熊と踊れ ルースルンド&トゥンベリ著 ハヤカワ書房
ネーミングが秀逸である。
話は銀行強盗をし、その成功と破綻の物語であるが、親との確執が根底にある。
熊との踊り方を教えたのも父親であり、銀行強盗が失敗したのも親のためであり、親子の関係が目を離せない。
幾ばくかの成功は類稀な長男の計画力にあるが、成功の中に破綻する兆候が示されていて、読むものにいつ失敗するかはらはらさせるところが、作者の技量か?
北欧ミステリーらしい重厚な語り口に引き込まれる。
スエーデンのような知的な国民にも銀行強盗のような犯罪があるんだ、と変に納得しながら読んだ。
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