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2024年04月03日

教皇のスパイ ダニエル・シルヴァ著 ハーパーブックス

 がブルエル・アロンを主人公とするシリーズの一冊。舞台はヴァチカンで、こともあろうに教皇が暗殺され、後任の教皇の座を狙う聖ヘレナ修道会の策略が明らかになる。時期教皇が選出されるまでにその陰謀を暴かなければならない。
 「ピラトによる福音書」なる秘密文書が出てくる。これは聖書の正典と考えられているルカ、マルコ、マタイなどの福音書がキリストを磔刑にかけたのはユダヤ人であるとするが、ピラトによる福音書ではローマの総督ピラトが裁判でキリストに死刑を宣告したという。この正典の記述をもとにユダヤ人はキリストの殺人者として、キリスト教国から敵視され、世界を放浪する民となった。ただ聖書の記述が間違っていて、殺人者がローマ人であるとなると歴史は大きく修正されるであろう。
 ただ「ピラトの福音書」なるものは作者の創造であって存在はしないが、正典以外の福音書にはそれをうかがわせる記述があるという。
 歴史的には聖書は歴史書とは認められていない。後世の創作であるという。とすればユダヤ人迫害の歴史における聖書の存在は罪が深い。ユダヤ教とカソリックが敵対するのは無理もない。


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Posted by 北のフクロウ at 09:10│Comments(0)読書
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