さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2015年09月22日

札響名曲シリーズ 「海」フランスの印象

 9月19日(土)キタラ
 ジョシュア・タンというシンガポール出身の若手の指揮者が指揮し、石川祐支(札響チェロ首席奏者)がソリストになった、フランスの作曲家の作品を
プログラムとした。
ドビッシー   牧神の午後への前奏曲
サンサーンス チェロ協奏曲第一番
ラヴェル    道化師の朝の歌
ドビッシー   「海」3つの交響的素描
ドビッシー、ラヴェルは言わずと知れたフランス印象派の作曲家。サンサーンスはフランス作曲家の重鎮。
ジョシュア・ダンはシャルル・デュトワの指導を受け、中国、シンガポール等で活躍しているという。
石川さんは何度かソリストの演奏を聴いているが、優れたチェリストだと思う。いずれ中央で活躍する演奏家になるであろう。
曲としては道化師の朝の歌がスペイン風の旋律で楽しかった。
久しぶりで真貝さんのカスタネットの妙技を聴いた。  


Posted by 北のフクロウ at 08:46Comments(0)音楽

2015年09月22日

宰領 今野敏著 新潮社

 隠蔽捜査シリーズの5巻目とある。
 国会議員の誘拐事件で、警視庁と神奈川県警の間に入って、捜査の第一線で活躍する警察官の物語。
 両警察機関の縄張り意識が良く描かれている。
 差もあり何と思わせるところが作者の筆力であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 08:29Comments(0)読書

2015年09月22日

反骨列伝 伴野朗著 PHO研究所

 中国戦国時代に活躍した反骨の士を7名挙げている。
 張湯、呉起、淳干髠(じゅんうこん)、張騫、魯仲連、華陀、蘭相如である。
 知った人もいればそうでない人もいる。
 反骨と言うのは時の権力におもねないという事であって、いずれも自由人である。
 そんな人物が紀元前300年ころにぞろぞろいたというから、中国は奥が深い。
 その頃から、権謀術策がはびこっていたというから、そのころ縄文式時代であって文化の気配もない日本と比較すると、彼らからみると日本などまだまだヒヨコだと思われるのも無理からぬことだ。
 日本の政治家・外交官に中国の史記は読ませたい本のひとつである。  


Posted by 北のフクロウ at 08:25Comments(0)読書

2015年09月22日

黒書院の六兵衛 浅田次郎著 日本経済新聞社

 日経新聞でところどころ読んでいた。
 幕末の江戸城に六兵衛という正体不明の旗本が居座って、誰が何と言おうと動こうとしない。
 いったい何者なのか、興味を持って読み進んだが、結局誰なのかが分からなかった。
 浅田次郎の小説にしては、面白くなかった。
 いわゆる幕末もので、武士のあり方をテーマにしているのであろうが、武士の生き方としては江戸城に居座るという事がいかほどの意味があるのだろうか。
 旗本であれば、上野の山に籠った彰義隊の方が武士らしいと思うのだが、いかがなものか。  


Posted by 北のフクロウ at 08:09Comments(0)読書

2015年09月18日

武士猿(ブサーザールー)今野敏著 集英社

 武士猿と呼ばれた空手武道家本部朝基(もとぶちょうき)の生涯を描いた。
 今野敏自身が空手有段者で、みずから道場を持っているというから空手に対する思い入れは大きいものがあるのだろう。
 空手家に関する著作も多い。
 もともと空手は沖縄の武術手(ティー)からきている。琉球王朝時代薩摩から武器の携行を禁じられた琉球武士が素手で対抗する手段として編み出された武術である。明治以降琉球の本土化の中で、琉球武士の誇りが失われ、手の武術もすたれてきた。
 それを受け継いで、空手を発展させた功労者の一人が本部朝基であったという。
 その強さは相手にボクサー、柔道家、棒術使いに負けなかったことから証明されたと言えよう。
 空手をオリンピック種目にしようとする動きがあるが、本部朝基が見たら、なんというであろうか。
 おそらく手は武術であって、スポーツではない、というであろう。
   


