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2025年03月27日

素晴らしき世界 マイクル・コナリー著 講談社文庫

 マイクル・コナリーのボッシュシリーズに新たな主人公バラードが加わって二人のコンビによるシリーズの第1作目。
 バラードは「ナイトショー」で主人公としてデビューしていて、そこにはボッシュも顔を出しているが二人の協力関係は初めてである。
 二人は次作で、ロス警察の未解決事件解決班の上司と部下の関係となる。
 ここではまだバラードは夜間刑事で、ボッシュはサンフェルナンド警察のボランタリーの刑事をやっていて、少女娼婦殺人事件の犯人を追っている。ここでも複数の事件が並行して進行していて、ロスアンジェルスという都市の事件の多さに驚かされる。レイプ、強盗殺人事件など日常茶飯事だ。その中で法律に縛られて捜査する警察も大変だ。それだけに法律やぶりまでして犯人探しをするボッシュやバラードのような警察官が貴重になるのだろう。身内の警察に犯罪組織の内通者がいて、危うくボッシュが犬のえさになるというスリリングな展開もあって、面白くてやめられず、2日間で読み終えた。  


Posted by 北のフクロウ at 08:26Comments(0)読書

2025年03月27日

オクトーバーリスト ジェフリー・ディーヴァー著 文春文庫

 ディーヴァアーの面白い趣向のミステリー。
 時系列で逆に書かれた小説。結末が最初に書かれている。最後にドンデン返しがある。いかにもディ-ヴァーらしい。
 読みだすと最初は戸惑う。従来の小説と逆に展開するから戸惑う。そこが作者の狙いだ。
 娘を誘拐され、身代金40万ドルとオクトーバーリストという秘密文章の提出を犯人から求められる。どちらも当てがなく主人公は困惑するが、そこにホワイトナイトだ出てきて、救出に協力する。主人公が警察官を撃ってしまう事件も起きる。さあどうなるか?結末は事件の始まりに書かれているという趣向だ。緊迫感があり、ついつい一気読みさせられる。作者の巧みな作品造に感心させられた。  


Posted by 北のフクロウ at 08:11Comments(0)読書

2025年03月24日

警告 マイクル・コナリー著 講談社文庫

 マイクル・コナリーのボッシュではないシリーズモノ、ジャック・マカヴォイが主人公。ジャックはジャーナリストで、警察官ではない。したがって事件を追うにも、調査手段が限られる。協力者として元FBIの調査会社社長のレイチェル・ウォリングが元のコネを使って、良い仕事をする。ジャックとはFBIの時に情報を流し、守秘義務を守って捜査協力せず監獄に入っていたのを、明らかにして救うとともにFBIの職を失ったという経歴があった。元の恋人同士の関係でもあった。事件はDNAの情報を巡る殺人事件で、秘密であるべきDNAが商売の材料になり、その情報をもとに殺人事件が起きるという事件である。いかにもアメリカらしい、おぞましい事件である。  


Posted by 北のフクロウ at 08:57Comments(0)読書

2025年03月19日

正義の弧 マイクル・コナアリー著 講談社文庫

 ダークアワーズの次に書かれた作品。バラードとボッシュが主人公。バラードがロス市警未解決事件班担当刑事になり、ボッシュをその配下に採用する。未解決事件はボッシュが関心を持つギャラガー一家殺人事件とバラードが上から圧力をかけられている市会議員の妹の殺人事件の二つが並行して進められる。市会議員の妹殺人事件は女優志願者の殺人事件と同一犯人であることが分かり、犯人は市会議員の近くにいることが分かる。意外な人物が真犯人であった。一方ギャラガー一家殺人事件は犯人がキーウエストにいることを突き止め、ボッシュが単独で捜査に向かう。ボッシュの命はセシウムの被爆のために白血病となり、限られていることが明らかにされる。  


Posted by 北のフクロウ at 18:46Comments(0)読書

2025年03月19日

鬼火 マイクル・コナーズ著 講談社文庫

 ボッシュシリーズ第22作目、ボッシュ、バラードシリーズとしては第2作目にあたる作品。
 ボッシュはフリーになり、バラードはレイトショー(夜勤の刑事)を続けている。
 バラードが夜勤の時にテント生活を送っている男が放火によって焼死するという殺人事件が起きる。一方ブッシュは先輩刑事の葬儀で未解決事件の捜査記録一式を未亡人から受け取る。どうも死んだ刑事が生前事件簿を盗んで自宅に保管していたようだ。異母弟の弁護士の手掛ける上級裁判事殺害事件の容疑者の無罪を求める裁判で、ボッシュは調査を依頼される。こちらは無罪判決を勝ち取る。その真犯人を追い求めるうちに、放火殺人と上級裁判事殺人事件の犯人のつながりが分かる。先輩刑事の盗んだ未解決事件は、意外な真相がわかる。
 事件が錯綜していて読むほうも混乱する。これがコナーズの狙いでもあるようだ。ここでボッシュが前の事件で浴びたセシウムの永久で白血病になっていることが明らかになる。余命がいくら残されているかがわからない状況になっていることが判明する。ボッシュシリーズもそろそろ終わりか?  


