さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2016年07月14日

暁に走れ ジョン・ストック著 小学館文庫

作者はジョン・ル・カレに比較されるスパイ小説の新しい旗手であるという。
 この作品に登場するレイラはイギリスMI6,アメリカCIAと渡り歩くスパイであるが、実がイランのスパイであるのが真の姿という三重スパイであるというのだから、ややこやしい。それに踊らされるMI6休職中のスパイはMI6の元長官の子供という設定で、インドのテロリストとの関係を疑われて、その父親は長官の地位を追われ、そのとばっちりで息子も休職の憂き目に会う。
 ロンドンマラソンで走っている最中にテロリストの不審な動きに気づき、テロを未然に防いだものの、テロリストとの関係を疑われ、CIAの拷問にあう。いかにもスパイ小説にあるようなハラハラドキドキの連続で、読者をあきさせない。テロリストと父親の関係が明かされて、事件の糸口が明らかになる。よくできたスパイ小説であると思う。  


Posted by 北のフクロウ at 12:40Comments(0)読書

2016年07月14日

逸脱者 グレッグ・ルッカ著 講談社文庫

 グレッグ・ルッカのボディガード・コディアックシリーズの第4弾作。
 前作「暗殺者」に登場した暗殺請負人ドラマ(アリーナ・シズコワの名前を持つ)との関係が思わぬ展開となる。
 なにやら暗殺者の結末がすっきりしないと思ったら、このような伏線があったのかと納得する。
 今回は別の暗殺者オクスフォ-ドが登場し、CIAが暗殺を発注しているというから、ややこやしい。
 今回の終わり方もドラマとの関係がすっきりしないから、別の展開を作者は考えているのかもしれない。
 ボディガードと暗殺者は攻撃と防御で、正反対の関係であるが、殺人に対する哲学も全く違う。
 このあたりにこだわるのが作者の主人公に対する思い入れであるように感じた。
   


Posted by 北のフクロウ at 12:26Comments(0)読書