さぽろぐ

読書・コミック  |札幌市北区

ログインヘルプ


2018年01月09日

大河の一滴、林住期 五木寛之著 

年末から正月はいろいろ人生を振り返る良い機会となる。
 そんな時期に五木寛之の随想はいろいろ考えるヒントを与えてくれる。
 人間の一生を春夏秋冬(青春、朱夏、白秋、玄冬)あるいは学生期(がくしょうき)、家住期(かじゅうき)、林住期(りんじゅうき)、遊行期の4つに分ける考え方がある。人生100年時代になったからこれを4つに分けると、林住期は51歳から75歳、遊行期は76歳から100歳に該当する。私は今年76歳になるから、めでたく林住期から遊行期に移行する。ここで書かれている林住期のあり方が実践できたかといえば、できていなかったので、これからの遊行期をあたかも林住期のごとく過ごすのでちょうど良いかもしれない。そうすると私の遊行期は100歳以降となる?
 人間は大河の一滴のようなものだ、という言葉はそのとおりだと思う。そう考えると気が楽になる。
 五木さんの本は、肩から力が抜ける感じがするところが良い。  


Posted by 北のフクロウ at 09:30Comments(0)読書

2018年01月09日

チューリングの遺産 ジェームズ・ロリンズ著 竹書房文庫

 チューリングはドイツのエニグマという暗号を解読し、第二次世界大戦の終結を早めることに貢献した人物として映画にもなった。一方で同性愛者として犯罪者となり、化学的手段を選んで投獄を免れ、その後自殺しているというドラマティックな人生を送った天才である。彼がエニグマ解読に使った計算機がコンピューターの起源であるという説がある。
 彼の残したノートからドローンにAIを搭載した武器の開発ができ、これを用いて世界を混乱させようとする情報産業の実業家がでてくる。
 ドローンは元々軍事用に開発された無人機が元であり、これにAIを搭載することにより、無人の軍隊を作ることが可能になる。将来の戦争はこのようなロボット代理戦争になる可能性がある。
 この野望を元アメリカレンジャー部隊の兵士であった主人公と軍用犬のコンビが阻止するところにこのミステリーの面白さがある。
 例によってジェームズ・ロリンズの描写は綿密で、迫真のストーリーとなっている。
 シグマフォース外伝のタッカー&ケインシリーズ2作目であり、3作目も書かれているようである。  


Posted by 北のフクロウ at 09:04Comments(0)読書

2018年01月09日

テロリストの回廊 トム・クランシー、ピーターテレップ著 新潮文庫

  タリバンと南米麻薬カルテルが手を結んで、メキシコーアメリカ間の麻薬ルートを通って、武器を持ち込み、アメリカの航空機に対してテロを試み、一部は成功する。こんなストーリーの近未来小説がトム・クランシー&ピーター・テレップの手で書かれた。
  2012年の作品で、この後クランシーが亡くなっているから、随分前のミステリーであるが、9.11を予言する作品を書いたクランシーであるから、相当の可能性を秘めた作品であろう。むしろこのような作品がテロリストにテロ計画のヒントを与えているのではないかという危惧をする。タリバンが麻薬の密輸を資金源としていることは明らかであり、資金源を断たなければタリバンの活動を止めることが出来ない、というのも事実であろう。  


Posted by 北のフクロウ at 08:45Comments(0)読書