Posted by 北のフクロウ at 09:08Comments(0)読書

2025年03月14日

濡れた魚 フォルカー・クッチャー著 創元推理文庫

 珍しいドイツ人作家のミステリー。
 濡れた魚とは「迷宮入りした事件のこと。主人公はケルンで誤って人を殺して、コネでベルリンの刑事警察に転勤となり、風紀課の警部tなった警察官。事件は第1次世界大戦と第2次世界大戦の間のドイツで、共産党、ナチ党など左右の先鋭した政治団体が入り乱れている。ロシアの皇帝派の金持ち帰属だ財産を金塊に変え、ベルリンに持ち込んだといううわさから、殺人事件が連続して起こり、主人公が風紀課から殺人課に転向する意欲とあわせて、署内の政治的な取引に巻き込まれる。風紀課の上司だった上級警部が殺人犯にであることが判明、自身も殺人事件を起こしたから、犯人究明が混迷を極める。面白い設定のミステリーであるが、当時の政治情勢を把握しないと分かりずらいところがある。  


Posted by 北のフクロウ at 10:16Comments(0)読書

2025年03月09日

終決者たち マイクル・コナリー著 講談社文庫

 マイクル・コナリーのハリー・ボッシュシリーズの第11作目。相棒がキズ・ライダーという黒人刑事。ロス警察の未解決事件班に召集され、探偵から復帰する。事件は17年前に殺された女子高校生殺人事件。過去の捜査の不備を摘出することで警察内の反感を受ける。いつものパターンでどんな批判に対しても毅然として対応する。犯人は意外なところにいて、ボッシュの推理の冴えが見事。  


Posted by 北のフクロウ at 11:25Comments(0)読書

2025年03月09日

死角 オーバールック マイクル・コナリー著 講談社文庫

 実はこの本、管理画面で過去投稿を見ると、3回目である。ハリー・ボッシュシリーズの13作目。実に3回読んでも過去の記憶が全くない。こんなことも珍しいが、記憶力が減退している証拠だろう。
ボッシュがロス市警の殺人捜査班に復帰し、医学物理士の殺人事件を捜査する。テロ事件の様相を呈してきたため、FBIの戦術諜報課との合同捜査となる。FBIの嫌がらせをものともせず、犯人発見のために懸命の捜査をする。犯人は意外なところにいた!新聞の連載で文字数に制限があるため、店舗がよく、見事な推理となっている。
 でも同じ本を3回も見てそれに気が付かないとは・・・・・。  


Posted by 北のフクロウ at 11:18Comments(0)読書

2025年03月03日

汚名 マイクル・コナリー著 講談社文庫

 気に入った作者を見つけるとなるべく連続してその作者の作品を読むようにしている。
 マイクル・コナリーはそのような作家のひとりだ。
 マイクル・コナリーはシリーズ作品を書き続けている。
 ハリー・ボッシュシリーズだ。
 この「汚名」は前作「訣別」に引き続き、彼がサンフェルナンド市警のボランティア刑事。この作品も二つの事件が同時進行で進められる。
 一つは薬局親子の殺人事件、もう一つは解決したレイプ犯人から提起されたボッシュの間違い事件の再審要求。ミスをした刑事として「汚名」がかけられようとしている。ここでも異母弟の弁護士ミッキー・ハラーが重要な役割を果たしている。
 それにしてもアメリカは殺人、レイとしてプ、麻薬事件と物騒な社会である。西部劇時代のアメリカからあまり進歩しておらず、ますます悪くなっているように思われる。そんな国が世界のリーダーとして君臨している。トランプ大統領になってますます悪くなっているようだ。
 本文で引用されているリビングストンの言葉だという「同情は行動の代わりにはならない」はボッシュの信条と一致する。ジャンキーのエリザベスに対する態度、行動はそれを実践している。厚生のために地震のための保有金を使う。誰にもできる行動ではない。
 この辺りが彼の魅力だ。  


