チェイシング・リリー マイクル・コナリー著 早川書房
これもマイクル・コナリーの非ボッシュもの。
ヘンリー・ピアスという分子コンピューターの研究からベンチャー企業を起こした社長が主人公。科学者であるところが珍しい。したがって事件解決も警察官の思考ではなく、自然科学者のそれである。
事件は転居で電話番号を替えたところが、その番号がエスコート嬢の元の番号で、間違い電話に悩まされる。エスコート嬢の行方を追ううちに、殺されているのではないかという疑いを持つ。そのうち逆に殺人者の疑いを警察にもたれ、窮地に陥る。別居中の妻に犯人の疑いを持つが実は犯人は意外なところにいて・・・・・・・。という内容。
主人公の研究している分子コンピューターなるものが興味深い。分子レベルでいろいろな物質のキャリアーになりうるということで、実現すれば画期的である。こんあ最新の科学にも興味を持っているところにコナリーの視野の広さに感心する。
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