さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

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2015年04月05日

原発事故、放射能、ケンカ対談 幻冬舎

 副島隆彦と武田邦彦との対談。副島自身は武田の主張にケンカを売るという立場で議論を吹き掛けているが、所詮素人の議論で、武田に軽くあしらわれている。素人と専門家の違いは歴然としており、話にならない。ここではリサイクルや地球温暖化問題でみられた武田の素人の議論と違って、別人の趣がある。原発については専門委員を務めるだけあって、自信があるのだろう。
 ここでは年間1mシーベルトか100mシーベルトかが、安全性の限界として議論の対象になっているが、発がん性のデータが武田の言うように医学的なファクトではなく、単なるコンセンサスにとどまっている限り、どこまでも平行線であろう。
 ただ事故発生後3カ月で出版された本であるところから、出版社のウケ狙いと見られなくもない。
 ほんのタイトル自身もケンカ対談というには内容に乏しく、互いの主張を論理を尽くして論駁するようにはなっていない。専門家と素人の対談であるならば、ケンカではなく、専門家の意見に教えを請うという謙虚さが必要であろう。
 副島が言うように政治学者として一流であればある程、専門家に対する謙虚さが求められる。そのうえで自分の主張をするならば聞いていて、耳を傾ける価値がある。事故後4日目に事故現場に行き、防護服な士で、放射線量を測定するなど、暴挙以外の何物でもなく、その人の口から放射線量が100mシーベルト・年間でも安全だといってもだれも信用できないであろう。  


Posted by 北のフクロウ at 15:43Comments(0)読書

2015年04月05日

禁断 今野敏著 徳間書店

横浜みなとみらい署の暴対係の警部係長が主人公で、組織からはみ出して左遷人事をうけて所轄の係長をやっているキャラクターが今野警察小説では定番のようである。
中国の武装警察部隊が絡んだ麻薬事件で、警察小説も国際的になってきた。丸暴と丸Bの区別がこの小説を読んでわかった。
日本の丸暴は武器も持たずに、丸Bを制圧できるところがすごい。
ここでも警察の縦割りの効率の悪さが描かれているが、そこを破って活躍するところに主人公のすごさがある。  


Posted by 北のフクロウ at 08:27Comments(0)読書

2015年04月05日

爆走大陸 デズモンド・バグリー著 早川書房

  40年ほど前、好んでデズモンド・バグリーの冒険小説を読んだ時代がある。
  ゴールデン・キール、裏切りの氷河、高い砦、原生林の追撃・・・・。
  いずれも冒険心に富み、苦難に耐え、想像力豊かな、勇敢な男が主人公である。
  バグリーの面白さは奇抜な武器、器具が主人公を助けるところにある。
  この「爆走大陸」では舞台がアフリカであり、その新興国に発電機を売り込み、油田に搬送する男たちが主人公である。
  そこに内乱が勃発し、輸送部隊に困難が生じる。反乱軍からいかにして逃れるか、に腐心する。
  そこに出て来るアイデァは空のドラム缶をもちいた攻撃船で、この戦術はバグリーならではの物がある。
  またバグリーを読んでみたくなった。  


Posted by 北のフクロウ at 08:14Comments(0)読書