キリング・タイム ケイレブ・カー著 早川書房

北のフクロウ

2018年03月31日 14:40

  近未来スリラー小説。2024年の話とあるから、今から6年後ということになる。2000年に書かれた。
  情報が世界を支配する未来はあまり良い世界とはいえない。そんな世界を替えるために巨大な謀略がその子供達によって図られる。
  超伝導体を使った磁気発動機を動力とする未来型の電磁船(潜水艦であり、飛行船である)は、ヴェルヌのノーチラス号を想起させる。情報社会の未来はあまり好ましいものではない。環境が破壊され、エネルギーも枯渇化している。情報は捏造され、民衆は操作されている。
  現在考えられる未来社会は資源が枯渇し、食糧の奪い合いが起こり、気候変動が大きく、住みづらい世界になっている可能性が高い。
  それなのに大国は覇権争いをしているし、協調よりも競争の時代に突入しているように見える。
  優れた政治家の出現が望まれるが、時代は逆方向を向いているようだ。

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