さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2022年09月29日

ハンターキラー 東京核攻撃 ジョージ・ウォーレス&ドン・キース著 早川書房

 ハンターキラーのシリーズの第3作目。ハンターキラー潜航せよ、ハンターキラー最後の任務をかって読んだ。いずれも面白かった。第3作目も前作に劣らず、面白い戦時ミステリーとなっている。
 北朝鮮がロシアの核爆弾を買い取り、それをイスラム狂信派に売り払うが、そこで偽の核爆弾に改装し、本物はメッカとムンバイで爆発させることによって、世界の混乱を招き、その混乱に乗じて南北の統一を図ろうという陰謀がある。また偽の核爆弾を買ったイスラム狂信派はそれを東京で爆発させ、イスラム圏の拡大を図ろうとする。その資金は中国人の麻薬王の娘が提供する。
 アメリカの潜水艦がイスラム狂信者に乗っ取られ、それが東京に向かって危機になる。味方の潜水艦を魚雷で排除するという苦渋の戦略が取られる。乗っ取られた潜水艦には息子が乗っている。司令官である父親の心中はいかばかりか。
 盛り沢山で、話が次々と展開するので、ついていくのに一苦労する。最近の軍事ミステリーの傾向である。
 次の作品が待たれるシリーズである。  


Posted by 北のフクロウ at 18:58Comments(0)読書

2022年09月29日

ハンターズ アレキサンダー大王の墓を発掘せよ クリス・カズネスキ

 アレキサンダー大王の墓はどこにあるかわからないそうだ。エジプトのアレキサンドリアにありそうだが、地震で街が埋没した結果、行方が分からなくなった。そこでこのような小説が生まれた。ハンターズは宝物探しの集団で、ジャック・コッブをリーダーとし、元海兵隊や、元FBI,元CIAなどをメンバーとする。地下水道にある神殿を探し当て、手掛かりを得るが謎の集団によって、メンバーの一人が拉致される。
 ミステリーハンターの小説は私の好むところであり、シリーズ化されているので、楽しみである。
  


Posted by 北のフクロウ at 18:39Comments(0)読書

2022年09月17日

海鳴り 藤沢周平著 文春文庫

 基本的には日本人の小説は読むことが少ない。
 一時藤沢周平はよく読んだ時期があった。図書館で目についたのが、藤沢周平の「海鳴り」であった。時間がなかったので、とっさに手に取った。
 藤沢周平の人情物である。紙屋の主人が人生の黄昏時にふと酒に悪酔いした同業のおかみを助けたことを機に不倫の間柄になる。それを悪い同業者に見られ、金を渡し口封じをする。しかし不倫の仲をお上や不倫相手の主人に告げると脅され、その首を絞め、半殺しにする。逃げ切れないと悟った主人公は不倫相手に逃げることを告げると、相手も一緒に逃げるという。なんとも切ない話であるが、もとはと言えば不倫した主人公にやむにやまれぬ非がある。中年の男の切なさが身に染みる話である。  


Posted by 北のフクロウ at 06:42Comments(0)読書

2022年09月07日

アキラとあきら 池井戸潤著 集英社文庫

 今同名の映画が上映されていて、その原作として売れているらしい。
 池井戸得意の評判の銀行小説で、主人公がアキラとあきらという二人が主人公となって、倒産寸前の企業を見事に救う。
 浮体は銀行マンで、一人は大企業の御曹司、一人は倒産した中小企業の工場社長の息子、二人は同じ銀行の同期生で、共に有望な銀行マンであったが、大企業の御曹司の方は左前になった親の会社を救うべく、社長になり、銀行マンの方はそれに協力して、会社を救うという物語。
 いかにも池井戸らしい銀行マン小説で、銀行の審査や金融営業の裏側が良くわかる。財務諸表を見て粉飾を見破るなど、元銀行マンらしい内容になっている  


Posted by 北のフクロウ at 11:39Comments(0)読書

2022年09月07日

悪魔の参謀 マレー・スミス著 文芸春秋

 前に読んだ「ストーン・ダンサー」の前作に相当する。ストーン・ダンサーでおなじみの登場人物が出てくる。
 イギリスSISのデービッド・ジャーディンは南米局長で、南米の麻薬ギャングの撲滅のために、スパイを要請し、コロンビアに送り込もうとする。
 ニューヨーク市警のエディ・ルーコウはグランドセントラル駅でゆく物の過剰摂取で変死した若い女性の身元不明者に執着して、事件の解決を図ろうと躍起になっている。
 アイルランドの著名な検事ピアソンは暫定IRAの政策顧問として二重生活を送っている。
 この3つの場面が最後の数ページで見事に遭遇して、一つの解決を見る。それは必ずしもハッピーな解決ではない。
 そこにこのスパイ小説の深みと面白さがある。  


Posted by 北のフクロウ at 11:28Comments(0)読書

2022年09月07日

奪還 リー・チャイルド著 講談社文庫

 リー・チャイルドのジャック・リーチャーシリーズの最新作。実際は前26作中の10作目に当たる。執筆順に翻訳されるのは、出版会社の都合であるが、どこから翻訳してもいいような作品の造りになっていることも影響しているだろう。
 ある富豪の妻子が誘拐され、、それを目撃したリーチャーが富豪の用心棒に入り込む。その富豪がすこぶる怪しい人物で、当局からマークされていたのだ。誘拐犯はすこぶる巧妙で、なかなか尻尾を出さない。前妻も誘拐されて惨殺されていた。
 この誘拐犯を追ってイギリスに渡るが、そこで目にしたものは・・・・・。驚愕の結末が待っている。  


Posted by 北のフクロウ at 11:14Comments(0)読書