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2020年11月25日

ゼロ以下の死 C.J.ボックス著 講談社文庫

 ボックスのジョー・ビケットシリーズでエイブリル・キーリーという里子が出てくる。そのエイブリルは死んだと思われていたが、それらしい少女がギャングと環境保護活動家の親子に誘拐されて行動を共にしている。この環境保護活動家はカーボンオフセットのために資金を集め、中米で植林活動を行っている。カーボンオフセットのためには殺人も辞さない。
 著者は気候変動については懐疑的なようにも思える。論争が科学から宗教に移っている、という懸念を持っている。自分たちの信じることを信じて凝り固まっている、とまで言っている。地球の気温が一定しないのは当然だという。人類が空中に排出する温室効果ガスが何らかの永久を及ぼしていることも認めないわけにはいかないともいう。人類が十億人単位で増えて生態系に影響を与えるというのは当然で、温暖化が資源を浪費したり、エネルギーを必要以上に使ったりするのは、性分に合わない。環境に負荷をかけない生活をするのだ、とも言っている。これは社会から逃避生活を行っている鷹匠ネイトという人間の口を借りた、著者の考えであろう。それは主人公のジョー・ビケットの生き方でもある。
 それだけに環境保護活動の名を借りて、殺人を行う誘拐犯を許すことができない。


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Posted by 北のフクロウ at 14:03│Comments(0)読書
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