さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2018年07月22日

パーフエクトライフ マイク・スチュアート著 創元推理文庫

 題名と小説の中身がこれほど違うのも珍しい。原題がそうなので、仕方が無いといってしまえば、それまでだが・・・。
 とんでもない看護師のたくらみで、殺人事件の犯人にでっち上げられ、追われる立場になる。その主人公を助ける黒人ジャズマンや病院のIT担当者がいるのが救い。コンピューターハッカーの悪者と協力者がいて、協力者も異常人格と描かれていて、ハッキングする人物像は作家のよい対象のようだ。精神科の医師を目指す大学院生が見つけた人生がパーフエクトライフということらしいが、良い伴侶を見つけたというのが、救い。  


Posted by 北のフクロウ at 16:34Comments(0)読書

2018年07月22日

緋の天空 葉室麟著 集英社

葉室麟が天平時代の光明子を主人公に時代小説の枠を江戸時代から広げた。
 天平時代は人間性が江戸時代と違って伸び伸びとしていて、小説家にとって書きやすいのかもしれない。
 天皇も長子相続と定まっていないだけに、皇族間で争いが絶えず、ドロドロとした争いがある。
 天平時代は女性天皇が多数輩出した時代である。現代は女帝が認められないが、この男女同権の時代にそぐわないのではと思う。
 光明皇后は聖武天皇を助け、悲田院や施薬院を創設した人物として知られているが、その人物像は魅力的である。
 ただこの時代の人名の読みは難しく、なかなか頭に入らない。人名に漢字を当てはめたためだろうか?膳夫と書いて、「かしわで」と読ませるのはどこから来たのか?理解に苦しむ。  


Posted by 北のフクロウ at 16:18Comments(0)読書

2018年07月22日

哀国者 グレッグ・ルッカ著 講談社文庫

 グレッグ・ルッカの「逸脱者」の続き。ボディガードであったコディアックがドラマとともに、追われる立場になり、その相手が国という大きな相手になる。その過程で、良き同士であったナタリーを失ってしまう。非情な作家で、味方や、よき友人、同士といった人物を敵の手によって殺させてしまう。その過程で、ボデイガードから暗殺者に主人公の立場が代わってきたようだ。  


Posted by 北のフクロウ at 16:00Comments(0)

2018年07月13日

逸脱者 グレッグ・レッカ著 講談社文庫

 グレッグ・ルッカのアティカス・コディアックを主人公とするボディガードのシリーズ。
 前作「暗殺者」で主人公を襲った暗殺者ドラマをこの「逸脱者」では警護対象者として、ボデイガードする。
 ドラマが別の暗殺者から狙われることが明らかになり、ドラマが巧妙な手口でコディアックがボディガードをせざるを得ないように仕向ける。
 暗殺者とボディガードとの奇妙な関係は今後どのような展開をするかが興味がある。  


Posted by 北のフクロウ at 14:22Comments(0)読書

2018年07月13日

神座す山の物語 浅田次郎著 双葉社

 奥多摩にある御嶽山(御岳山)にある神社を舞台とする連作である。
 浅田次郎お得意の霊のまつわる怪しげな物語が書かれている。
 ありえない話を、ありえるように読ませるのが、浅田次郎という小説家の腕であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 14:14Comments(0)読書

2018年07月13日

神座す山の物語 浅田次郎著 双葉社

 奥多摩にある御嶽山(御岳山)にある神社を舞台とする連作である。
 浅田次郎お得意の霊のまつわる怪しげな物語が書かれている。
 ありえない話を、ありえるように読ませるのが、浅田次郎という小説家の腕であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 14:13Comments(0)読書

2018年07月13日

春雷 葉室麟著 祥伝社

 葉室麟氏は最近なくなった。
 彼の作品に羽根藩3部作といわれる小説があって、この作品はその3作目に当たる。
 「蜩の記」が第1作、「海鳴り」が2作目、そして、本作が3作目である。
 いずれも自分の信念に基づいて、窮屈な生き方をする主人公が出てくる。
 この「春雷」でも鬼といわれるほど、藩の財政再建に努める多門隼人が出てくる。
 そのかたくななまでの生き方は、主君の馬に蹴られて死んだ娘と、流産したお腹の子供の恨みを彼なりに行き方で晴らそうという動機がある。藩財政を再建するための沼地の干拓事業も彼なりの生き様である。
 このような生き方はなかなか真似が出来ない。それだけに魅力があるのだろう。  


Posted by 北のフクロウ at 13:46Comments(0)読書

2018年07月06日

暗殺者 グレッグ・ルッカ著 講談社文庫

 グレッグ・ルッカのパーソナルセキュリティコンサルタント(いわゆるボディガード)のアティカス・コディアックを主人公とするシリーズ第3作である。前に2作目の奪回者を読んで、次の暗殺者を読んでみた。ジョン・ドゥという正体不明の暗殺者の手から、裁判の証言録取の証人を守るボデイガードの活躍を描いている。タバコ被害の裁判の証人というところが時代性を表している。  


Posted by 北のフクロウ at 13:53Comments(0)読書

2018年07月06日

闇のしもべ イモジェン・ロバートスン著 創元推理文庫

英国式犯罪解剖学シリーズの第1作に相当する。ここで、提督夫人と解剖学者のコンビが誕生する事情が明らかになる。
 隣家のソーンリー家におきた殺人事件と、その旧家の忌まわしい過去が二人の努力で明らかになる。
 次作の「亡国の薔薇」を先に読んでその時代考証力に感心したが、ここでも1780年におきたゴードン騒動が背景にあって、カソリック教徒やユダヤ人がプロテスタントに襲われる事件が起きた。宗教上の争いはいつの時代も起き得る物であって、旧くて新しい問題である。  


Posted by 北のフクロウ at 13:43Comments(0)読書

2018年07月06日

晩夏の墜落 ノア・ホーリー著 ハヤカワ文庫

 プライベートジェット機の墜落事故で、奇跡的に画家と子供の二人が助かった。
 その原因について、様々な推測がなされた。また画家に対してもマスコミがしつこく追求した。
 その中で搭乗者の一人がテロリスト国家のマネーロンダリングを不正に行って、巨利を得ていたり、ニュース番組のテレビ局で、看板ニュースキャスターが電話盗聴を行ったり、いろいろ不正が明らかになってくる。
 大きな社会問題が原因かと思っていたら、意外な所に墜落の原因があったことが最後に明らかになる。
 もっと大きなことが、原因かと思って読んでいたら、こんなつまらないことが原因だったのかと、肩透かしを食った気分になる。
 いろいろなエピソードが入り組んでいて、最後まで読ませるところが、著者の力なのだろう。期待が大きかっただけに、だまされたような感がある。これがアメリカ探偵作家クラブ賞の最優秀長編賞受賞作か?  


Posted by 北のフクロウ at 13:22Comments(0)読書