暗殺者の追跡マーク・グリーニー著 早川書房

北のフクロウ

2019年12月31日 08:25

 マーク・グリーニーの暗殺者シリーズの最新作。グレイマンことコートランド・ジェントリーはCIAに追われる生活からCIAとの和解が成立し、CIAのエージェントの立場にある。しかしCIAの言いなりになるわけではない。ロシアの元GRU長官が殺された妻と長男の恨みを晴らすために、イギリス人実業家になりすまし、復讐を図る。実の娘がCIAの側について、親子対立となる。ジェントリーは娘を助けるべく、巨悪に立ち向かう。諜報機関が一堂に会する会議にペスト菌の生物兵器を撒き、感染させ、世界中に感染を広めようという謀略である。果たして二人はそれを阻むことができたのか・・・・・・。親子の対立を入れたところが、目新しい。CIA内部にモグラを入り込ませる手口など、スパイ小説の昔からの手口も盛り込まれていて、スリリングな展開になっている。マーク・グリーニーのストーリー展開はいつもながらすばらしい。

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