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2013年11月13日

赤猫異聞 浅田次郎著 新潮社

浅田次郎の図書館にある最新作で、2012年の8月初版発行である。赤猫というのは「火事」のことであり、明治元年の江戸の大火災を題材にしている。全編登場人物の語りで成り立っていて、芥川龍之介の「藪の中」を想起させる。だんだん真実が明らかになって、なるほど、と納得させるところが浅田次郎のうまいところだ。伝馬町の罪人は大火事の際、解放され鎮火後戻ると、罪一等減じられるというしきたりがあった。これに乗じて恨みを晴らそうとする3人の罪人、賭場開帳の責任をとった繁松、御家人の岩瀬七之丞、白魚のお仙がいたが、それぞれ恨みを晴らそうとすると、どういうわけか、見事解決していたという出来事が巧みに語られている。浅田節健在というところか。


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Posted by 北のフクロウ at 08:19│Comments(0)読書
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