールで演奏した、バッハへのオマージュ~ピアノのための12の小品より前奏曲とフーガ~はその卓越した技巧にくわえて、力強さが加わり、今まで聴いたことの無いピアノの音が響いていた。
この作曲も彼がしたものだというから、その才能に驚嘆した。
世界には素晴らしく才能に恵まれた人間がいるものだ。  


Posted by 北のフクロウ at 10:04Comments(0)音楽

2018年11月30日

ラスト・コヨーテ マイクル・コナリー著 扶桑社ミステリー

 ハリー・ボッシュにはまり込んでいる。ハリー・ボッシュシリーズの第4作目にあたり、彼の生みの親が娼婦であり、彼が10歳のときに殺害された真実が明らかにされる。母親が愛した相手が元地区検事局長にあたり、殺人の犯人ではないかという疑いをハリーが持っている。
 ハリーは担当した事件の対応で、上司を殴り、休職のみになっている。なおかつ精神医のカウンセリングを受けることを義務付けられている。ラスト・コヨーテという題名はロスの保護区にいるコヨーテに遭遇したことを機に、自分が一匹狼であることを認識したことを示している。
 コナリーのミステリーは最後の4,50ページが意外性があって面白い。ここまでの伏線が一気に出てきて、あっと驚く展開になる。
   


Posted by 北のフクロウ at 08:57Comments(0)読書

2018年11月30日

ナイトホークス マイクル・コナリー著 扶桑社ミステリー

 ハリー・ボッシュシリーズの第1作目になる。
 ハリー・ボッシュが警察官になる前、ヴェトナム戦争でトンネルネズミであった経験を持つ。
 ヴェトナム戦争で北軍がジャングルにトンネルを張り巡らせ、アメリカ軍を悩ませた。その対応に当たったのが,工兵ートンネルネズミであった。原題のブラックエコーはトンネルネズミ時代のトンネルに入った際の音を指す。日本語のタイトルはナイトホークスとなっているが、『夜更かしをする人」の意味で、いろいろなトラウマがあって、不眠症になっている人の意味である。
 ヴェトナム時代のトンネルネズミの仲間が殺害され、そこから銀行強盗の犯人探しに繋がっていく。ここで出てくるFBIの捜査官エレノア・ウイッシュは後にハリーと結婚し、離婚する相手であるが、今はその気配は無い。濃密な人間関係がこのシリーズの特徴で、いろいろな人間模様が一つの魅力である。
 それよりも魅力なのはハリー・ボッシュである。一匹狼で、組織になじまない。よく上司とけんかをする。しかし難事件を解決するので、組織としても切ることが出来ない。今後どんな展開になるか、楽しみである。  


Posted by 北のフクロウ at 08:42Comments(0)読書

2018年11月17日

マネー ロンダリング 橘玲著 幻冬舎

 海外の銀行口座を用いて、節税あるいは脱税する方法が詳細に述べられている。
 これを読んだ国税庁の担当者はどんな対策を講じるのだろうか。
 あるいは金持ちのためになんら対策せず、放置するのか。
 世界の政治家はタックスヘイブンに資産を隠しているようで、パナマ文書で明らかになっている。
 貧富が拡大するわけだ。
 主人公は元ウォール街のフアンドマネジャーだった。しかし失敗し、今は香港で金融コンサルをもぐりで業としている。
 ある美貌の依頼人に海外口座開設を頼まれたが、ヤクザが絡み、美貌の依頼人探しウィせざるを得なくなる。
 失踪人探しの手口が巧妙で参考になる。
 金持ちはこの本を読んで、節税対策を講じる参考にしたら良い。  


Posted by 北のフクロウ at 19:43Comments(0)読書

2018年11月17日

4人組がいた。 高村薫著 文芸春秋

 高村薫といえば、硬派のミステリー作家というイメージだが、あろうことかユーモア小説に挑んだ作品だという。
 それもブラックユーモアだという。
 小さな村の老人がその村で起きた事件にいかにからむかということで、グループアイドルやら新興宗教、町おこしなど今日本の現代事象をテーマに軽妙かつシニカルに描いたとあるが、あまり成功していない。
 この種のユーモア小説は浅田次郎にまかせた方がよい。  


Posted by 北のフクロウ at 19:02Comments(0)読書

2018年11月17日

生贄の山 ティム・ジョンストン著 小学館文庫

  ロッキー山脈の麓のリゾートでトラック競技のトレーニングに来ていた18歳の女子大生がトレーニング中に誘拐され、同行していた弟が重傷を負い、発見される。
  途中両親の不和、弟の放浪、神経を病んだ母親、片手が不自由な父親と破壊されつつある家族の有様が書かれている。
  最後は失踪した娘が発見されてめでた師となるのだが、途中がまどろっこしくて、ついつい飛ばして読んでしまった。文学性に優れた作品とあるが、ミステリーとしてはあまりいただけない。求めるものが違っていたようだ。  