Posted by 北のフクロウ at 10:15Comments(0)読書

2025年02月27日

人体工場 仙川環著 PHP文芸文庫

 作者は大阪大学の医学部卒の作家で、医学関係の作品を書いている。医者にならずに新聞記者になったというところが異色である。才能のある人はいろいろなことができるようだ。
 作品は治験を題材として、人体でたんぱく質を合成して治療薬を製造しようとする。題材は面白いが、この動機が1病院長のがんの治療薬の開発という些事にあって、被害にあう治験者も二人という少なさでスケールの小さい事件となった。
 小説としてはあまり出来は良くない作品。  


Posted by 北のフクロウ at 08:56Comments(0)読書

2025年02月27日

幕末 司馬遼太郎著 文春文庫

 司馬遼太郎の幕末の暗殺者を主人公とした短編集。採り上げた暗殺者は桜田門外の変の有村治左衛門、新選組のもととなった首謀者清河八郎、花屋町事件の後家鞘彦六、猿が辻の田中新兵衛、住谷寅之助暗殺の山本旗郎、明治の元勲井上馨も若いころは暗殺者であった。暗殺者には攘夷論者であるという以外に大義はない。時代の流れに反して暗殺を大義とした面がある。三枝蓊(しげる)など時代がずれていれば攘夷論者の模範となる人物であったが、明治の時代にあっては時代遅れとなり、逆賊となった。幕末は多くの暗殺事件が起き、歴史を転換する事件となったものもあったが、多くは無用の殺人事件でもあった。それを歴史的遺産と司馬遼太郎は言うが、あまりありがたくない遺産である。  


Posted by 北のフクロウ at 08:48Comments(0)読書

2025年02月27日

木曜日の夜会 司馬遼太郎著 文春文庫

 表題の短編はオーストラリア北部の木曜島で高級ボタンの材料となる白蝶貝を潜水で捕獲するために出稼ぎに出た和歌山県出身者の潜水夫を題材とした作品。潜水夫の歴史に光を当てた作品として珍しい題材である。他の短編も司馬遼太郎らしい作品でスラスラ読める。小説の題材がいっぱい頭の中にあるのだろう。  


Posted by 北のフクロウ at 08:30Comments(0)読書

2025年02月27日

訣別 マイクル・コナリー著 講談社文庫

 マイクル・コナリーのボッシュ物。ボッシュとリンカーンン弁護士ミッキー・ハラーが主人公。この作品も二つの事件が並行して語られる。
 連続レイプ事件と金持ちから依頼された人探しだ。こちらは遺産相続が絡んでいる。ボッシュはボランテアの刑事と、本業の探偵との二足の草鞋を履いて忙しく立ち回る。それを使命として考えているところがブッシュの性格だ。その正義感が魅力である。  


Posted by 北のフクロウ at 08:25Comments(0)読書

2025年02月27日

スフインクスの秘儀 クリスチャン・ジャック著 竹書房

 ミステリーであるがフランス人の作家クリスチャン・ジャックだけあって一味違っている。ジャックはエジプト物の作家で「太陽の王ラムセス」や「ピラミッドの暗殺者」という作品で有名である。「スフインクス」という秘密結社が世界を支配する現代文明に抵抗する。「スフインクス」はエジプト時代から続く錬金術の秘儀を継承する組織で世界に9人ほどの賢者からなる。この組織をつぶそうとする勢力があって、組織のメンバーを次々と暗殺する。世界の新たな支配者はビッグデータ、ヒトとモノのインターネット、人工頭脳、バイオテクノロジー、ロボット工学、ナノテクノロジー、拡張現実など最先端の科学技術を駆使しようとする。その最たるものは脳の制御と機能向上であるという。すべてのパスワードを根絶することも、固体情報を記憶させたチップを埋め込むことにより可能になるという。バイオチップ市場を押さえることによって世界制覇が可能になると考えるのだ。
 これは悪と考えていてスフインクスは抵抗するのだが、結末は・・・・・?  


