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2015年04月24日

アイス・ハント ジェームズ・ロリンズ著 扶桑社

 ジェームズ・ロリンズは竹書房から出ているシグマ・フォースシリーズの作者であるが、シグマ・フォースシリーズ以外のロリンズの作品を扶桑社が翻訳権入手したらしい。
 帯に最上のマイクル・クライトン作品を想起させる、というアマゾン・コムの書評を載せているが、たしかにジャラシック・パークの恐竜と似た哺乳類の先祖であるグレンデルが重要な役割を果たしている。
 北極圏の氷河に建造された研究施設を舞台に米ソが施設の破壊を企図する。どちらが善で、どちらが悪かは最後まで分からないところがミソで、グレンデルのような怪物が出現可能かどうかは科学的に検討される余地がある。少なくとも作者の想像力を掻き立てた自然界の事実はあるようである。人体実験のおぞましさは歴史的にみると事実としてあることであり、もしもそのような研究所が存在したならば、時の権力者は隠蔽したと思うのは当たり前であり、その事実を覆い隠すためには破壊もやりかねない。
 ジェームズ・ロリンズの物語展開は息もつかせぬスリルとサスペンスに満ちており、楽しめた。


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Posted by 北のフクロウ at 15:38│Comments(0)読書
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