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2022年08月26日

ストーン・ダンサー マレー・スミス著 文春文庫

 ストーン・ダンサーとはイギリスのスパイに名付けられた名称でロシアの昔話にある石の上を踊る妖精に因んで名づけられた。
 イギリスのスパイ小説の例にもれず、国際社会の複雑な仕組みのなかで、イギリス、ロシア、イスラエル、アメリカの諜報機関がお互いの腹を探りながら、問題の解決を図る。
 時はソビエトが崩壊してロシアが立ち上がろうとしていた混迷期。旧体制がソビエトの復活を願って闇の組織を作る。あたかもプーチンがウクライナに侵攻して、旧ソビエトの共産主義体制の復活を図ろうとする現代にダブる。
 その中にこんな一節があった。
「今世紀の政治組織の中で過激な綱領を掲げるものは、ひとしく民主主義を恐れ、憎んできた。このような政治組織は、党の中の党というべき秘密組織を擁し、非合法活動に当たらせるのが常だった。一たび権力を掌握すると、秘密組織は突然変異を遂げる。すなわち、国家内における独立国の地位を手に入れるのだ。(中略)おそらく人間の歴史には遺伝子的な欠陥が潜んでいて、そのせいで同じ過ちが際限もなく繰り返されるのだろう。」
 現代も同じ過ちが繰り返されているのが現実である。


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Posted by 北のフクロウ at 08:54│Comments(0)読書
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