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2023年10月30日

ステーション・イレブン エミリー・セントジョン・マンデル著 小学館文庫

 コロナ以前に書かれた小説だが、新型インフレンザの猛威のため人口の99%が死に絶えたパンデミックを描いている。
 どういうわけかシェークスピアの演劇とオーケストラの楽団が一緒になって、ミシガン湖のほとりを細々と巡業している。
 タイトルの「ステーション・イレブン」とは主人公が持っている漫画本で、その中心人物のイレブン博士が移り住んでいる宇宙空間の名前である。不思議な小説でパンデミックの前後に時間が行き来し、シェークスピア俳優の心臓発作が舞台上で起きた日から、新型インフルエンザの感染が起き、その舞台にいた子役がその後の巡業のシェークスピア劇団の団員として生存している。死んだ俳優には3人の元妻がいて、最初の妻が「ステーション・イレブン」の作者である、などと話が錯綜している。
 コロナでは世界人口の何%が亡くなったかわからないが、99%が死に絶えた世界は想像もつかない。文明は当然滅びている。その中で人間は生存できるのであろうか?この小説では生々しい人類滅亡は描かれていないが、おそらくこんなきれいごとでは終わらないように思う。


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Posted by 北のフクロウ at 16:04│Comments(0)読書
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