さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2016年11月27日

札幌交響楽団代595回定期演奏会

11月25日キタラで聴く。
 今回のプログラムは指揮に飯森泰次郎、ピアノにニコライ・ホジャイノフを迎えた。
 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 ワーグナー   「ニーベルングの指輪」の抜粋曲
 聴き所はピアニストのニコライ・ホジャイノフに尽きる。
 特にアンコールに2曲リストの作品を聴かせたが、その超絶技巧にビックリ仰天した。
 リスト(ブゾーニ編):「フィガロの結婚」の主題による幻想曲と同じくリストのグランドギャロップクロマディックである。
 24歳という若さで、勢いがあり、その若さの全てを尽くした技巧のすごさに度肝を抜かれた。さすがショパン・コンクールのファイナリストだけのことがある。
 ワーグナーの大オーケストラもかすんでしまうほどだ。
 ワーグナーの大オーケストラは札幌交響楽団の規模をはるかに越えるもので、それはそれで圧倒されるものがあったが、
管楽器が増えれば増えるほど弦の音量不足が気になる。もう少し弦楽器を強化できないものか。
  


Posted by 北のフクロウ at 10:00Comments(0)音楽

2016年11月27日

朽ちた樹々の枝の下で 真保裕一著 角川書店

 真保裕一が北海道を舞台に書いたミステリー。上富良野の森林組合が出て来る。札幌では東月寒や北22条、札幌駅近辺、藻岩山あたりが出てくるから、親しみのある作品だ。映画にしたら北海道のよい宣伝になるのではないか。
 日本の森林行政の問題点も良く出ている。
 自衛隊の内部問題があるので、映画にしづらいか。
 なぜ主人公が失踪した犯人の恋人にこだわるかが、主人公の結婚生活を複線にして、よく描かれている。本物の小説家のうまい所だ。  


Posted by 北のフクロウ at 09:42Comments(0)読書

2016年11月27日

ナイルの暗号 吉村作治著 青山出版社

 あのエジプト学者の吉村先生のミステリーとして有名になった一作。
 映画化もされた。
 エジプト学者の苦労が良く出ているのは、実体験に根ざしたからであろう。
 作品としては素人にしては良くかけているが、いかにもストーリーが粗っぽくなにかシドニー・シャルダンの超訳の小説を読んでいる様な感じ。
 これも吉村先生の発掘の資金稼ぎの区真作と思えば、涙ぐましい気がする。  


Posted by 北のフクロウ at 09:33Comments(0)読書

2016年11月27日

蛇の書 ジュシカ・コーンウエル著 早川書房

 著者はかの有名なジョン・ル・カレの孫娘であるという。その先入観で読むといささか期待はずれのミステリーである。
 文章が難解である。時代が錯綜して前後が繋がりづらい。
 話はバルセロナの殺人事件であるが、それに「蛇の書」なる古文書が絡む。錬金術師イルミナトゥスの書いたパリンプセス(元からあった文字を消して別の内容を上書きした羊皮紙の写本)なるものがでてくる。これがわかりずらい。
 単純に殺人事件の推理、解明に絞ったほうが良かったのではないか。
 ジュームズ・ロリンズ並みに歴史史実と現実を織り交ぜたほうが良かったのではないか。
   


Posted by 北のフクロウ at 08:56Comments(0)読書

2016年11月17日

極大射程 スティーブン・ハンター著 新潮文庫

前に読んだ「ハバナの男たち」の主人公アール・スワガーの子供のボブ・リー・スワガーが主人公のスナイパー小説。
 じつはこれが映画化されたものを観たことがあって、小説を読みながら映画の場面を思い出した。
 父親も総であるが、子供のボブも結構な南部の一匹オオカミのカウボーイタイプ、官僚や知識人タイプが大嫌いな人間である。
 FBIの派生組織の罠におちいって暗殺事件の犯人にされるが、見事真犯人を暴くという筋立てである。
 ここで主人公と戦場で殺された同僚の未亡人とは最後に結ばれて、子供が生まれることが示唆されているが、生まれた子供が又主人公になって活躍する「ソフトターゲット」という小説を古本屋でみつけた。
 同一作家が親子3代を主人公とする小説家は珍しいと思った。

 それにしてもアメリカは銃社会である。3億丁の武器が国民に所有されているというから、国民一人に1丁は銃が保有されていることになる。
 アメリカでは武器産業が1大産業であるから、いくら銃規制をしようとしてもなくならない。
 世界の戦乱もアメリカが武器輸出を止めない限り、止まらない道理である。  


