さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2012年10月13日

13階段 高野和明著 講談社

第47回の江戸川乱歩賞受賞作。13階段は絞首刑の13階段を暗示する。冤罪の疑いのある死刑囚の真の殺人者を探すうちに、自身が殺人を犯した事件とのかかわりから真犯人を発見する。殺人者と刑務官とが共同で調査するという設定にやや無理があるが、冤罪の真実に迫る過程は読んでいて面白かった。  


Posted by 北のフクロウ at 19:57Comments(0)読書

2012年10月13日

生きて候 阿部龍太郎著 集英社

阿部龍太郎の時代小説を続けて読む。今回の主人公は徳川家の参謀本多正信の次男本多政重である。前作が織田信長という歴史上の人物であるだけに人物像に窮屈なところがあったが、歴史上あまり知られていない本多政重なる人物だけに作者が自由に物語を作っている。秀吉の朝鮮征伐、関ヶ原の戦いなどの中で政重を天下無双の槍の達人として縦横無尽に活躍させている。痛快な時代小説で、主人公の活躍に胸のすく思いがする。物語はハッピーエンドであり、加賀前田家の家老として人生を終わったようである。  


Posted by 北のフクロウ at 19:52Comments(0)読書

2012年10月13日

信長燃ゆ 阿部龍太郎著 日経新聞社

 織田信長は明智光秀に暗殺されたが、実は公家方の陰謀があった、という著者の解釈により物語が展開する。公家方の主犯は関白近衛前久、それに豊臣秀吉がからむ。誠仁親王の夫人である晴子が彩りを添える。
 織田信長が天皇を超え、日本の王になろうとしたことに脅威を感じた公家方が陰謀を仕組んだ。それに踊らされた明智光秀はピエロ役になっている。最近の時代小説では明智光秀は必ずしも悪役ではない。天皇を尊重する勤皇派ということになっており、信長を討つことによって征夷大将軍となり、室町幕府の跡を継ぐことを望んだようである。しかしそれも近衛前久や細川幽斎らによって裏切られ、秀吉に討たれる。信長があまりに時代を超えた英雄であったが、部下の信望を得られなかった。カリスマ的な君主の最期は悲しい。  


Posted by 北のフクロウ at 19:41読書

2012年10月13日

第553回札幌交響楽団定期演奏会

10月12日(金)19時~キタラ
今回の演奏会は指揮者に広上淳一氏を迎え、イタリアにちなんだ曲目であった。
ベルリオーズ ヴィオラ独奏付交響曲「イタリアのハロルド」
R シュトラウス交響的幻想曲「イタリアより」
広上氏の指揮は観ていて楽しい指揮である。ヴィオラは札響ヴィオラ首席奏者の広狩亮氏。
ベルリオーズの壮大な構想の交響曲にヴィオラが独奏で参加するという交響協奏曲とでもいうべき作品。
ベルリオーズはその時代を超えた天才であると思う。パガニーニの依頼で着手したが、パガニーニの好みに合わず、変わった作品になった。ヴァイオリンでなく、ヴィオラであるところが面白い。ヴィオラの落ち着いた音色がメランコリックな夢想家の人物像を良く表現しているという。悲劇的な結末の物語にマッチしている。
Rシュトラウスはあまり好みの作曲家ではない。しかしこの「イタリアより」は南国的な曲風で、4曲目のフィナーレでは「フニクリフニクラ」のメロディを取り入れるなどしており、親しみやすい。広上氏の指揮で視覚的にも楽しめた。オーケストラは指揮者によってかくも変化するものであるということが分かる。
楽員も楽しんだことであろう。  


Posted by 北のフクロウ at 19:21Comments(0)音楽