Posted by 北のフクロウ at 18:54Comments(0)読書

2018年11月17日

ザ・ポエット マイクル・コナリー著  扶桑社文庫

「天使と罪の街」で詩人の正体は明らかになっているが、「ポエット」ではまだ犯人はわかっていない。
 犯人と思われる小児犯は詩人らしい行動を取るが、実は警官殺しの犯人ではなかった。
 アランポーの詩を想起する手記があることから、詩人という名前がつけられたが、やっている犯罪は酷い。
 主人公はハリーボッシュではなく、デンバーの新聞記者ジャック・マカヴォイとFBIの行動科学科捜査官ノレイチェル・ウォリングが主人公で、レイチェルは「天使と罪の街」でも重要な役割を果たす。犯人が誰かということが分からなければ、それなりに楽しめるミステリーであるが、真犯人が分かったときにそんなことが動機になるのかという思いが残る。ましてや「テン氏の罪の街」でも重ねる罪の深さは死刑以上の罰は無いものか、と思う。
   


Posted by 北のフクロウ at 18:45Comments(0)読書

2018年11月02日

夜より暗き闇 マイクル・コナリー著 講談社文庫

  ヒエロニムス・ボッシュというのはハリー・ボッシュの本名。画家のヒエロニムス・ブッシュに由来する。
 「夜より暗き闇」というのは画家ボッシュの画風を評した言葉で、「快楽の園」や「最後の審判」「七つの大罪」などからヒントを得て、ハリー・ボッシュを殺人犯人にしようとする陰謀に巻き込まれる。一方ハリーは別の殺人事件の検察側刑事として裁判の場にいるが二つの事件がFBIの元プロファイラー(心臓移植患者)の手によって解明される。ヒエロニムス・ブッシュの絵画をたくみに使った犯人サイドの策略は見事というべきで、危うくハリーは殺人事件にされる危機一髪であった。殺人事件の謎解きと裁判のやり取りはマイクル・コナリーの独壇場であり、ひとつ作品を読むと芋づる的に他の作品を読ませられるのは営業戦略としても巧みである。  


Posted by 北のフクロウ at 19:24Comments(0)読書

2018年10月31日

暗い迷宮 ピーター・ラウゼイ著 ハヤカワノベルズ

ダイヤモンド警視を主人公とするシリーズの一つ。
 アメリカの警察物と違ってイギリスの警察物は事件の解決もさることながら、主人公のキャラクターに一癖も二癖もある。
 ダイヤモンド警視も頑固で自説をなかなか曲げないが、それとないユーモアがあって、読むものを楽しませる。
 記憶喪失の失踪人と老人の自殺に見せかけた殺人事件と、パーティでの墜落事件を見事に解決する。
 脇役が楽しいがここで登場するジュリーがブリストルに転勤するのは、警視にとって痛手であろう。妻と部下のジュリーが警視の数少ない理解者であったのだから・・・・。ここでは記憶喪失者が記憶を取り戻し、親の家に隠された遺物を発見するというハッピーエンドに終わっていて、読むものを幸せな気分にさえる。そういうハッピー感がイギリスの警察物にはある。このあたりがアメリカの警察小説とは違っているように思える。  


Posted by 北のフクロウ at 10:57Comments(0)読書

2018年10月31日

タックス・ヘイブン 橘玲著 幻冬舎文庫

日本人作家で経済小説がらみのミステリーを書く作家はあまり多くないが、シンガポールを舞台にしたタックスヘイブンやマネーロンダリングを題材にしたミステリーとなっている。主人公の悪ぶった金銭捜査は痛快であるが、最後頃されたと思わせて実は生き残ったという所が日本作家の優しさであろうか。闇の世界にはそれで巨財を残す手段があるということで、勉強になるが、そこまで悪役に徹することが出来るかどうか?日本の税法では贈与を受けた側が税を払わなければならないが、アメリカでは贈与する側が税金を払う。これを利用すれば、子供をアメリカに居住させ親が日本にいる場合、合法的に無税で贈与できるという。こんな手口で金持ちは贈与税を免れているらしい。  


Posted by 北のフクロウ at 10:40Comments(0)読書

2018年10月31日

最重要容疑者 リー・チャイルド著 講談社文庫

  ジャック・リーチャーという元米軍兵士を主人公とするシリーズの17作目。
  ここではCIAとFBIに国務省が絡んで、なにやら複雑な事件に巻き込まれる。
 米国ではヒッチハイクで旅行するというのが、普通らしいが、親切にも乗せてくれた3人組が曰くありげで、どうも殺人事件の犯人らしい。
 そこで、リーチャーの推理と行動力が事件解決に役立つ。「アウトロー」という作品でトムクルーズがジャック・リーチャーを演じているらしいが、ジャック・リーチャーのイメージとは大分違う。ジャン・クロード・バンダム風のイメージの法があっているのではないか。  


