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2017年07月07日

時限紙幣 ロジャー・ホッブス著 文芸春秋

  ゴーストマンと呼ばれる犯罪隠蔽を業としている凄業の男がいる。
  彼はクアラルンプールで請け負った銀行強盗でミスを犯し、仲間を失った。その負い目を償うために他の強盗の犯した現金強奪事件の隠蔽工作を請け負わざるを得なくなる。
 二つの犯罪事件が最後までミステリーとして残り、読者を引き付ける。
 主人公の生き方は「天国に入れないなら、好きなことをやれ」というモットーで、麻薬密売者の前で、平気でロシアンルーレットをやる。
 度胸が良いというのか、そのスリルが人生を意味あるものにする。
 連邦準備銀行の紙幣には時限装置が仕込まれているということは知らなかった。
 日本の日銀紙幣にもそのような時限装置が仕込まれているのだろうか。現金輸送車にそのような仕組みがあるならば、銀行強盗は割りのあわない犯罪になるだろうと思う。
 これは映画化されたようで、読んでいて映画の場面がチラチラした。しかしストーリーは思い出さなかったので、最後まで面白く読んだ。
追伸
 映画化作品をネットで追っていたところ、作者が昨年11月に薬のオーバードースで急死していたことが分かった。ヤクのやりすぎというのは、この種の作家としては、ありそうなことであるが、才能のある作家であっただけに、惜しい人材を失ったという思いがして残念だ。
 第二作目は完成していたようで、その翻訳が待たれる。


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Posted by 北のフクロウ at 13:57│Comments(0)読書
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