さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2015年10月31日

札幌交響楽団第582回定期演奏会

10月30日Kitaraで聴く。
今回のプログラムは尾高忠明さん指揮で、
尾高さんのお父さんである尾高尚忠さんの交響曲第1番とブルックナーの交響曲第9番
珍しく指揮者から、この二つの作品は未完成であるが、作曲者は充分満足した作品になっているのではないか、というコメントがあった。
確かに尾高さんの作品は2楽章までであるし、ブルックナーは3楽章で終わっている。
しかし充分完成した作品であるといえる。
特にブルックナーは第1楽章が壮大で、4楽章の作品の不足を補ってあまりがある。特に第2楽章が荒々しく、第3楽章が相対的に静かで、収まり賀よろしい。
その点は尾高さんの交響曲にも言えて、1楽章と、2楽章で収まりがよいようだ。
指揮の尾高さんにはこの2曲に思い入れが深く、オーケストラは充分その思い入れに応えたできばえになっていたように思える。
エキストラを加えて、重厚長大なブルックナーの特長を余すところ無く伝えた演奏であったように思えた。  


Posted by 北のフクロウ at 20:36Comments(0)音楽

2015年10月30日

知的余生の方法 渡部昇一著 新潮社

 渡部昇一のかってのベストセラーに「知的生活の方法」というのがあった。
 「知的余生の方法」というのはその続編とも言うべき作品で、定年退職後の学者のありかたに指針を与えるもの。
 記憶力は磨けば年をとっても衰えないどころかますます磨かれるというだけあって、すばらしい記憶力である。
 学者の学者たるゆえんであろう。
 定年後余生が永くなり、何をするべきか迷うところである。
 このように余生を過ごすと一つや二つの新たな学問の分野が拓けるというのはそのとおりであろう。
 彼のように老後ぼけないで過ごしたいものである。  


Posted by 北のフクロウ at 14:33Comments(0)読書

2015年10月30日

確証 今野敏著  双葉社

 同じ警察モノで今野敏はいくつものシリーズを持っている。
 この作品では中年刑事とその部下の若い女性刑事の組み合わせ。
 捜査一課と捜査三課では、一課がエリートで三課の盗犯は低く見られているらしい。その捜査一課と捜査三課が強盗殺人事件で捜査本部で合同捜査をする。強盗の殺人に疑問を持った主人公が確証を得るのに苦労する。
 この強盗では指紋認証の手口からある元ドロボウに狙いを定めるが、元ドロボウは車椅子生活で、犯人たり得ない。
 指紋認証がセキュリティの決め手になりえないことがこの小説でも証明されており、犯罪者の知能、技術の高さは目を見張るものがある。
 マイナンバー制度が危ういひとつの証拠となりうる犯罪小説である。  


Posted by 北のフクロウ at 14:23Comments(0)読書

2015年10月30日

邂逅の森 熊谷達也著 文芸春秋

 熊谷達也はマタギに詳しい。マタギ三部作のひとつ。
 さらに明治時代の銅山のこともよく調べている。
 主人公はマタギであったが、夜這いがばれて、村を追われ鉱山の人夫となる。
 しかしマタギの血が騒ぎ、マタギの世界に戻る。
 巨大ツキノワグマとの抗争は圧巻。
 でもヒグマの比ではないだろう。
 秋田弁の会話は読んでいて難解。それが作品の深みになっている。  


Posted by 北のフクロウ at 14:09Comments(0)読書

2015年10月19日

モネ展

 日本人はモネが好きなようだ。
 今年は東京都美術館にマルモッタン・モネ美術館所蔵のモネの作品が来た。
 横浜で研修会があり、美術展を探したところ、東京都美術館のモネ展が目に付いたので、行ってみた。
 びっくりしたことにチケットを買うところから長蛇の列で、入場するのに10分ほどかかった。
 中はラッシュの電車を思わせる混雑で、ジックリ見ることは出来なかった。
 
 今回の目玉は印象派の名前の由来になった「印象、日の出」を見ることが出来た点だ。ここも並んで歩きながら見た。
 太陽の朱色が印象的な絵であった。  


Posted by 北のフクロウ at 15:47Comments(0)美術

2015年10月19日

地の日天の海 内田康夫著 角川書店

 内田康夫の珍しい歴史小説。時代は安土桃山時代で、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に若かりし頃の天海を絡めている。
 徳川家康と天海との関係をもっと描いているかと思ったら、織田信長が明智光秀に討ち取られるあたりで終わってしまい、肝心の天海の活躍は不十分である。期待はずれの小説であった。
 織田信長のエキセントリックな性格、秀吉のお追従はすでに多くの作家が触れているところであり、さほど新味はない。
 歴史小説は事実が分かっており、あまり小説家の入り込む余地は少ないのではないか。  


Posted by 北のフクロウ at 15:39Comments(0)読書

2015年10月19日

銀狼王 熊谷達也著 集英社

 明治時代北海道にオオカミが生存していた。
 それが、大雪でシカが大量に餓死し、オオカミも餌が無くなり餓死したり、開拓者がオオカミを駆逐したりしてして、ついに絶滅した。
 そんなときに、猟師が幻のオオカミを追い詰め、しとめるまでの物語。
 愛犬の疾風というアイヌ犬との交流がほほえましく、オオカミとの戦いで殺されてしまう場面では涙を禁じえない。
 1対1の対決で、オオカミに勝つが片腕を食いちぎられてしまう。壮絶な戦いであった。
 昨今のシカの繁殖を考えると、オオカミを入れたらと言う議論もあるが、いかがなものか。
 
  