Posted by 北のフクロウ at 08:17Comments(0)読書

2025年02月11日

ゴーン・ガール ギリアン・フリン著 小学館文庫

 女流作家の小説が嫌いで努めて読まないようにしている。この作品も女流作家の作品で、やはり途中まで読まねば良かったと思いながら読み進んだ。結婚5年目の夫婦だがお互いに限界を感じている。結婚記念日に奥さんが失踪する事件が起きる。前半には夫の必死の探索が中心で、妻の失踪の原因がわからない。後半になって、事態が一変し、実は妻の仕組んだ失踪事件であることが明らかにされる。しかも犯人が夫であるように思わせる殺人事件まで示唆される。気づいた夫は必死に真相を明らかにしようとすればするほど、深みに陥る。一方妻のほうも持ち金を奪われ窮地に陥り、新たな策略を巡らせる。監禁事件を装い、元ストーカーを殺して夫のもとに戻る。悪女である。夫のほうも浮気がばれて窮地に陥ていたが妻が戻ったことにより、元の鞘に収まるが、どちらも戦々恐々とした結婚生活を送る。その二人に子供が生まれることにより、辛くも結婚生活が維持されることになる。
 結婚生活はこの二人ほどではないが、何年かすると、冷めた関係になることがままある。この二人ほどではないが、ありうる事態である。
 この小説が200万部のベストセラーになったというのは、そのような夫婦関係に共感する人が多かったためかもしれない。  


Posted by 北のフクロウ at 13:32Comments(0)読書

2025年02月11日

ダークアワーズ マイクル・コナーズ著 講談社文庫

 ハリー・ボッシュシリーズであるが、リタイアし主人公はレネイ・バラードにその地位を譲って、ボッシュはわき役となっている。
 話は二つの事件が並行していて、一つは二人組の連続レイプ事件。もう一つは元ギャングも殺人事件。こちらは銃の鑑定結果から、ボッシュの未解決殺人事件とつながった。バラードの警察の縄張りを超えた執念の捜査が、組織とぶつかり、一時は刑事を辞するまでに至る。警察組織と個性的な主人公とのぶつかり合いはボッシュと同じで、コナーズの共通テーマのようだ。  


Posted by 北のフクロウ at 13:15Comments(0)読書

2025年02月03日

韃靼疾風録 司馬遼太郎著 文芸春秋

 平戸に流れ着いた韃靼人の皇女を生まれ故郷の満州の地まで送る使命を藩主から命じられる桂庄助を主人公とする小説。場所を平戸から女真(満州)、明の時代の中国へとスケールの大きな小説になっている。時代は明の末期、明朝は宦官と官吏が暴利をむさぼって、農民は飢餓にあえいでいる。反乱がおき、李自成は北京に攻め込み時の皇帝を自殺に追い込んで新王朝を確立する。明の将軍呉三桂は清のドルコンに下り、ともに李自成軍を破る。清王朝の成立の場に庄助が立ち会う。最後が中国人になりすまし、女真の皇女を妻とし、長崎の戻る。明朝と清朝の交代を現場でレポートするように描いていて、面白い小説であった。  


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2025年02月03日

風の武士 司馬遼太郎著 文芸春秋

 司馬遼太郎の時代小説のジャンルに忍者物がある。架空の主人公柘植慎吾は抜刀術の使い手で、父から田宮流抜刀術の手ほどきを受けた。伊賀同心の次男坊で兄の家に厄介になっている。腕を頼まれて町道場の雇われ指南棒を務めているがその町道場が紀州熊野の安羅井という隠れ秘密里の関係者であった。幕府はこの安羅井の里にある金銀を目当てにその場所を探る使命を柘植慎吾に与えた。安羅井の里はどうやらユダヤ人の流れを汲んでいるらしく、誰も所在を知らないが、何やらユートピアめいたところがあり、同ジュの娘はその里の姫君であるらしい。
 架空の話だけに司馬遼太郎の想像力を刺激したらしく、ロマンあふれる時代小説となっている。  


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2025年02月03日

11番目の志士 司馬遼太郎著 文芸春秋

 幕末の長州藩の架空の剣士天堂晋助を主人公とする時代劇。
 司馬遼太郎の時代小説は読みやすく、あたかもその時代にいるような親近感を登場人物に感じさせる。奇兵隊の高杉晋作や桂小五郎などが生き生きとしている。天堂晋助は架空の人物であるが、高杉晋作に見いだされ、長州藩の人切りとなる。幕府の小栗上野介を狙うが、果たせず、高杉晋作の死を境に人切りをやめることとなっている。薩長土佐の歴史上の人物が活写されていることが読んで楽しい。  


Posted by 北のフクロウ at 08:44Comments(0)読書

2025年01月19日

相棒に気を付けろ 逢坂剛著 集英社文庫

 世間師というジャンルの詐欺師がいるという。
 耳慣れない言葉だが、「世情に通じて、巧みに世渡りする人。世慣れて悪賢い人」とある。
主人公と主人公より一回り悪賢い二人が組んで、いろいろな詐欺行為を行う。時によっては悪を懲らしめる世間師ならではの詐欺行為もある。
 世の中には悪賢い人間が多いから気をくけよう。  


Posted by 北のフクロウ at 11:11Comments(0)読書