Posted by 北のフクロウ at 11:12Comments(0)読書

2015年09月18日

ネームドロッパー フリーマントル著 新潮文庫

 成り済まし詐欺師が主人公で、ひとときのロマンスから姦通罪の罪状で裁判を受ける羽目になる。そこで詐欺師の特技を生かして原告の病歴や原告の不義を探り、無罪判決を勝ち取る。
 ここではクラミジアという性病が重要な役割を果たしている。
 詐欺師の手口は弁護士や、原告、医師、病院などのコンピューターにハッキングし、トロイの木馬をひそめて様々な情報操作をおこなう。
 アメリカでは社会保険番号が国民に付されていて、この番号を操作すれば楽々と銀行口座や病歴を知ることができる。
 今日本もマイナンバー制により、国民に番号が付されることになっているが、このセキュリティにはいろいろ疑問が呈せられている。
 この小説のような犯罪が行われると個人情報の安全性はきわめて危ういと言わざるを得ない。
 この詐欺師の真似をする人間が現れるとも限らず、犯罪者には読ませたくない小説である。  


Posted by 北のフクロウ at 10:55Comments(0)読書

2015年09月18日

聖なる血 ジェームズ・ロリンズ、レベッカ・キャントレル著 マグノリアブックス

 血の騎士団三部作の2作目にあたる。前作「血の福音書」であったストリゴイというバンパイアとサンギニストというキリスト教の擁護者との2000年に亘る争い。第2部ではストリゴイの首領がキリストを裏切ったユダが、裏切りのゆえに呪われてストリゴイとなり、死ぬことを許されず、彷徨っている。血の福音書に記された天使と騎士と学ぶ女が揃うとノストラダムスの予言のようなこの世の終わりが到来しストリゴイの望む世界になるという、何とも意味不可解なストーリーである。ロマンス、ヒストリカル、パラノーマル、ホラーの要素がミックスした複雑な小説であり、3部作の3作目がどうなるか興味津々たるものがある。  


Posted by 北のフクロウ at 10:40Comments(0)読書

2015年09月05日

札幌交響楽団第580回定期演奏会

 ハインツ・ホリガーさんを指揮者に迎え、彼の指揮とオーボエ演奏により、珍しいプログラムの演奏会を聴いた。
 フンメル 女装、主題と変奏 ホリガーさんがオーボエを吹きながら指揮をした珍しい曲。
 シューベルト アンダンテ
 シューベルト 交響曲第7番 未完成
 バルトーク 管弦楽のための協奏曲
 器楽奏者でありながら、指揮者というのはよくある。例えばこの次札幌交響楽団を指揮するアシュケナージやN響の指揮者であったプレヴィン、サバリッシュなどはピアノを弾きながら指揮をした。でもオーボエを吹きながら指揮をするのは珍しいのではないか。
 未完成は久しぶりに聴いたが、そのまえにアンダンテを入れた演奏は初めてだ。未完成が2楽章で終わっているから、補完的な意味があるのだろうか。
 バルトークの「管弦楽のための協奏曲」は耳になじんできた。最初聴いた時はいかにも現代音楽と言う意識で聴いていたが、そこそこなじんでくるとなかなかの名曲である。各首席奏者の腕の見せ所と言ったところか。  


Posted by 北のフクロウ at 13:40Comments(0)音楽

2015年09月05日

亡国の薔薇 イモジェン・ロバートスン著 創元推理文庫

 英国式犯罪解剖学という副題が付いている。18世紀のロンドンを舞台にした歴史推理小説と言うべき作品。
 クラウザーと言う解剖学者と、ハリエットという海軍提督夫人がコンビになって、難事件を解決するという筋だが、殺人事件の推理と言うより、18世紀のロンドンの風俗が克明に描かれていて、歴史小説の趣がある。当時の世相が分かり興味深い。
 小説は二つの流れが並行的に書かれており、一方は貴族社会、一方は底辺社会しかも女カード占い師の世界が珍しい。
 ソプラノ・カストラートがでる珍しいオペラ作品の舞台なども当時の世相が良く出ていて面白い。
 シリーズの2作目と言うから他の作品の中の二人の活躍を読んでみたいものだ。  


Posted by 北のフクロウ at 13:10Comments(0)読書

2015年09月05日

財務省の階段 幸田真音著 角川書店

 幸田真音はジャンルの異なる小説を書くことをモットーとしているという。
 経済や政治に基軸を置きながら、今回は経済ホラー小説ともいうべきものを手がけた。
 6つの短編小説からなり、どこかにつながりがありそうで、なさそうな組み立てになっている。
 ホラー小説としては今一つで、さほど怖さは無い。ありそうにも思えない。
 彼女は本来の本格的な経済小説を書くべきであろう。
 たとえば、中国経済に切り込むといたような・・・・・・。

ここまで書いて、どうもどこかで読んだような記憶がよみがえってきた。ブログを検索したらなんと昨年の6月に記述があるではないか。
1年たってすっかり読んだことを忘れていた。歳は取りたくないものだ。  


Posted by 北のフクロウ at 12:58Comments(0)読書