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2016年01月18日

シェイクスピア・シークレット ジャニファー・キャレル著

  シェイクスピア学者が10年の歳月をかけて書いたミステリー。
 シェイクスピアが単独作家なのか、複数作家なのか、はたまた別人なのかというのは、それ自体がミステリーであるという。
 作者は研究の成果を盛り込んで、シェイクスピアの研究家でシェイクスピア劇の演出家がロンドンのグローブ座から米国のアリゾナ州の洞窟にいたる長い行路を追跡する。
 その背景には、ストラッドフォード派と非ストラッドフォード派の確執がある。
 作者(主人公)は非ストラッドフォード派のようであるが、確たる証拠はないようだ。
 シェイクスピアが書いたといわれる「カーデイニォー」という作品は上演されたという記録はあるが、原稿はいまだに発見されていない。
 その作者が誰なのかはなぞなので、その原稿が発見されたら、大変なことになる。これは想像に難くない。
 ましてや作者が本人か、それ以外の誰かであるかが分かれば、大事件になる。
 原稿は大変な高値がつく。
 作者の調査は本格的であり、それにミステリー作家の創造性が加わって、上質なミステリーになっている。
 犯人が二転三転して、最後まで息をつかせない。
 ロンドンから、アメリカ、イギリス、スペイン、アメリカに至る行程も読むと無理がなく、書簡や著作の有する謎解きはやや難解であるのが、読ませる。ダン・ブラウンを意識したのではないかというが、それはどうか。
 日本でも学者がもっとミステリーを書いてもらえれば、面白い作品が出来るのではないかと思う。そんなタレントは日本にはいないものか。

 


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Posted by 北のフクロウ at 19:30│Comments(0)読書
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