さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

ログインヘルプ


2020年03月29日

脱プラスチックへの挑戦  堅達京子著 山と渓谷社

 著者はNHKクローズアップ現代のプロデューサーをやっていた。副題を「持続可能な地球と世界ビジネスの動向」という。海洋プラスチックごみが問題になっているが、現状とNPO法人オーシャンクリーンアップの活動を取り上げる。世界の企業の脱プラスチックの動向が手際よくまとめられている。さすが第一線で環境問題を見つめてきたジャーナリストだけのことがある。日本の企業としては日本環境設計が取り上げられているが、同社はなんとアイエス法によるペットボトルのリサイクルを行っているという。これはペットリバーステクノロジーの工場を買い取ってリサイクルを行うという。ペットリバースは東洋製缶の子会社だった会社で、一度工場に行ったことがある。
 この本で言っていることはいかに日本のプラスチック廃棄物対策が遅れているかということだ。政治も経済界も環境に対する意識が低い。  


Posted by 北のフクロウ at 14:26Comments(0)環境/読書

2020年03月21日

「地球温暖化」論に騙されるな 丸山茂徳著 講談社

「 地球温暖化の原因が二酸化炭素の増加だけでない。」ということを地質学者の立場から極めて学術的に述べている。題名はウラン仮名の出版会社の意向でショッキングにつけられているがまじめな地球温暖化懐疑論である。著者は東京工業大学の教授でマントルの移動についてプルートテクトニクス論を打ち立て日本地質学会論文賞受賞、紫綬褒章受章した一流の地質学者の著書であるから、説得力がある。
 彼は地球温暖化の原因は
    1 太陽の活動度
    2 地球磁場と宇宙線
    3 火山の噴火
    4 地球の軌道
    5 温暖化ガス
 中でも太陽の活動以外で気温変化に最も影響を与えるのは地球の磁場であるという。CO2は空気成分で質量比0.054%であり、毎年1ppm上昇しても、温度はほとんで変動せず、質量比0.33%の水蒸気の変動の方が影響が大きいと述べている。
この著作は2008年に発行されているが、この本の中であと10年たったら地球の気温は寒冷化に向かっていることが証明されると予言していたが、2019年時点ではまだ温暖化は進行中で、寒冷化の気配は感じられない。あと10年たったら寒冷化に進むのであろうか?そうなればIPCCの活動はいったい何だったのだろうか。笑って振り返る時代が来るのであろうか?
 おそらく、丸山先生は地球の長い歴史から見ると、10年、20年はほんの一瞬であり、誤差範囲であるといわれるであろう。誤差範囲のうちに人類が滅びないことを願う。
 先生の主張で一番共感したのは、二酸化炭素の削減を言う前に、人類の人口減少を考えよ、というところだが、言うは易く実行をどうするかは難しい。SDGsでも人口減少はゴールにしていない。
 いま新型コロナウイルスが猛威を振るっているが、人類の歴史から見ると、戦争、疾病、飢餓が人口減少の原因であった。新型コロナ肺炎が人口減少の疾病原因とならないことを危惧する。  


Posted by 北のフクロウ at 10:30Comments(0)環境/読書

2020年03月06日

「地球温暖化」の不都合な真実 マーク・モラノ著 日本評論社

 地球温暖化についてアメリカの世論は温暖化脅威論と温暖化懐疑論の2者があり、マーク・モラノは懐疑論者の一翼を担っており、広報担当として共和党の懐疑論者の主張の基盤情報を提供している。これを信じる共和党員はトランプ大統領を筆頭として多くの信奉者を持っている。
 この著書はアメリカアマゾンのベストセラーになっているということが広告の売り文句だが、これを読むと内容が真実であるとすれば、懐疑論者に味方したくなるのは無理からない。もしこれが真実であれば、地球温暖化は二酸化炭素の濃度に関係なく、他の原因で温暖化が起きるのであり、二酸化炭素削減の努力をしても無駄であるということになる。温暖化の原因が二酸化炭素に寄らないから心配いらないということにはならない。むしろ何をやっても気候変動は防ぎようがないということになり、無力感にとらわれる。
 この本では温暖化の原因が二酸化炭素の上昇に寄らないことことは説得しても原因が何かには触れておらず、民主党の政策を批判し、トランプのパリ協定離脱を擁護することにとどまっている。
 ただIPCCの結論に疑問を感じることには、それなりに説得力があり、これからの環境保全活動のエネルギーを阻害することは間違いない。
 地球温暖化脅威論、懐疑論に一石を投じた問題の書であることは間違いない。  


Posted by 北のフクロウ at 21:33Comments(0)環境/読書

2014年07月11日

人類滅亡を避ける道 関野吉晴対談集 東海教育研究所

探検家関野吉晴の対談集で、山折哲雄、池内了、船戸与一、藤原新也、池澤夏樹、山際寿一、井田茂、島田雅彦、服部文祥との対談をまとめている。
 人類の将来は人口爆発に伴うエネルギー不足、食糧不足、水不足、温暖化などにより、2100年にどうなるかが大変危惧されている。
 それに対して、日本の賢人たちに人類の歴史と現状を分析してもらい、病状の診断と処方箋を出してもらおうという大胆な対談集である。
 いろいろ提言はあるが、将来は暗いのではないか。すくなくとも妙案は得られなかった。行くとこまでいかないと問題は解決しないのではないか。そう思える。  


Posted by 北のフクロウ at 08:46Comments(0)環境/読書

2013年07月25日

環境ビジネスの挑戦 長沢伸也著環境経済社

リサイクル等の環境ビジネスを経営しているミヤマ、リーテム、高俊興業、大幸工業、エスク三ツ川の事例報告。産廃業のイメージをかえるような先進的な企業を採り上げている。経営の基本は同じでどちらも明確な企業理念を持っていることに気付く。新しい事業展開に失敗を恐れず、挑戦的である。時代を見通す目がある。経営相談に参考になる事例だ。優良事業者評価制度が有効であるというが、はたしてどうか、これから注目されるところだ。  


Posted by 北のフクロウ at 09:18Comments(0)環境/読書

2013年07月25日

岐路に立つ静脈ビジネス 吉村哲彦著 中央法規

リサイクルの専門家は少ないが、数少ない専門家の一人。しかもリサイクル産業には懐疑的な考え方をしているように思える。特に容器包装リサイクル法には特定事業者、市町村、再商品化事業者、再商品利用事業者の合意ができないうちに見切り発車された法律のために、拡大生産者責任と排出者責任がごしゃごしゃになり、改正時に議論がまとまらなかった、という点はその通りだと思う。ではどうしたらよいか、という前向きな提言はかけているように思う。動脈ビジネスと静脈ビジネスの違いからくる経営の在り方には聴くべき意見が多い。  


Posted by 北のフクロウ at 09:07Comments(0)環境/読書

2004年08月14日

枝広淳子著「地球のセーターってなあに」によせて

こんな感性の柔らかなスーパーレディがいたでしょうか。驚きです。
枝広さんは通訳、翻訳、環境ジャーナリストとして活躍している42歳の女性です。タイトルは地球温暖化をいかにしたら防止できるか、をいろいろな人との交流をとおして訴えています。私など人類の将来に余り期待をしていないものの一人ですが、この人の本を読むと希望がわいてきます。  


Posted by 北のフクロウ at 09:11Comments(0)環境/読書