さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

ログインヘルプ


2012年08月27日

MIST 池井戸潤著 双葉社

殺人が小さな町に連続的に起こる。過去の殺人事件と結び受け、犯人を追い詰めていく。これが犯人だと思わせておいて、実は真犯人は・・・・。という筋立て。やや策におぼれた感が無きにしも非ずだが、江戸川乱歩賞受賞作家としてはひとひねりを利かせたつもりであろう。そうでなければ何の変哲もない犯罪小説になってしまう。ここでは直木賞作家の片鱗は見られない。ミステリー作家から企業小説家に変身していくのは銀行員の前歴がなせる業か。  


Posted by 北のフクロウ at 07:10Comments(0)読書

2012年08月27日

覇王の番人 新保裕一著 講談社

ミステリー作家が時代小説を手がけた。主人公は明智光秀とその配下の忍びの者。戦国時代の情報合戦が戦争に有効であったかというところに時代小説としての新鮮味があるか。明智光秀が天下の平和を願う善人で、織田信長が非道な覇権主義者として描くところは史実を踏まえているのか。細川藤孝の謀略に気付かなかった間抜けものという描き方になっている。明智光秀が山崎の合戦で死なずに天海僧正になったというのは小説家の妄想か。光秀に思い入れが強いとどうしてもあのまま死なせてはならないように思えるものと見える。織田信長が本能寺で死ななかったという小説があるように・・・・・。  


Posted by 北のフクロウ at 07:03Comments(0)読書

2012年08月27日

ダイスをころがせ! 新保裕一著 毎日新聞社

題名が内容とふさわしくないが、新人が国会議員選挙に立候補して苦戦する物語で、果して当選したかどうかの結論は出ていない。選挙制度や新人が立候補した時のノウハウがよく調べられており、参考になるかもしれない。新人が立候補して当選するとは思えないが、本人の情熱がどこまで通用するか興味がある。  


Posted by 北のフクロウ at 06:51Comments(0)読書

2012年08月11日

2万6千年の夜明け マーク・カンター著 講談社

現代にネアンデルタール人がよみがえったらどうなるか。ネアンデルタール人は2万5千年前に絶滅したといわれているが謎の部分が多い。頭脳が大きく、身体も強い。だから現代によみがえったらスーパーマンのようになるかもしれない。ここでは氷河に閉じ込められたネアンデルタール人から受精卵を取り出し、人工的に妊娠させ、此の世に再生させる。この辺りはサイエンスフィクションである。こう一つの仮説はユーラシア大陸からアリューシャン列島を通ってアラスカにネアンデルタール人がいたという。もちろん証明はされていないが、ありうる仮説ではある。金色の肌をして、金色の産毛に覆われているという。超人的な能力を持ち、活躍するが他の人間との差異になやむ一人の女性ではある。スケールの大きさといい、一級のエンターテインメントになっている。  


Posted by 北のフクロウ at 08:08Comments(0)読書

2012年08月11日

夕映え天使 浅田次郎著 新潮社

浅田次郎の短編小説集。人生の断面を手慣れた筆で書いている。人生のやるせなさがしみじみ感じさせられる。  


Posted by 北のフクロウ at 07:55Comments(0)読書

2012年08月11日

アマルフィ 新保裕一著 扶桑社

作者のサスペンス・ミステリー。イタリアのアマルフィを一つの舞台であり、暗号名として使っている。日本人の母子が誘拐事件に巻き込まれ、日本人外交官が解決に尽力する。犯人像が今一つハッキリしないのと、犯人Gがあまりに小さすぎる。国際陰謀というにはスケールが小さすぎる。バチカンまで登場するが果たして成功するかどうか。映画にもなったというがどんな出来栄えだったか。主人公の役人批判は々に入っている。いかにも外務官僚という人物像で、すっかり定型化しているようだ。アマルフィはヘラクレスが愛した妖精の名だという。その死を惜しんでヘラクレスが作った町だという伝説がある。一度行ってみたいものだ。  


Posted by 北のフクロウ at 07:52Comments(0)読書