Posted by 北のフクロウ at 15:30Comments(0)読書

2015年10月19日

ロシア黙示録 熊谷独著 文芸春秋

 作者は元ロシア駐在の商社マンということで、ソ連の日本商社の様子が良く描かれている。
 ソ連高官が日本商社にわいろを要求することはさもありなんと思う。それにKGBが絡むとなると、ますますソ連らしくなる。
 主人公が多額の金をもちこんで、KGBにつかまり、恐怖に陥れられる。その辺りはリアリティがある。
 先日、ロシアに行ったがそんな気配は全くなく、それだけでもソ連時代とは違うようだ。
 とはいえ、シリアに対する支援を見ると、未だに米ソ対立の時代を思わせ、あまり進歩していなのかとも思ってしまう。  


Posted by 北のフクロウ at 15:17Comments(0)読書

2015年10月12日

もう年はとれない ダニエル・フリードマン著 創元推理文庫

 ユニークな主人公をダニエル・フリードマンは作りだした。
 バルーク・シャッツ、ユダヤ系アメリカ人、87歳の元警察官だ。現役時代は殺人課刑事で、ちょっとは有名だった。いかんせん87歳の年齢には勝てないが、そこは老人の智恵で、第2次世界大戦の収容所で辛い思いをした相手の元ナチス親衛隊員に絡む事件に遭遇する。
 孫のテキーラとのコンビがユニークで、反骨精神にあふれた会話が、面白い。
 この作品もシリーズ化されるようで、次作が楽しみである。  


Posted by 北のフクロウ at 18:37Comments(0)読書

2015年10月12日

札幌交響楽団第581回定期演奏会

今回は指揮に広上淳一、ピアノソリストに小山実稚恵さんを迎え、オールラフマニノフのプログラム。
ピアノ協奏曲第2番は地震優れたピアニストであったラフマニノフの面目躍如の難曲であり、日本でも数えるほどしか弾くことのできない曲だと言われている。それを小山実稚恵さんが弾く。しかもこれもラフマニノフが得意であるという広上さんが指揮をするという。今年の札響定期で一番聴きたかったプログラムであった。そして結果は十分満足のいく演奏であった。小山さんはプロの演奏家として30周年になるという。デビュー30周年の記念誌がプログラムに挟まっていたが(このような演奏家のプロフィールがプログラムにあることが珍しいことであるが)これを読んでも彼女の素晴らしさは十分うかがえる。アンコールで演奏したスクリャービンの左手だけの作品もみごとであった。評論家の東条氏が「やさしさと強靭な意志」と彼女の演奏を評していたが、その通りの演奏であった。
 2曲目の「交響的舞曲」はロシア的な、ラフマニノフ的な舞曲であって、指揮台の上で踊るように広上氏が指揮をしていたのが印象的であった。第1楽章でサクソフォーンがソロパートを演奏していて、ユニークであった。第2楽章がワルツであるが、なかなか渋く、魅力的なメロディーが印象的であった。10月2日(金)キタラにて聴く。
   


Posted by 北のフクロウ at 08:41Comments(0)音楽

2015年10月12日

マヤの古代都市を探せ クライブ・カッスラー&トマス・ベリー 扶桑社

 カッスラーのトレジャーハンター、ファーゴ夫妻シリーズの5作目だという。カッスラーのNUMAシリーズと同様、歴史と冒険の物語で、こちらはマヤの古代都市と古代都市に眠る宝物を争奪しようとする悪実業家との争い。NUMAシリーズよりもお手軽な物語展開となっているのは、共著者の意向たくさんの共著者を持っているから、次から次と作品が生まれる。シリーズものであるから主人公がどんな危機にあっても死ぬことがないのがご愛嬌。
 この後の作品はまた共著者が変わって、ラッセル・ブレークという人になるという。
 小説家と言う極めて個人作業がアメリカではシステム化されている。アメリカならでは、の事であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 08:12Comments(0)読書

2015年10月01日

ステルス潜水艦を奪還せよ Cカッスラー& Dカッスラー著新潮社

 先に読んだ「聖なる予言」の跡に読んだこともあり、この本は実に明快である。
 例によってクライブ・カッスラーのNUMAシリーズで、息子のダーク・カッスラーとの共著であるから、息のあった筋の展開である。
 主人公は父親のダーク・ピットと息子のダーク・ピットJrと娘のサマー・ピットの家族。
 悪者はオーストリア人の鉱山会社経営者。レアメタルの独占を図った陰謀に、中国が絡む。ここではだまされた中国のエージェントがピット一族の見方的な行動をとるところが目新しい。22冊もこのシリーズで書いているというから恐れ入る。
 善人は死なず、あくが滅びるという構図で、安心して読めるのがこのシリーズの魅力である。  


Posted by 北のフクロウ at 15:08Comments(0)読書

2015年10月01日

聖なる予言 ジェームズ・レッドフォード著 角川文庫

 タイトルに釣られて借りたが訳の分らぬ内容であった。
 一応筋らしいものはあるが、聖なる予言が意識の変革の過程を示し、かなり精神的なもので、キリスト教の教義に反し、キリスト教社会であるペルー政府の圧力を受けるというものである。しかしその意識の変革の過程がちっともわからない。
第1の智恵 偶然を大切にする。
第2の智恵 気づきを現実的なものにする。
第3の智恵 生命の新しい見方を知る。
第4の智恵 他人を支配し、他人のエネルギーを奪うという人間の本性について知る。
第5の智恵 コントロールドラマを知る。



第9の智恵 人間が波動を続けると驚くべきことが起こる。
といった調子で、各ステップの予言を追求しながら、主人公が精神の高みに到達するというもの。  
 
  


Posted by 北のフクロウ at 14:57Comments(0)読書