Posted by 北のフクロウ at 10:29Comments(0)読書

2018年10月19日

津軽双花 葉室麟著 

 津軽双花 石田光成の娘辰姫と徳川家康の姪満天姫が津軽判の当主津軽信枚の正室を巡って争うが、さわやかな結末となっている。
 鳳凰記  淀君を主人公とする。
 孤狼なり 安国寺恵瓊
 鷹、翔ける 明智光秀の家臣 斉藤内蔵助の物語
 関が原の戦い、大坂夏の陣、本能寺の変の局面でのそれぞれの主人公を描いた短編  


Posted by 北のフクロウ at 14:01Comments(0)読書

2018年10月19日

影踏み 新撰組篠原泰之進日録 葉室麟著 文芸春秋

 新撰組の中ではあまり日の当たっていなかった篠原泰之進を取り上げた。
 新撰組は尊皇攘夷を標榜して立ち上がった団体であるが、幕府側に取り込まれて、変質していく。
 新撰組の中では伊東甲子太郎一派が尊皇攘夷の志を貫いて、近藤勇と対立し、伊東は暗殺される。
 篠原は維新後も存命して警察になったようだが、いかにも 葉室麟好みのキャラクターである。  


Posted by 北のフクロウ at 13:40Comments(0)スポーツ読書

2018年10月19日

天使と罪の街 マイクル・コナリー著 講談社文庫

マイクル・コナリーに凝っている。
 ハリー・ボッシュシリーズの第10弾。「詩人」という凶悪殺人者との虚々実々の駆け引きが面白い。
 FBI捜査官のレイチェルが登場して、ボッシュとのコンビで犯人を追い詰める。
 これを読んだからには順序が逆だが、「ザ・ポエット」を読まざるを得まい。
 なぜ「詩人」が凶悪犯人になったのか、レイチェルが左遷されたのがなぜかが明らかにされるだろう。
 マイクル・コナリーの小説にはとんでもない悪人が出てきて、ボッシュの正義漢が一層際立つ。   


Posted by 北のフクロウ at 13:29Comments(0)読書

2018年10月19日

証言拒否 マイクル・コナリー著 講談社文庫

  リンカーン弁護士シリーズ。
  主人公ミッキー・ハラーのことばとして、刑事弁護士にとって最良の結果とは何かと問われ、「誰にとって最良の結果かだ?依頼人にとってか?社会にとってか?あるいは自分自身にとってか?君の責任は君の依頼人と法にあるんだ。」
 キッキーにとって、依頼人が犯罪を犯したかどうかは問題でなく、依頼人を無罪にすることが、最良の結果ということになる。たとえ犯人であっても、その罪をいかに軽減できるかが、最大の問題となる。
 この証言拒否では証人が証言拒否を行うことによって、依頼人に有利な判決を勝ち取ったが、真実は意外な所にあった。
 このどんでん返しがこのミステリーの魅力である。
 アメリカの陪審員裁判は検事と弁護士のやり取りは面白いが本当に正しい裁判が行われるのかははなはだ疑問である。  


Posted by 北のフクロウ at 13:18Comments(0)読書

2018年10月04日

 リンカーン弁護士 マイクル・コナリー著 講談社文庫

 マイクル・コナリーのマイクル・ハラー刑事弁護士シリーズの初期の作品。
 映画にもなったから、作品としてはこちらの方が有名かもしれない。
 自動車のリンカーンに乗ってカルフォルニア中を走りながら、弁護士活動をする所から、「リンカーン弁護士」の名前がついている。
 事件は売春婦の暴行事件の弁護を依頼された主人公が弁護の過程で真相を知り、有罪な依頼人を心ならずも弁護しなければならなくなる。その最中に自身の調査人の殺人事件の犯人の疑いが掛けられ、ピンチに陥り、最後は犯人に銃で撃たれて負傷してしまう。
 一方の裁判では巧みな弁護術で、新米の検事をたくみに操り、陪審の裁決に至る前に勝利を勝ち取る。このあたりの弁護術は素晴らしいものがあるが、とても正義の味方とはいえない。このあたりが愛情の有無にもかかわらず検事の元妻との離婚した理由であることが、作中に述べられている。
 主人公にナマズと刑事弁護士の違いについて、刑事弁護士は人の不幸を金儲けの道具にしているゲス野郎であるのに対し、ナマズは魚だ、と言わしめている。たしかにこの事件では有罪犯人を無罪にすることで、金を貰う、ゲス野郎というのが当たっている。その過程で無罪の人間を刑事調停で懲役にしていたことが判明する。それが刑を軽くする手段であっても、無罪を信じて裁判に臨んだわけではなかった。
 そこが刑事弁護士の難しい所だ。
   


Posted by 北のフクロウ at 17:31Comments(0)読書