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読書・コミック  |札幌市北区

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2018年09月04日

スケアクロウ マイクル・コナリー著 講談社文庫

 マイクル・コナーズの第3のシリーズともいうべき新聞記者のジャック・マカヴォイが主人公で、FBI捜査官レイチェル・ウォリングが登場する。
 ジャック・マカヴォイは「真鍮の評決」でロスアンゼルスタイムズの記者として登場しているが、ここではリストラの対象となり、期限を切られて退職勧奨される。辞める前に無実の事件を証明しようとするが意外な展開をみせる。ウエスタン・データコンサルタントという機密保持を売り物とするサーバー会社が出てくるのが、いかにもアメリカらしい。データを扱う会社に犯罪者が紛れ込むとどうなるか、恐ろしい話である。
 スケアクロウは案山子で、データ保護の監視者の意味で使われているが、とんだ案山子があったものだ。
 アメリカの新聞社はネットの普及に伴い、経営の危機にあるというが、その実態を小説の背景に用いている。
 トランプ政権になって一層その感を深くした。  


Posted by 北のフクロウ at 16:40Comments(0)読書

2018年09月04日

真鍮の評決 マイクル・コナリー著 講談社文庫

 マイクル・コナリーにはまっている。
 マイクル・コナリーにはハリー・ボッシュシリーズのほかにマイクル・ハラー弁護士のシリーズがあり、「リンカーン弁護士」というタイトルで映画にもなった。リンカーン弁護士というのは人名ではなく、事務所を持たず、乗用車のリンカーンを事務所とする弁護士という意味で、経費のかからない弁護士を意味する。
 裁判が絡む小説はなかなか理解に苦しむ所がある。特に米英の陪審員制度は合理的なのかどうか。
 ここでも陪審員の選定を巡って弁護士と検察側の忌避を巡ってのやり取りがある。自分の側の陪審員を選ぶことが、裁判の勝負を決する。
 何が正義かは問題でない。被害者が白人で、加害者が黒人の場合、人種問題が絡むから厄介である。ここではスリーパーの陪審員が問題となる。それを被告側が計画し、それを弁護士が知らないとなると最悪だ。  


Posted by 北のフクロウ at 16:26Comments(0)読書