さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2020年04月16日

北氷洋 イアン・マグワイア著 新潮文庫

 19世紀半ば、英国の捕鯨船が北極海で鯨油や鯨骨を得るために捕鯨活動を行っていた。非常に危険な航海であるが一癖も二癖もある乗組員が乗り組んでいる。船長は船主と組んで航海中に船を意図的に沈め、保険金を得ようとする。いわくある船医がその悪だくみに気づき事件を解決するが、その途中で多くの船員を失っていく。迫力のある北氷洋の捕鯨の描写が圧巻である。イギリス文学の傑作のひとつで、メルビルの白鯨に匹敵する作品と言っても過言でない。  


Posted by 北のフクロウ at 13:27Comments(0)読書

2020年04月16日

高空の標的 C.トーマス著 新潮文庫

 CIAのカブール支局副支局長が画策したソ連の書記長夫人の暗殺事件をイギリスSIS工作員パトリック・ハイドがタギクで目撃する。
 一方でアメリカの旅客機が墜落事故を起こし、連邦航空局調査員が墜落原因に疑問を呈する。二つの事件にCIAカブール支局副支局長が絡んでいる。これにソ連のKGBロンドン駐在員が絡む密輸事件と繋がり、JIC(イギリス合同情報委員会)委員長が元締めとなり、絡み合った事件の意図をほぐすが、その中で姪で連邦航空局調査員の恋人の誘拐事件が起き、解決に悩む。パトリック・ハイドは極めて人間的な工作員で、スーパースターではない。C.トーマスの描き方は悩み多き工作員として、麻薬中毒患者として、アフガンで働く工作員の姿を生々しく描いている。これもシリーズものであり、前後の作品を読まないとわかりづらい点がある。  


Posted by 北のフクロウ at 13:16Comments(0)読書

2020年04月06日

ロマノフ王朝の秘宝を奪え クライブ・カッスラー&ロビン・バーセル著 扶桑社

 クライブ・カッスラーのファーゴ夫妻シリーズの最新作。
 ロマノフ王朝のイースターの卵の宝石をナチスが奪い、これを元手に世界戦争を仕掛けようという元ナチスの狼衛隊という秘密結社の陰謀をファ-ゴ夫妻の活躍を描く。
 この作品もシリーズなので、主人公が殺されることなく、安心して読める。エニグマの暗号機が出てくるところはご愛敬。
 冒険好きの夫婦で、専門家集団がバックに控えており、物量豊かな資金力があり、これも安心できる。
 謎解きもないので、暇つぶしには格好の小説である。  


Posted by 北のフクロウ at 17:35Comments(0)読書

2020年04月02日

秘密結社の野望を阻止せよ!クライブ・カッスラー他著 扶桑社文庫

 クライブ・カッスラーとボイド・モリソンの共著で、ファン・カプリーニョを主人公とする「コーポレーション」シリーズの最新作。オレゴン号を武器として世界の諸悪と戦う。
 カッスラーの作品に共通する歴史と最新科学の融合したアドベンチャーミステリーで、歴史はインドのアショカ王、最新技術はAIで、バイオコンピューターと人工衛星を介してコンピューターを無力化する技術があり、そのどちらも世界制覇しようとする二つのグループがあり、互いに主導権を取ろうとする争いがあり、物語を複雑にしている。コンピューターやツウシンシステムで世界制覇しようとする試みはいま中国が目指していることで、G5でその恐れが出ている。
 今コロナ禍ではいち早く終息した中国が医療機器や医師をイタリアに供給し、動向が注目されているが、これも世界制覇の一手段とみられないこともない、と昨日のテレビで桜井さんが言っていた。本当だとすると恐ろしい国だ。  


Posted by 北のフクロウ at 08:56Comments(0)読書