Posted by 北のフクロウ at 10:10Comments(0)読書

2016年11月17日

居眠り磐音江戸双子 全51巻 佐伯泰英著 双葉文庫

図書館で目にするたびに読みついで、とうとう最終巻まで到達した。
 全51巻の大作を2002年から2016年まで14年余りかけて書いたことになるから、年に3~4冊書いたことになる。
 話は坂崎磐音という剣術家と田沼意次の暗闘を軸に磐音と剣術家との戦い、おこんとの出会い、結婚、出産など様々なエピソードを加え、尚武館という道場を再興する物語である。
 NHKのドラマにもなったので、人気時代小説であった。
 強い剣士と人情と当時の経済情勢をうまく盛り込んで、読み出したら止まらない魅力的な作品である。  


Posted by 北のフクロウ at 09:41Comments(0)読書

2016年11月04日

陸王 池井戸潤著 集英社

 池井戸潤の短編集を飛行機の中で読み終えたので、新たに新千歳空港で見つけたのが「陸王」であった。
 短編集読後の余韻と新聞等で評判が高かったこともあって、買ってみる気になった。新刊のハードカバー本を買うのは私としては珍しいことではある。
 この小説は池井戸の「下町ロケット」を連想させるストーリーで、中小企業が新規事業に挑戦する困難さをよく描いており、この展開は新規創業のコンサルとしては大変良いテキストになる。中小企業の経営者にぜひ読んでもらいたい本だ。
 足袋製造という衰退産業の老舗がランニングシューズの開発・販売で苦労する話である。
 様々な経営危機を乗り越え、いろいろな人との出会いがあって、成功に漕ぎ着ける一種の成功ストーリーである。
 現実は新規事業で失敗する事例を多く見ているだけに、この成功には拍手を送りたい。
 ランニングシューズの元技術として地下足袋があったこと、ソールの素材に繭を原料としたシルクレイの存在があったこと、その特許を持つ開発者が顧問として参画したこと、シューズフィッターが協力したこと、良いランナーを起用したこと、理解ある資金源をみつけたこと、等々いくつかの成功原因が挙げられるが、経営者の執念、意気込みといったものが無ければ、途中で挫折したであろうことは容易に想像される。
 大企業のいじわる、銀行の頼りなさは「下町ロケット」と同様であり、テレビドラマ化すれば、またまたヒットすること請け合いであろう。  


Posted by 北のフクロウ at 11:05Comments(0)読書

2016年11月04日

かばん屋の相続 池井戸潤著 文芸春秋

 旅行先で読む本が無くなって、新宿の駅中で見つけた1冊。
 池井戸潤の短編小説集。
 タイトルの「かばん屋の相続」は相続した兄が親の連帯保証人のために、倒産し、相続人の本命と見られた弟は救われるという話で、親の配慮が感じられる相続話となっている。かばん屋の相続問題では一澤帆布の騒動を想起するが、これを見事に小説にした。
 池井戸の小説では銀行に中小企業が泣かされる話が多数出てくるが、銀行マン出身の作者の体験が出ているのだろう。  


Posted by 北のフクロウ at 10:34Comments(0)読書

2016年11月04日

ハバナの男たち スティーブン・ハンター著 扶桑社

 アール・スワガーシリーズの1冊。
 特殊部隊最高のアール・スワガーも除隊して1警察官になっているが、キューバ共産党の動きに危機感を持ったCIAはカストロ暗殺にアール・スワガーを送り込む。そこにソ連の凄腕スパイがいて、両者に奇妙な仲間意識が生じる。
 結果的にカストロは生き延び現在に至っているが、そこですんなり暗殺されていたらキューバはどうなっていただろうか。
 歴史的事実は曲げようが無いので、いかにカストロは生き延び、暗殺に失敗したスワガーがCIAの手を逃れてアメリカに戻ってきたか、このあたりがアクション小説の醍醐味であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 10:25Comments(0)読書

2016年11月04日

最高処刑責任者 ジョセフ・フィンダー著 新潮文庫

 アメリカサラリーマンが競争社会であることが良く分かる1冊。
 日本人企業アメリカ子会社の営業副社長を目指す主人公がアメリカ特殊部隊出身の協力者によって競争相手を次々蹴落とす様がすさまじい。最後良心にかられた主人公が協力者と対決する最後がいかにもアメリカ的である。
 こうまで競争に勝とうなどとは思わないのは競争社会としてはレベルの低い日本人サラリーマンの泣き言か?  


Posted by 北のフクロウ at 10:15Comments(0)読書