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2016年07月20日

哀国者 グレッグ・ルッカ著 講談社文庫

アッティッカス・コディアックシリーズの第6弾作。
 ボディガードであったコディアックが犯罪者として追われるうちに、次第に暗殺者に変身していく過程が詳細に描かれている。
 かって敵として対峙したドラマ(アリーナ)が別れがたい味方、あるいは愛人となり、犯罪者に追いやった真の犯人を追及していく。
 しかもその対象が政府内にいたとは・・・・・・。
 政府が暗殺者を雇い、政敵を暗殺するということはありうることだと思う。
 そこら辺が政治の暗部としてあるように思う。
 ところで、タイトルであるが、「愛国者」ではなく、「哀国者」としたところは、9.11以降にできた「愛国法」にちなんでいる。
 愛国法ではテロの脅威に対抗するため、NSAが個人の情報まで盗聴することが公然と認められるようになった。
 スノーデン事件で明らかになっているが、この種のミステリー小説では公然の秘密ともいうべきものであり、当たり前になっている。
 映画「シチズンフォー」でこのあたりが描かれているが、プライバシーと自由が侵害されることに脅威を感じざるを得ない。
 3部作の2作目ということだから、3作目も読んでみたいと思う。


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Posted by 北のフクロウ at 12:44│Comments(0)読書
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哀国者 グレッグ・ルッカ著 講談社文庫
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