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2014年05月28日

上杉かぶき衆 火坂雅志著 実業の日本社

 戦国時代の上杉家の直江兼続は家老職でありながら天下に盛名を馳せた。この小説は直江兼続を中心に上杉家にゆかりのある人物を並べて、その時代の上杉家のありようを描いている。前田慶次郎、水原親憲、大国実頼、上杉景虎、甲斐御寮人、上泉泰綱、本多政重といった面々だ。共通して言えることは「かぶき者」と一口に言ってしまえるほど、人と異なった行動をする者、奇矯に思えるほど個性的な人物たちであり、その人間的な魅力が際立っている。その中で直江兼続の上杉家の義を重んじる人柄が浮かび上がってくる。戦国時代から江戸幕府に至って、上杉家は豊臣派として、徳川家にはむかうが、それでも米沢の地に生き残ったのは、直江兼続の力が大きかったのであろう。歴史に「もし」はないが、もし上杉謙真が武田信玄と争うことなく、上京していたならば、どんな天下人になっていたろうか。同じことは武田信玄にも言えることであって、この辺りが歴史の妙であろう。


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Posted by 北のフクロウ at 15:48│Comments(0)読書
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