ウバールの悪魔 ジェームズ・ロリンズ著 竹書房文庫

北のフクロウ

2014年01月10日 15:57

シグマーフォースシリーズ0と銘打って、従来のシグマフォースシリーズのグレイ・ピアーズを主人公とするシリーズ以前のペインター・クロウを主人公とするアドベンチャーミステリーである。ペインター・クロウは1番以降のシグマーフォースシリーズでは司令官に昇格している。ジェームズ・ロリンズのこのシリーズは史実と最新の科学技術が融合した独特の魅力があるが、この0シリーズでも読者の期待を裏切らない。ここでは反物質や単為生殖といった科学的事実とシバの女王とかイスラム教で聖母マリアの父親であるイムラーンやヨブの聖廟が出て来る。聖母マリアが単為生殖でキリストを生んだということがウバールの女王シバの子孫であるラヒームの存在につながっている。ウバールというのはアマーンのかっては宿場町としてさかえたところ。あるとき突然埋没してしまった幻の町の名前だ。正月このアドベンチャーミステリーで退屈しなかった。これでシグマフォースシリーズは5冊であるが、この春出版されるという6作目「ケルトの封印(仮題)」が待ち遠しい。


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