さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2021年02月28日

容疑者 マイケル・ロボサム著 集英社

 臨床心理士でパーキンソン病という主人公。心理分析はできるが、腕っぷしは空っきりダメなあまり格好の良くない男だ。
 それがどういうわけかクライアントの男に殺人犯と疑われるように様々な嫌がらせをされる。そのために逃亡犯の扱いを受け、家庭崩壊の憂き目を見る。犯人を追及し、真実に近づいたと思った瞬間、とんだどんでん返しがある。2/3ほどはあまりに主人公がふがいなくつまらないが、しまいの1/3になって俄然面白くなる。イギリス的なユーモアがあって、アメリカの犯罪ものとはいささか異なる。  


Posted by 北のフクロウ at 16:37Comments(0)読書

2021年02月26日

札幌交響楽団新定期演奏会HITARUシリーズ

 今年から札響が演奏会をキタラシリーズとHITARUシリーズの二本立てとし観客動員数の増加を図ることになった。キタラが改修工事の入ったので、昨年の後半から定期演奏会も新定期演奏会もHITARUで行われるようになった。
 昨年はコロナの影響で、札響は苦難の年となった。
 今回の新定期演奏会はまだコロナの影響があり、プログラムが一部変更され、かえって魅力あるものとなった。
 指揮は広上淳一さん、チェロは佐藤晴真さん
 伊福部昭 交響譚詩
 ハイドン  チェロ協奏曲第1番
 チャイコフスキー 交響曲第5番
 ハイドン チェロ協奏曲は新鋭佐藤晴真氏を迎え、新鮮な響きであった。きけば22歳の新鋭で、ミュンヘン国際音楽コンクール優勝者だという。
 チャイコフスキーの5番は広上指揮で堂々とした演奏であった。
 札響はコロナで演奏会が開けない時期を過ぎてから再開し、見違えるほど演奏が素晴らしくなった。休演期間中の充電が良かったのか、再開後の演奏できる喜びが演奏に乗り移っているのか。
 HITARUは最初音が響かないなという印象があったが、慣れるとそれなりによく聴こえるようになってきた。ステージの暗い色調が影響しているのかもしれない。キタラと比べると、演奏会場がフラットなので、反響がないように感じる。演奏する側はどうなのだろうか。  


Posted by 北のフクロウ at 10:07Comments(0)音楽

2021年02月26日

パーフェクト・ライフ マイク・スチャート著 創元推理文庫

 精神科医の研修生である主人公の患者が何者かに殺害され、犯人の嫌疑が主人公にかかる。主人公の過去に係わる何者かが主人公の危機を救う。果たして犯人は誰か。
 使っているパソコンがWindowsXPであるところから、時代が分かる。ハッカーもIPアドレスをたどると誰かわかるなど、かわいらしいものだ。
 主人公もコンピューターのプロの手を借りて、事件解決を図る。  


Posted by 北のフクロウ at 09:44Comments(0)読書

2021年02月26日

暗黒結晶 ディープ・ファゾム ジュエームズ・ロリンズ著 扶桑社ミステリー

 ディープ・ファゾムというのはサルベージ船の名前。主人公ジャック・カークランドはそのサルベージ船の船長で、過去に宇宙船の乗組員として同僚で恋人を事故で失い、辞めてサルベージ船の船長になったという経歴の持ち主。
 地球上で大地震が起こり、エアフォースワンが墜落し、その捜索を依頼される。その遭難の原因に係わるのが暗黒結晶である。気宇壮大な嘘をもっともらしく小説にするのが、ロリンズの真骨頂である、と解説にあるが、嘘か本当か読んでいるうちはわからない。
 もっとジャック・カーランドの活躍を読みたいものだが、シリーズ化はされていないようだ。
 そういえば、ロリンズのシグマフォースシリーズの続編も久しく読んでいない。  


Posted by 北のフクロウ at 09:36Comments(0)読書

2021年02月14日

長く高い壁 浅田次郎著 角川書店

 久しぶりの浅田次郎作品を図書館で見出し、すかさず借りた。2018年初版出版とあるから、さほど新しくはないが、在庫のうちでは新しい方だ。
 浅田作品にしては、推理小説風で、新境地だ。題名にあるように万里の長城が舞台で、日中戦争の満州もので浅田の得意分野だ。ただミステリー作品であるとことが珍しい。万里の長城の守備隊が10人まとめて殺され、犯人捜しを探偵小説家である従軍作家に求められる。
 犯人はわかったが、従軍記事は見事に真実を隠ぺいしたものになった。作家の気持ちに共感できる。  


Posted by 北のフクロウ at 20:27Comments(0)読書

2021年02月14日

発火点 C.J・ボックス著 創元推理文庫

 ボックスのおなじみジョー・ピケットシリーズの最新作。
 日本の出版会社が講談社から創元社に変わった。訳者は変わらず。
 ジョー・ピケットシリーズの前作は「鷹の王」であったが、主人公がネイト・ロウマノスキーであったから、久しぶりである。
 シリーズはだんだんつまらなくなることが多いのだが、今回は山火事のスリルや殺人事件やら盛りだくさんである。しかも最後は猟区管理官の職を辞し、また知事の特命事項を担当するようである。まだまだ先があるということであろう。
  


Posted by 北のフクロウ at 20:17Comments(0)読書

2021年02月07日

七人目の子 エーリク・ヴァリア著 ハヤカワ文庫

 デンマーク人作家の作品。
 ノルウエーやスェーデン人作家と同じく北欧の作品に共通して言えるのは、名前が覚えにくいこと。
 デンマークと言えば、アンデルセンであるが、気候と同じく陰鬱で、悲劇的という印象がある。
 この作品にも出てくるが、ニールス・ボアとかキェルケゴールとか、結構先進的、世界的な人物を輩出している。
 ところでこの作品、養護院に同室した7人にまつわる物語で、スキャンダラスな事件を背景に、政治やマスコミが絡んで、複雑である。
 最後にアッと驚く結末が控えていて、だんだん期待感が増す。ただ人間関係が名前の覚えにくさもあって難解であり、とっつきにくさがある。  


Posted by 北のフクロウ at 10:11Comments(0)読書