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2024年09月06日

クレオパトラの夢 恩田陸著 双葉文庫

 クレオパトラという謎を巡るミステリーである。舞台は函館市、それをあえてH市という。五稜郭をG稜郭、見え見えだがあえてHとしたのは、忌まわしいウイルスとの結びつきを嫌ったためか。電車で車内販売の駅弁を買って食べる、という表現があるが、おかしい。函館~渡島当別間は電車ではなく、気動車(ディーゼル車)である。生物兵器の研究を函館で行っていたというのはフィクションであろうが、函館の大火を証拠隠滅のため、軍が仕組んだというのは作者の創造であろう。ミステリー作家であるならば史実の掘り下げをそれらしくやって、作品にしてほしい。
 主人公が女言葉を使うのは違和感があるジェンダー問題を絡ませるのは女流作家ならではか。同じ傾向の作品を書かないといいている作家にしてはシリーズものにしているのは、よほど主人公に思い入れがあるのか。映画になって函館の風景がふんだんに出てくると面白いが、ウイルスと結びつくとイメージはどんなものか?


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Posted by 北のフクロウ at 11:00│Comments(0)読書
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