探偵の探偵1,3 松岡圭祐著 講談社文庫
前に読んだ「黄砂の籠城」が面白かったので、「探偵の探偵」も読もうと思った。
「探偵の探偵」という題名も興味があった。
結論を言えば、ミステリーとしては、いかにも日本人作家のミステリーというべき作品で、さほど感心するものではなかった。
妹のストーカー誘拐事件で、調査結果を出した探偵の存在が許せず、自らが探偵の探偵となって、悪の探偵を摘発排除する若い女性の話。
1では主人公がいかにして探偵の探偵になったか、3では求めた妹誘拐事件の探偵を探し出し、見事復讐を果たす。その間に2があるのだが、残念ながら、2は図書館になかった。続きの4もあるので、主人公が引き続き探偵の探偵を続けるらしい。
わざとらしいのは、非力な若い女性探偵の存在がいかにもアニメっぽく、ピンチの際の打開策が、非現実的で認めがたい。警察が探偵の探偵の存在を知りながら、証拠をつかめず、放置せざるを得ないというのも不自然である。
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